ソニーから軽量・低価格な超望遠ズームレンズFE 100-400mm F5.6-8 OSSが発表されました。約654gという軽さと14万円前後という価格が特徴で、上位モデルFE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSSとは異なる、気軽に超望遠を楽しみたい層向けのレンズです。
同じような軽量・廉価な100-400mmクラスは、キヤノンが2021年に投入しており、シグマやタムロンも似た焦点域のレンズをラインナップしています。また、純正レンズとも比較しながら、新型ソニーレンズの立ち位置を見ていきます。
スペック比較表
| レンズ名 | Sony100-400mmF5.6-8 | SIGMA100-400mm F5-6.3 | TAMRON50-400mm F4.5-6.3 | Sony100-400mm F4.5-5.6 | Sony100-400mmF4.5 | Sony200-600mm F5.6-6.3 | CANON100-400mmF5.6-8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 発売日 | 2026年9月4日 | 2020年7月10日 | 2022年9月22日 | 2017年7月28日 | 2026年6月5日 | 2019年7月26日 | 2021年10月 |
| 定価(円) | 約140,000円 | 118,800円 | 165,000円 | 364,100円 | 726,000円 | 301,400円 | 126,500円 |
| 最安価格(円) | 107,000円 | 132,000円 | 293,000円 | 589,000円 | 241,000円 | 98,000円 | |
| 焦点距離 | 100-400 | 100-400 | 50-400 | 100-400 | 100-400 | 200-600 | 100-400 |
| 開放F値 | 5.6-8 | 5-6.3 | 4.5-6.3 | 4.5-5.6 | 4.5 | 5.6-6.3 | 5.6-8 |
| フィルター径(㎜) | 67 | 67 | 67 | 77 | 95 | 95 | 67 |
| 寸法(㎜) | 78.2 x 164.5 | 86×199.2 | 88.5×183.4 | 93.9×205 | 119.8×328 | 111.5×318 | 79.5×164.7 |
| 重量(g) | 654 | 1,140 | 1,155 | 1,395 | 1,840 | 2,115 | 635 |
| 最短撮影距離(m) | 1.13(W)/0.86(T) | 1.12(W/1.6(T) | 0.25(W/1.5(T) | 0.98 | 0.64(W)/1.5(T) | 2.4 | 0.88 |
| 最大撮影倍率 | 0.41 | 0.24 | 0.5(W)/1:0.25(T) | 0.35 | 0.25 | 0.2 | 0.41 |
| 手振れ補正 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 | 有 |
| OSSモードスイッチ | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 絞り羽(枚) | 9 | 9 | 9 | 9 | 11 | 11 | 9 |
| AF/MFスイッチ | 〇 | 〇 | ×(カスタムスイッチ有) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| フォーカスリミッター | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 | 〇 | × |
| カスタムボタン | 1 | 1 | 1 | 3 | 4 | 3 | × |
| テレコン対応 | 〇 | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 防塵防滴 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
※価格は2026年8月時点の目安。実際の価格は各販売店でご確認ください。
Sony100-400mmF5.6-8の特徴

最大の特徴は100-400mmという超望遠域でありながら、重量は654gと標準レンズ並みなことでしょう。純正レンズであることの恩恵もあり、F値がさらに暗くなりますがテレコンに対応していて、α9Ⅲの120コマ/秒も可能です。(ただ、元々暗いレンズをさらに暗くするテレコンを使ったり、α9Ⅲというプロ向けのカメラでこのレンズを使うかどうかは別ですが)その代わり、F値は5.6-8ととても暗く夜間など光量が必要な場所では使用することは難しいと思います。また、AFはXDリニアモーターを搭載していないため、AF性能はGMレンズなどに比べると落ちています。
F値の推移をみると、F6.3は135mmでなってしまい、220mmを超えるとF8になるため、望遠側は暗さ前提のレンズと言えます。

市場価格は約14万円なため、実売価格はもう少し安くなるでしょう。純正の望遠レンズは20万円以上するものばかりなので、お手軽に超望遠域を楽しみたい方にはもってこいのレンズです。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS との比較
ライトバズーカの愛称で知られるシグマ製の超望遠ズームです。焦点距離はソニー新型と同じ100-400mmですが、開放F値はF5-F6.3とソニー(F5.6-8)より明るく設定されています。ただし重量は1,140gとソニーの倍近くあり、全長も約30mm長いと軽さやサイズの面では新型ソニーレンズに軍配が上がります。近接性能では最短撮影距離と撮影倍率をみると、ソニーの方がかなり高いことが分かります。
価格は実売約10万円とソニーよりやや安価です。もっとも純正レンズではないため、ソニーのテレコンバーターには対応しておらず、望遠側を伸ばしたい場合の拡張性ではソニーに劣ります。発売から時間が経っているぶん実績とレビューが豊富なのも安心材料です。
多少重くなっても1段明るいレンズが欲しいというユーザーにはシグマ、とにかく軽さと純正の使い勝手を優先したいというユーザーには新型ソニーが向いていると言えるでしょう。
TAMRON 50-400mm F4.5-6.3 Di III VC VXD との比較
タムロンの特徴は広角端50mmからスタートする8倍ズームです。100mmスタート違い、標準域から超望遠域まで1本でカバーできる汎用性の高さが最大の武器で、ハーフマクロ撮影も可能なほど近接性能にも優れています。開放F値もワイド端でF4.5と明るく、より汎用性に優れた超望遠レンズと言えます。
一方で重量は1,155gとソニー新型の約1.8倍。全長も約20mmほど長く携帯性では劣っています。また、テレコン非対応で、連射速度にも制限があり、純正レンズの恩恵は受けられません。
1本で標準から超望遠までまかないたいという撮影スタイルにはタムロンが強い個性を発揮しますが、軽さ優先で純正レンズの利点もあり超望遠域を楽しみたいという用途では新型ソニーの方が扱いやすいはずです。
価格はタムロンの方が定価は少し高いですが、それほど大きく違わないので、自分に合ったレンズを選択する方が良いでしょう。
Sony FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS との比較
2017年発売の純正上位モデルで、焦点距離は新型と同じ100-400mmながら、開放F値はF4.5-5.6と2段近く明るいのが最大の違いです。Gマスターならではの解像性能と、繰り出し式ながら熟成されたAF性能で、プロの現場でも通用する描写力を持っています。
一方で質量は1,395gと2倍以上。フィルター径も77mmとやや大きく、携行性では新型に大きく水をあけられます。価格も実売約29万円とおよそ2倍で、明るさ・画質を取るか、軽さ・価格を取るかがそのまま両者の違いになります。
新型は望遠端でF8までしか使えないため、薄暗い場面やシャッター速度を稼ぎたい場面ではGMに分があります。逆に、日中の野鳥・飛行機撮影や、とにかく荷物を軽くしたい登山・旅行用途では新型が扱いやすいはずです。
10年近く前に発売したレンズのため、中古で探すのも一つの手です。
Sony FE 100-400mm F4.5 GM OSSとの比較
2026年6月発売されたばかり最新GMレンズで、F値固定・インナーズームというプロ向けの設計となっています。開放F値はズーム全域でF4.5と一定なので、露出設定を変えずにズーミングでき、動画撮影や連写での使い勝手が大幅に向上しています。4基のリニアモーターにより、旧型GM(F4.5-5.6)比で約3倍のAF速度を実現しているのも強みです。
その代償として質量は1,840gと3倍近く、実売価格も60万円前後とまさに別次元の高級レンズです。フィルター径も95mmと大型で、気軽に持ち出せる新型とは完全に住み分けられた存在と言えます。
野生動物・スポーツをプロレベルの機材で本気で撮りたいというユーザーにはSEL100400MCが圧倒的な性能を発揮しますが、まずは超望遠の世界を試したい、荷物は極力軽くしたいという新型の対象ユーザーとは、価格・重量ともにまったく異なるレンジのレンズです。
Sony FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS との比較
600mmまでカバーする純正超望遠ズームで、テレコンバーター2倍装着時は最大1,200mmまで対応するなど、望遠端の伸びしろでは他のどのレンズよりも優れています。インナーズーム方式で、鏡胴が伸び縮みしない安定した取り回しも魅力です。
その代わり質量は2,115gと新型の3倍以上という重さで、全長も318mmと倍近くあります。開放F値は望遠端でF6.3と新型よりは明るいものの、200mm始まりのため100-200mm域はカバーできません。
とにかく遠くまで、テレコンも活用してより大きく撮りたいという本格派には200-600mmが向きますが、まずは手軽に400mmクラスの超望遠を試したいというライトユーザーには新型100-400mm F5.6-8の方が圧倒的に扱いやすいでしょう。価格も約24万円と高価です。
Canon RF100-400mm F5.6-8 IS USM との比較
キヤノンが2021年に投入した超望遠レンズと今回の新レンズはかなり似たスペックを持っています。質量約635gとソニー(654g)とほぼ同重量、開放F値もF5.6-8と完全に一致しており、設計思想がほぼ同一であることが分かります。
スイッチ類もほぼ一緒ですが、キャノンにはフォーカスリミッターやカスタムボタンがありません。F値の推移については下記の通りで、ワイド側はソニーの方が比較的明るく、テレ側はキャノンの方が少し明るくなるという違いがあります。

両レンズとも純正のため、テレコンに対応していることが強みです。また、ソニーのレンズはα9Ⅲの120コマ/秒にも対応しているのが大きな利点です。
軽さと純正の強みが活きる超望遠レンズ
今回発表されたFE 100-400mm F5.6-8 OSSは、約654gという軽さと、ソニー純正ならではのテレコン対応・高速AF連写性能が最大の武器です。Sony純正レンズの超望遠域はGやGMレンズだけしかなかったので、手軽に超望遠を楽しみたい方にはドンピシャのレンズでしょう。
シグマ・タムロンは開放F値の明るさや広角側の汎用性で優位に立つものの、重量は600g前後重く、純正テレコンには非対応というトレードオフがあり、自分の撮影スタイルと持ち歩きやすさのバランスを見て選ぶのがよさそうです。
