道東にある世界自然遺産に登録された知床半島。平地はほとんどなく、人が足を踏み入れ難い地形となっています。そんな知床半島を形成する山脈で、最も標高の高い山が羅臼岳です。
今回は斜里町にある登山口から登っていきました。
・ホテル地の涯がスタート&ゴール
・大沢の雪渓は雪が緩んでいたのでアイゼン無し
・頂上からは知床半島の山々から国後島まで一望できる
ルート基本情報
行程
日帰り 5時間44分 13.9㎞ 登り1,494m 下り1,481m 山頂まで170分
ホテル地の涯【出発地】~大沢~羅臼岳~大沢~ホテル地の涯【到着地】
ルート地図及び情報
下記をクリックするとYAMAPで地図や活動時間などの詳細な情報が見られます。
世界遺産の羅臼岳を登る【百名山二十六座目】 / bataoさんの羅臼岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
ルート詳細情報
ホテル地の涯
登山口であるホテル地の涯の駐車場は、ホテル利用者の駐車場となっているため、登山者の駐車スペースは10台ほどしかありません。屋外に登山者用のトイレが設置されています。
ホテルの脇道が登山道につながっています。
用水路沿いを進んでいくと木下小屋があります。小さな山小屋で、素泊まり2,500円となっています。ここが登山口で、入山届けやトイレが設置されています。
初めは森の中を登っていきます。傾斜がある斜面ですが、つづら折りの道であるため、足への負担が少なくなっています。
ほどほどの斜度を登っていくと、少し視界が開けて、オホーツク海を眺める場所があります。
開けた場所から少し進むと、650m岩峰です。ちょっとした岩場がありますが、特段危険な場所ではありません。
水場の弥三吉水です。テントを張るスペースもあるようです。
平坦な道になると極楽平に到着です。傾斜はほとんどないですが、道幅は狭いので歩きやすくはありません。
極楽平が終わると、今度は傾斜が急な仙人坂です。ただ、この道もつづら折りのため、そこまで傾斜を感じません。
大沢
雪が残っている箇所がありますが、この地点では登っていくわけではなく横断していきます。
銀冷水では携帯トイレブースが設置されています。ここでもテントを張ることができるようです。
ひっそりとした看板に羽衣峠と表記されています。
緩やかな登りを歩いていくと、雪が出てきます。ここが大沢になります。
大沢入口から、この雪を登ってきます。最初のうちはなだらかですが、徐々に勾配が増してきます。
部分的に夏道が露出しています。雪が緩んでいれば、アイゼン無しでも通ることができましたが、凍結している場合はアイゼンが必要なくらいの斜度になります。
振り返ると真っ青なオホーツク海を一望できます。
登った先にはご褒美なのか、エゾコザクラやキバナシャクナゲが咲き誇っていました。
羅臼岳
しばらく進むとハイマツ帯の平らな羅臼平に到着です。この場所はテント数張りほどのスペースがあります。
知床連山の登山道を開拓した木下弥三吉氏を称える石碑が建っています。
羅臼平からは山頂がきれいに眺望できます。
少し進んだところに、フードロッカーがあります。ヒグマ対策として、食料を食べられないように、頑丈な箱をテント場から離れた場所に設置しています。
北方領土の一つである国後島もよく見える場所です。
羅臼町からの登山ルートと合流する地点である岩清水分岐です。
名の通り岩から水が滴り落ちています。落下地点にあるグラスはこの場所の付属品でしょうか。
最後の雪渓を登ります。斜度は程よくグリセードができるくらいです。
雪渓を過ぎると最後の岩稜帯を登っていきます。ルートに黄色や青色でペイントされていますので、ルートロスすることはないでしょう。
最後の地味にきつい登りです。浮石はそれほどありませんが、油断は禁物です。
山頂にある大きな岩場です。少し周りながら頂上を目指します。
山頂に到着です。知床半島の連なる山を一望できます。
羅臼湖や遠音別山、海別岳など斜里町方面がよく見えます。
羅臼町方面を見ると、知床峠とその道がはっきりと見えます。
知床五湖あたりを見ると、ちょうど遊覧船が出発しているようです。山頂での景色を満喫したので、来た道を下山します。
駐車場に到着。ホテル利用者専用の駐車場にはコーンが置かれており、登山者は奥に見える木の下あたりにしか停めることができません。
停められないため、路駐が発生していました。
この登山を振り返って
知床半島はヒグマの生息地であったため、正直なところ内心ビクビクでしたが、登ってみると普段と変わらない登山で拍子抜けしたところがあります。ただ、極楽平ではエゾシカと至近距離で鉢合わせしたときは驚きを隠せませんでした。
知床連山を縦走することも考えましたが、やはりヒグマに襲われてしまうことを想像すると、なかなか実行に移せそうにありません。ただ、人の手がほとんど入っていない場所ですので、好奇心がそそられる山域と感じました。
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