2026年9月15日、ソニーから新しい超望遠単焦点レンズが正式発表されました。三脚座を除いた質量は約995gと、600mmクラスの交換レンズとしては驚異的な軽さを実現したG Masterレンズです。Eマウントレンズにはサードパーティーを含め超望遠レンズがいくつもあるので、その中での立ち位置を比較しながら見ていきます。
スペック比較表
| メーカー | Sony | SIGMA | Sony | Sony | Sony | SIGMA | TAMRON |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 型名 | SEL600F63GM | 500mm F5.6 DG DN OS | SEL600F40GM | SEL300F28GM | SEL200600G | 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Model A057 |
| 発売日 | 2026.10.9 | 2024.03.14 | 2019.06.18 | 2024.02.02 | 2019.0726 | 2021.08.27 | 2021.06.10 |
| 定価(円) | 約700,000 | 495,000 | 1969,000 | 966,900 | 301,400 | 176,000 | 159,500 |
| 最安価格(円) | 392,000 | 1708,000 | 769,000 | 240,000 | 149,000 | 128,000 | |
| 焦点距離 | 600 | 500 | 600 | 300 | 200-600 | 150-600 | 150-500 |
| 開放絞り | 6.3 | 5.6 | 4 | 2.8 | 5.6-6.3 | 5-6.3 | 5-6.7 |
| 絞り羽(枚) | 11 | 11 | 11 | 11 | 11 | 9 | 7 |
| 最短撮影距離(m) | 2.5 | 3.2 | 4.5 | 2.0 | 2.4 | 0.58 | 0.6 |
| 最大撮影倍率 | 0.25 | 0.16 | 0.14 | 0.16 | 0.2 | 0.34 | 0.27 |
| フィルター径(㎜) | 95 | 95 | 40.5 | 40.5 | 95 | 95 | 82 |
| AF/MF切換スイッチ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| フォーカスリミッタースイッチ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| フルタイムDMFスイッチ | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | × | × |
| OSスイッチ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| MODEスイッチ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| フォーカスボタン | 4 | 3 | 4 | 4 | 3 | 2 | × |
| ファンクションリング | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | × | × |
| 手振れ補正 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 防塵防滴 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 寸法(㎜) | 108*263 | 107.6*234.6 | 163.6*449 | 124*265 | 111.5*318 | 109.4*265.6 | 93*209.6 |
| 重量(g) | 995 | 1,365 | 3,040 | 1,470 | 2,115 | 2,100 | 1,880 |
米最安値は2026年9月時点です。
シグマ 500mm F5.6 DG DN OSとの比較
両者とも軽量超望遠単焦点という同じコンセプトを持つレンズで、恐らく最も競合となりえるレンズです。焦点距離が100mm短いですが、その分F値が5.6と明るいレンズになっています。さらに価格が20万円以上も違うのは大きな判断材料です。
一方600F63は焦点距離で100mm分のアドバンテージがあり、最短撮影距離2.5m・最大撮影倍率0.25倍という近接性能に重量も300g以上軽くなっています。また、純正レンズのみに許されたテレコンバーターや、連写制限がないことは超望遠レンズにとって大きな違いです。ただ、全長はシグマのレンズの方が短く、状況によってシグマの方が取り回しの良い時があるでしょう。
安く軽く500mmで十分ならシグマ、純正の優位性や600mmで軽量性を求めているならソニーという住み分けになりそうです。
SEL600F40GMとの比較
同じ純正600mmですが開放F値は1と1/3段違います。F4モデルはボケの量や暗所性能で優位に立ちますが、重量が約3,040gとSEL600F63GMのおよそ3倍、価格も約170万円ととても無視できない差があります。最短撮影距離もF4モデルの4.5mに対しSEL600F63GMは2.5mまで寄れ、最大撮影倍率も0.14倍→0.25倍に向上していて、近接性能でも差があります。
F4という明るさがどうしても欲しい場合以外はSEL600F63GMを選ぶことになるでしょう。
SEL300F28GMとの比較
焦点距離もF値も異なる組み合わせですが、2倍テレコンを使用すると焦点距離が同じになります。その場合300mmの方が明るさでは優位に立ちますが、テレコン仕様の代償として画質の劣化やAFが遅くなったりしてしまいます。また、重量も約500g重いうえにテレコンの約200gの重さが加わってしまいます。価格も20万円以上高価となっていて、十分考えさせられる値段です。
300mmでF2.8という明るさを多く活用するなら選択肢に入りますが、そうでなければ600F63の方が価格や重量面から選ばれると思います。
SEL200600Gとの比較
ズームか単焦点かという根本的な違いがありますが、600mmで同じ焦点距離を出せる純正レンズです。200600Gは200mmからのズームで撮影の自由度が高く、価格も約20万円台と手が届きやすいのが魅力。ただし質量は2,115gとSEL600F63GMの2倍以上、最大撮影倍率も0.2倍程度に留まります。
600F63GMは約1.1kg軽く、G Masterならではの解像性能で差別化されており、600mm固定で身軽に動きたい人向けのレンズです。
シグマ 150-600mm F5-6.3 DG DN OS
どちらも600mmまでをカバーしますが、シグマは150mmからのズームで焦点距離の自由度が高く、価格も15万円程度とSEL600F63GMの1/3以下。広角端150mmでの最短撮影距離58cmという寄れる性能も独自の強みです。一方でSEL600F63GMは2,100gに対し約995gと半分以下の軽さで、G Masterの解像力とソニー純正の強みであるテレコン対応と連写制限無しという点で優位に立ちます。
予算重視・ズームの柔軟性重視ならシグマ、軽さと画質の妥協なき単焦点ならSEL600F63GMです。
タムロン A057
価格差が最も大きい組み合わせです。A057は150-500mmを実勢13万円程度でカバーし、望遠端500mmでも1.8mまで寄れる近接性能を持つ、コストパフォーマンスに優れたズームレンズです。SEL600F63GMはA057より焦点距離が100mm長く、質量もA057(1,725g)より軽い約995g、G Master譲りの描写性能とテレコン対応を備えます。
気軽に超望遠を始めたいならA057、本格的に600mmで野鳥や飛行機を撮りたいが、大きく重いレンズは避けたいならSEL600F63GMという棲み分けです。
軽さに特化した超望遠レンズ
SEL600F63GMは、大口径F4モデルの重量・価格の高さと、ズームレンズの相対的な画質・機動力の物足りなさの中間的な存在です。約995gという質量は、200-600mmや150-600mmクラスのズームレンズの半分以下でありながら、単焦点ならではの高い解像性能とテレコンバーター対応を両立している点が最大の特徴と言えるでしょう。
野鳥や飛行機、モータースポーツなど、これまで大きく重い超望遠レンズを持ち出すのを躊躇していた人にとっては、有力な選択肢になりそうです。
