旭岳ロープウェイから旭岳を登る【百名山二十三座目】

登山
登山百名山

北海道の真ん中に位置し、巨大な山々を形成して北海道の屋根ともいえる大雪山。その最高峰が標高2,290mの旭岳です。ロープウェイを利用すれば標高1,600mまで行くことができますが、今回は登りでロープウェイを使用せずに登ってみました。

・山麓駅がスタート&ゴール
・下りのみロープウェイを使用
・旭岳石室を過ぎるとガレ場の急坂

2022年6月に行ってきた写真と登山データを掲載しています。
最新の登山道情報は自治体等でご確認ください。

ルート基本情報

行程

日帰り 4時間48分 12.1㎞ 登り1,695m 下り1,692m 山頂まで160分

山麓駅【出発地】~旭岳石室~旭岳~姿見駅~山麓駅【到着地】

ルート地図及び情報

下記をクリックするとYAMAP地図活動時間などの詳細な情報が見られます。

束の間の天気に旭岳を登る【百名山二十三座目】 / bataoさんの旭岳(大雪山)の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ルート詳細情報

山麓駅

旭岳ロープウェイ車中泊禁止のため、山麓駅前の駐車場へ入れないようになっています。

そのため旭岳ビジターセンターの駐車場に停めていきます。トイレが設置されていますが故障中のため、500mほど下った先にある旭岳青少年野営場を利用するしかありません。

駅の横側に登山道があります。入山届けもありますので、記入していきます。

最初は湿地帯の木道を歩いていきます。黄色の花はエゾノリュウキンカかな?

進んでいくと石が敷き詰められた登山道ぽい道になります。雪が残っている場所もちらほら出てきます。

笹薮が登山道にまで出てきており、体にどうしても接触してしまいます。前日降った雨が残っているので、ウェアが濡れてしまいます。

登山道が水の通り道になっているため、防水性の靴でなければびしょびしょになります。

再度木道に出ました。このあたりの湿原が天女ヶ原です。

旭岳石室

一合目の標識です。ロープウェイで登る人が大半だと思いますが、ロープウェイ建設前に建てられたものでしょうか。木の棒やピンクテープで補強されています。

この後も笹藪で登山道が半分隠れてしまっていたり、道が小川になっていたりと、地味にストレスが溜まる道が続きます。

湿原では雪に覆われているところや

木道がボロボロなところなど様々です。

ちょっとした渡渉地点もあったりします。夏が近づいてくれば、雪解け水も少なくなるので枯れ沢になるのでしょうか。

標高1,500mを超えると、登山道が雪に埋まってしまうので、雪道を歩いていきます。急な斜度でもないので、アイゼンは付けずに進んでいきます。

半分雪に埋まった四合目の標識。〇合目という標識はこれ以降見当たりませんでした。

旭岳が噴煙とともに見えてきますが、山頂は真っ白です。

ようやくロープウェイからの道と合流です。

登ってきた道への注意看板が。確かに積雪で分かりづらい箇所はありました。

高山植物帯を歩いていくと、石室が見えてきます。

石室付近には休憩場所があり、机やベンチ、大雪山愛の鐘があります。この鐘は、旭岳で発生した遭難事故の慰霊や、姿見の池の所在を金で知らせ遭難を防止する願いが込められています。

石室は文字通り頑丈な石で建てられえており、冬季用に2階からの出入り口があります。

雪が多く残っていますので、姿見の池はまだ全貌を見せていません。噴煙へは下山時に立ち寄ります。

山頂は曇っていますが、到着するころにはなくなっていることを祈りながら登っていきます。

旭岳

小鳥が近くのハイマツ帯に止まっていました。喉が赤く染まっているのでノゴマと思われます。

山頂までの道のりは、ザレ場の尾根を登っていきます。最初のうちは斜度はそれほどでもありませんが、徐々に斜度が増していきます。前日に雨が降っていたためか、足元はそれほど不安定ではありません。

高度を上げていくと、砂が茶色から黒色に代わっていきます。

雲も切れ切れになって忠別岳などの大雪山系の山々が姿を見せてくれました。

砂はさらに赤褐色に変化し、斜度が急になります。

登りから見て右手に見えてくる変わった形をした岩が、ニセ金庫岩です。ニセという名の通り、金庫岩は少し先に進んだところにあります。この岩が原因で、下山方向を間違えてしまう遭難事故が発生している場所です。

少し進んだ先に、地獄谷近くに金庫岩が立っています。真四角の形をしており、ニセ金庫岩と形状が似ています。夏道はロープや棒が設置されているため、迷うことはありませんが、冬季の天候が悪い時は見間違える可能性が高いため、地図やコンパスなどで確認をとりながら進んでいく慎重さが必要となるでしょう。

金庫岩までくれば、山頂はすぐそこです。登り始める前の雲が運よく取れていました。

一等三角点の選点100周年記念に設置されたものです。点名の瓊多窟(ぬたっく)はどこからきているのか調べてみると、大雪山はアイヌ語で「ヌタプカムウシュペ」であり、ヌタプの「プ」が「ク」に聞こえるため、「ヌタク」からきているのではないかということです。

熊ヶ岳や御鉢平などの表大雪方面です。こうしてみると、広大な山脈であることが分かります。

山頂は風が強く寒くなってきたので、下山していきます。地獄谷がよく見えるほど晴れてきています。

南側は青空が広がっていき、大雪山の広大な土地が彼方まで続いています。

沼ノ平方面にはいくつかの沼が見えます。

石室まで戻ると、ロープウェイから来た人がいましたので、下山はロープウェイを利用することにします。まずは噴煙を見に行きます。

姿見駅

噴気孔から黙々と煙が出ています。硫黄の影響で、噴気孔周りが黄色くなっています。

周りは高山植物が花を咲かせつつあります。

濡れたキバナシャクナゲ

エゾノツガザクラも。

こちら第4展望台。ロープウェイ周辺の散策道には展望台が複数箇所あり、ベンチが設置されています。

雪解けが進んでいる夫婦池。かつての噴火口で、現在も地熱が高く周囲より雪解けが早いため、他よりも早く高山植物が開花します。

第1展望台からは旭岳が見えるはずですが、早くも雲に覆われてしまいました。

姿見駅に到着です。第1展望台からほど近い場所にあります。

ちょうどロープウェイが到着したようで、下車した人たちに職員が旭岳の説明をしています。

先に乗車券を購入し次の出発時間を確認します。大人の片道で2,000円、出発時間は15分間隔です。料金と時間はシーズンによって変動します。

次まで時間があるので駅周辺の散策です。ロープウェイの道のり。到着地が見えるので、一見近いように見えますが…

先ほど職員が下車した人たちに説明していた案内図。主に散策道について書かれています。

こちら待合室。時間帯が早いためか、誰も待っていません。

記念メダル販売機も。

時間が来たので、乗車します。約10分で到着しますので、椅子はあまりありません。

中からの景色。ロープウェイはあまり使用しないので新鮮です。

針葉樹の森の横からの眺め。

山麓駅に到着します。レストランがありますが、早すぎて開店していません。

お土産などの売店は営業しています。

ちょうど今から登る人たちでにぎわっています。

建物全体は綺麗です。

朝利用できなかった山麓駅前の駐車場。シーズン中は有料ですが、冬季などは無料です。

無料の駐車場であるビジターセンター前もそこそこ埋まっていました。

この登山を振り返って

ロープウェイが営業する前に登り始めたため、湿地帯を登る登山道を使いましたが、登山道を覆い隠すほどの笹藪が難敵でした。しかも前日の雨でぬれていたため、衣服は濡れ、汚れが付着し散々でした。足場も水たまりが多く、防水靴でなければ不快だったでしょう。斜度はきつくないため、コンディションが良ければちょうどよい登山道だと思います。そのため、下山時はロープウェイを使用しました。

頂上までのザレ場は山頂に近づくにつれ急になっていきますが、雨により固まっていたからか、そこまで不安定ではありませんでした。

大雪山の景色を見ると、旭岳の山頂に行くだけではもったいない気持ちでいっぱいになります。御鉢平周辺の山だけでなく南の縦走路も捨てがたい道です。北海道の夏山シーズンは短いですが、いろいろな山を巡りたくなるほどの山脈だと感じました。

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