シグマから、広角20mmスタートで385gという軽さを実現した標準ズームレンズが発表されました。標準ズームとしては広角寄りで、同じような20mm前後スタートのズームレンズとと比較しながら、シグマ新製品の立ち位置を整理していきます。
スペック比較表
| 項目 | シグマ 20-60mm F2.8-4 | ソニー FE 20-70mm F4 | タムロン 20-40mm F2.8 | LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6 |
|---|---|---|---|---|
| 発売日 | 2026年9月30日 | 2023年2月24日 | 2022年10月27日 | 2020年7月22日 |
| 実勢価格 | 132,000円 | 161,000円 | 78,000円 | 52,000円 |
| 焦点距離 | 20-60mm | 20-70mm | 20-40mm | 20-60mm |
| 開放F値 | F2.8-4 | F4 | F2.8 | F3.5-5.6 |
| レンズ構成 | 13群15枚 | 13群16枚 | 11群12枚 | 9群11枚 |
| 絞り羽根 | 9枚 | 9枚 | 9枚 | 9枚 |
| 最短撮影距離 | 20cm(W)-25cm(T) | 0.3m(W)-0.25m(T)(AF時)/0.25m(MF時) | 0.17m(W)/0.29m(T) | 0.15m(W)/0.4m(T) |
| 最大撮影倍率 | 1:2.3(35mm時)/1:2.9(T)15.8cm(28mm時) | 0.39倍 | 1:3.8(W)/1:5.1(T) | 0.43倍 |
| AF/MF切り替えスイッチ | なし | あり | なし | あり |
| 絞りリング | なし | あり | なし | なし |
| カスタムボタン | なし | あり | なし | なし |
| フィルター径 | 67mm | 72mm | 67mm | 67mm |
| 最大径×全長 | φ72.2×88.0mm | φ78.7×99mm | φ74.4×86.5mm | φ77.4×87.2 mm |
| 重量 | 375g | 488g | 365g | 350g |
※価格は2026年9月時点の目安です。
シグマ20-60mm F2.8-4 DGの特徴

最大の特徴は、超広角20mmスタート・3倍ズームという設計でありながら、重量はわずか375gに抑えられている点です。13群15枚というレンズ構成にSLDガラス3枚・非球面レンズ3枚を投入し、コンパクトさを維持しながら描写力を妥協しない光学設計を採用しています。
近接性能も見どころで、28mm時の最短撮影距離は15.8cm、35mm時の最大撮影倍率は1:2.3とハーフマクロに迫る数値です。望遠端60mmでも1:2.9という高い近接能力を維持しており、風景からスナップ、テーブルフォトまで1本でこなせる汎用性を持っています。
一方で、鏡筒には絞りリングやAF/MFスイッチ、カスタムボタンといった物理コントロール類は一切搭載されておらず簡素化されています。価格は13.2万円と純正よりも控え目になっています。
ソニーFE 20-70mm F4 Gとの比較
ソニー純正のレンズでシグマと同じ20mmスタートながら望遠端は10mm長い70mmまでカバーし、開放F値はF4通しという設計です。重量は488gとシグマより100g以上重く、全長も長くなっています。
その分、操作性は圧倒的に充実しています。絞りリングやフォーカスホールドボタン(2箇所)を備え、動画・静止画どちらの現場でも細かい操作がリング一つで完結する設計です。
価格はシグマより高価で、この操作系の充実度と純正ならではの信頼感がそのまま価格差に表れていると言えます。
F2.8始まりの明るさよりもズーム域の広さと純正の操作性を優先するならソニー、軽さと価格、そして開放F2.8のメリットを取るならシグマ、という住み分けになりそうです。
タムロン20-40mm F2.8 Di III VXDとの比較
タムロンの20-40mm F2.8 Di III VXDは、ズーム全域でF2.8通しという明るさを維持しながら、重量365gとシグマよりもさらに軽量・コンパクトに仕上げられています。最短撮影距離0.17mというワイドマクロ性能も持ち味です。
ただし焦点距離は20-40mmまでで、ズーム倍率は2倍にとどまります。シグマの60mmまでのカバー範囲と比べると、望遠側の使い勝手では見劣りする場面もあるでしょう。実勢価格は7万円台と手頃で、20-60mmの約半分のお金で手に入るのは大きなアドバンテージです。
とにかく軽さと価格、そしてF2.8通しの明るさを重視するならタムロン、望遠側の余裕とマクロ性能を含めた総合力を求めるならシグマ、という選び方になります。
LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6との比較
Lマウントになりますが、最も設計思想が同じレンズでしょう。焦点距離が20-60mmと同じでF値が3.5-5.6と変動します。シグマのレンズに比べると一段暗くなっており、暗い場所での撮影は少し不得意です。大きさや重量もほとんど一緒でハーフマクロに近い近接性能も持っています。
2020年発売と時間が経っており、キットレンズということもあってか低価格で、中古市場に多く出回っていて3万円以下で購入できます。
Lマウントであれば強力なレンズで、兎に角20‐60mmというレンズを安く購入したいのであればこのレンズ、多少の明るさと映りの良さを求めるのであればシグマという選択肢になるでしょう。
まとめ:20mmスタート・軽さ・価格のバランスが光る一本
シグマ20-60mm F2.8-4 DGは、20mmスタート・385gという軽さ・13.2万円という価格の3点を同時に満たしている点が最大の強みです。ソニー純正は操作系の充実度や画質の作り込みで優位に立ちますが、その分重量・価格ともに一段上のクラスになります。タムロン20-40mmは軽さと価格でシグマを上回りますが、望遠側の余裕では譲る形です。
F2.8通しの明るさよりも軽さとコストパフォーマンスを重視し、なおかつ20mmから60mmまでを1本で済ませたいユーザーにとって、シグマの新型はいずれとも被らない独自のポジションを取りに来たレンズだと言えるでしょう。
