登山を本格的にし始めた人にとっては憧れる場所であろう北アルプス。とっても有名な山域の中でも、ルートに名前がついており、北アルプスの女王『燕岳』や知名度の高い『槍ヶ岳』などを登る『表銀座コース』。
さらに今回は、昔々上高地に行くために使用していたルート、徳本峠から島々まで沢沿いを下るクラシックルートと呼ばれる道を歩いてきた。
・中房温泉がスタート地点、島々がゴール地点
・表銀座コース、上高地クラシックルートを歩む
・2泊3日のテント泊
ルート基本情報
1日目 12.8km 8時間9分
中房温泉【スタート地点】~燕山荘~ヒュッテ西岳【宿泊地】
2日目 16.6km 9時間52分
ヒュッテ西岳【出発地点】~槍ヶ岳~槍沢~徳沢園【宿泊地】
3日目 21.6出発8時間12分
徳沢園【出発地点】~徳本峠~島々谷川~島々【ゴール地点】
ルート地図
1日目
中房温泉
出発地点は中房温泉だけど、マイカーのため帰りのことを考慮すると、穂高駅からのバスを利用することに。そうすれば、島々から電車で戻ってくるだけで済む。中房温泉に車を停めてしまうと、そこからバスやタクシーで行くことになるためだ。
穂高駅には登山者用の無料駐車場も用意されており、何日停めても金銭的には問題ない。
バスは時期によって出発時刻や便数が変わってくるため、よく確認しておこう!
時刻表及び料金表(安曇観光タクシー㈱)
中房温泉に到着すると、すでに登山客がそこそこいる。中房温泉の駐車場に停めた組だ。
最初に待ち受けるは、北アルプス3大急登と呼ばれている合戦尾根。だけど一定間隔でベンチが設けられていたり、道中合戦小屋という山小屋がある。合戦小屋では、飲食物や手ぬぐいなどの物品が販売されていたり、テントを張ることもできる。中でもスイカは有名だ。
合戦小屋を過ぎて登っていくと、槍ヶ岳が姿を現してきたりと、わくわくしてくる。
そうこうしていくうちに、燕山荘が見えてくる。
そこで振り返ってみると、ここからでも富士山が見えることに驚いた!
燕山荘
燕山荘の料金や利用については公式HPへ
到着するとテント場にはいくつかテントがあった。前日に利用していた人たちだろうか。今から新たに張るには早い気がしないでもないけど(到着したのは11時ごろ)。ただ、人気のテント場なので張れなくなる前に来たということなのだろうか。
※現在はコロナ禍ということもあり、テント場でも完全予約制となっている。
ここからは槍ヶ岳をはじめとした北アルプスの盟主たちを展望できる場所ともなっている。
本来であれば、燕岳の山頂に行きたいが、時間的な余裕がないと考えたため、残念だけど山頂に行かずに先へ進んだ。
ヒュッテ西岳
燕山荘をあとにすると、大天井岳方面へ尾根沿いを進んでいく。気持ちの良い稜線歩きだ。
そこそこ行くと蛙岩といういわがあり、テント泊装備を背負ったままだと通ることさえ難儀した。
狭くてザックなどが引っ掛かりやすいので注意だ。
大天井岳までは稜線歩きが延々と続く。
人気のコースだけあっていく先には多くの人たちがいる。
その道中でサルを発見!群れでいるようで、人間をあまり怖がっていない様子だ。
こんな高山地帯までサルの生息域になっているのはえさを求めてだとか。
大天井岳に登るための難所として、鎖場とはしごがある「切通岩」に到着する。といっても特別な技術が必要なわけでもなく、慎重に進めばOK。
登っていくと常念岳方面か槍ヶ岳方面に行くかの分岐にたどり着く。常念岳方面へ行き、大天井岳に登ってから槍ヶ岳に行きたかったが、時間もなかったため、今回は槍ヶ岳方面へ行くことにした。
大天井ヒュッテを通過するルートとなる。着実に槍ヶ岳に近づいて行っている。
このルートも稜線沿いを歩いていくことになる。
場所によっては細尾根を歩くことにもなるので中止しながら進んでいけば、
ヒュッテ西岳に到着!テント泊の場合は1人2,000円で、水は小屋で2L200円の販売となっている。テント場は約30張可能だ。
受付を済ませ、テントを設営してから、とりあえず西岳山頂に行く。すぐそこにあるので、身一つで行くことができる。
山頂からのテント場の景色。テント場はそんなに大きくはない。
ヒュッテ西岳からは真正面に著名な山が並ぶ。穂高岳や
明日に向かう槍ヶ岳だ。穏やかな日だったので、安心してテント内で就寝することができた。
2日目
槍ヶ岳
早朝、というにはまっくらな時間帯から行動し、いったん下っていく。日の出も近づいてくると、槍ヶ岳が眼下に迫ってくる。
日の出前の幻想的な風景が記憶に残る。
進んでいくと槍沢に降りる分岐点「水俣乗越」に到着する。そのまま槍ヶ岳へ
朝焼けに染まった槍ヶ岳を眺めながら、
連続する梯子を下りたり
細尾根を歩いていると、太陽の光を浴びる時間となった。
遠くには富士山も拝めたりする。
そうしていくうちに槍ヶ岳が眼下に迫る。
殺生ヒュッテへの分岐。現在はここから槍ヶ岳へ直接行くルートは、地震により崩壊しているため、通行不能となっている。
槍ヶ岳までの道もすでに岩場に近いが、白丸のペイントもあり迷わずに進んでいく。
まずは槍ヶ岳山荘に到着!殺生ヒュッテや様々な山が見える。
荷物を最小限にして、槍の穂先へと向かう。
誘導のための印が多くあり、人もたくさんいるので、ルートから外れることはない。
だけど、人が多すぎて渋滞することはままあるので、そこだけは諦めるしかない。
山頂もご覧の通り、写真撮影の列がある。
時間が経てばたつほど人は多くなってくるので、早朝かもしくは槍ヶ岳山荘に泊まり、日の入り前に行ったほうがストレスがないと思う。
槍沢
早々に槍ヶ岳を後にし、槍沢へ落ちていく。
ほどほどの岩があるところを下っていく。浮石には注意だ。
途中には水場もあり、冷たい水を補給することができる。
だんだん下りていくと、
樹林帯となり、沢沿いを歩いていく。
ババ平や槍沢ロッジを過ぎていく。
徳沢園
上高地の観光客にとっては終着点であろう横尾に到着する。
涸沢へ行くための有名な横尾大橋。観光スポットでもある。
休憩をほどほどにして、徳沢へと向かう。あとは平たんな遊歩道を道行くだけだ。
徳沢ではキャンプ場のほか、ロッヂや温泉施設などがあり充実している。キャンプ場は大人一人1,400円。当時はカレーめしがおまけでついてきた。また近くの徳沢ロッヂでは日帰り入浴が楽しめる。入浴料は大人900円だが、2021年は営業していない。飲食やお土産など扱っているお店もあり、キャンプ場で何日も過ごすことができる。残念ながら写真を撮り忘れているため、詳細は公式HP(リンク)で確認お願いします(泣)。
3日目
徳本峠
次の行程も長くなるため、早朝(真っ暗)のうちに行動する。
日が昇ってくると山が見え隠れしている。あれは…明神岳?
日が当たってきれいな山容となってくる。
徳本峠が近くなってくると、霞沢岳との分岐がある。時間的にも体力的にも厳しいため、徳本峠へ向かう。
徳本峠に到着、ここでも山小屋に宿泊や、テント泊をすることができる。
島々谷川
徳本峠からはまず九十九折に下っていく。途中でちから水という水場があるため、水分補給ができる。
下まで降りると、川沿いを下っていく。今までとは雰囲気が違う道を歩んでいくので新鮮だ。
ゴール地点の島々まではとても長い。下りとはいえ。
川を木橋などで渡ることもある。
岩魚留小屋に着く。昔はここも営業していたらしい。
そのあとも川沿いを進んでいく。
途中には休憩用のベンチもある。
高巻きするときもあり、高度感がある場所も通らなければならない。
また、川を渡る橋も設置されており、戻り橋と
行き橋が有名だ。
所々で当時の文化や歴史などを示すものが残っている。炭焼き窯や
秀綱奥方の遺跡、
変な樹木など。
そうこうしていると二俣に到着。ここまでくれば、あとは林道を進むのみ。
林道ではダムを横手に見ながら川沿いを進む。
そして長い道のりを経て、ゴール地点の島々へ到着。長い道のりだった…
ちなみに帰りはというと、安曇支所前バス停を利用し松本駅まで行き、そこから穂高駅まで帰りましたとさ。
所感
有名な表銀座コースを歩き、昔々上高地までの道のりだったクラシックコースを辿ってみた。表銀座は北アルプスでも有名な槍ヶ岳を望みながら、雄大な山々を見渡すことができ、スタート地点の中房温泉もアクセスが良いので、非の打ちどころがない登山道だった。燕岳からは稜線が続くため、景色が良い半面、天候に左右されやすいため、天気予報とにらめっこしながら日程を決めたほうが安全だ。今回は1日でヒュッテ西岳まで歩いたが、大天井ヒュッテ泊まりにすれば、燕岳や大天井岳の山頂にも登る時間はあると思う。
上高地までのクラシックコースは、川沿いをずっと歩いていく道。高山地帯を歩く時とは別の気持ちよさがある。総距離が長いので、適宜休憩を入れながら進もう。派手さはないが、北アルプスの一面と思っていくと真新しさが感じられる。
ただ、残念なことに2022年時点では、登山道や林道が崩壊しているため、通行ができなくなっている。無理やり行こうとすると、最悪命の危険にかかわることになるのでおすすめはしない。
もっと時間に余裕があればいろいろな山をピークハントできたけど、稜線を歩く楽しさに目覚めてきた今日この頃であった。
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