西黒尾根から谷川岳を周回する【百名山六十四座目】

登山
登山百名山

世界の山の死者数ワースト記録として、ギネス世界記録に登録されている谷川岳。そのことから魔の山や人喰い山とも呼ばれています。しかし、実際に起きている事故の多くは一ノ倉沢などからのクライミングルートで、一般道である天神尾根などでは、死者が出るような事故はほとんど起きていません。今回は、急登で有名な西黒尾根で登り、天神尾根と田尻尾根で下るロープウェイを使用しないルートで登ってきました。

・西黒尾根は急登で岩場の細尾根を登っていく
・天神尾根は登山道に岩や石があり楽ではない
・田尻尾根は粘土質の土がむき出しで滑りやすい

2022年10月に行ってきた写真と登山データを掲載しています。
最新の登山道情報は自治体等でご確認ください。

ルート基本情報

行程

日帰り 4時間53分 11.0㎞ 登り1,470m 下り1,473m 山頂まで150分

インフォメーションセンター【出発地】~西黒尾根~谷川岳~天神尾根~田尻尾根~インフォメーションセンター【到着地】

ルート地図及び情報

下記をクリックするとYAMAP地図活動時間などの詳細な情報が見られます。

西黒尾根から谷川岳を周回する【百名山六十四座目】 / bataoさんの谷川岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ルート詳細情報

谷川岳インフォメーションセンター

谷川岳には駐車場がいくつかありますが、無料駐車場である谷川岳インフォメーションセンターを利用します。インフォメーションセンターは16時(11月中旬~5月下旬は15時)に閉まってしまいますが、トイレは24時間利用可能です。

日の出前にスタートです。ここから西黒尾根登山口まではくねくねした車道を歩いていきます。

ロープウェイを過ぎると、道路が車両通行止めとなっています。さらにこの先へ進んでいきます。

すると左手に登山指導センターがあり、この中で登山届を提出します。

さらに進むと西黒尾根登山口です。ここから登山道が始まります。山頂までは3.7㎞と長くありませんが、急な坂や岩の鎖場などが待ち構えています。

西黒尾根

登山口からさっそく森の中の急登を登っていきます。鉄塔をくぐるくらいの時に東の空が赤くなってきました。

目的地までの時間が表示された看板があるので、ペース配分の参考になります。

森の中ではありますが、時たま周囲の景色が見えるようになり、ロープウェイの終着駅が遠くに見えてきました。

完全に太陽が姿を現したと同時に森林限界を超えて周囲が見渡せるようになります。

ここから西黒尾根の岩の細尾根が始まります。早速急な斜面の鎖場が登場します。足がかりとなる箇所はあるので、万が一に備え鎖を持ちながら登っていきます。

岩の細尾根を進むことがよく分かる場面です。木々が両側にあるので高度感はそれほどでもありません。

細尾根を乗り越えるとラクダの背に着きます。名前の通りここがぼこっと盛り上がっている形なので、いったん下ってから山頂へ登り返すことになります。

東尾根が太陽に照らされて影ができ、岩峰であることが分かります。

ガレ沢の頭では巌剛新道への分岐があります。登山道は荒れているため、推奨しない旨の警告看板がぶら下がっています。

山頂への最後の登りです。登りやすいように黄色のペイントが施されています。

双耳峰である山頂が見えました。このあとは天神尾根と合流し山頂への一本道となります。

谷川岳

天神尾根との合流地点にはモニュメントが建っています。まずはトマの耳を踏むことになります。

合流地点から山頂は近く、すぐにトマの耳に到着です。左にはオキの耳が見えていますが、いったん下ってから登り返しの道を行くことになります。

オキの耳に到着です。トマの耳よりもこちらの方が14m高くなっています。

オキの耳からトマの耳まで緩やかなカーブを描いており、遠くから見れば猫の耳に見えるのも納得です。

さらに奥には一ノ倉沢岳へ続く道がありますが、今回はここまでです。あとは西黒尾根とは違うルートで下山します。

天神尾根

山頂から肩ノ小屋を経由して天神尾根を下っていきます。小屋から群馬県と新潟県の境界線である稜線が彼方まで続いています。

実際に県境稜線を歩くロングトレイルが肩ノ小屋で紹介されています。四阿山まで続く道は、全長100㎞もあり、それなりの覚悟が必要な道です。

肩ノ小屋は食事付きで宿泊可能な山小屋です。1泊2食で9,000円、素泊り4,500円です。冬季は無人小屋となり、避難小屋へとなります。

ここから天神尾根の登山道が始まります。

登山道からはロープウェイの天神平駅がすでに見えており、距離はそう遠くありません。

天神ザンゲ岩です。西黒尾根にあるのはポツンとあるできもののような黒い岩のことでしょう。

西黒尾根と違い、登山道沿いには名所の標柱が所々あります。

急坂ではありませんが、足場にある岩や石で歩きやすい道とは言えない気がします。両側にある笹で、景色も西黒尾根に比べて見づらく感じます。

鎖やロープ、鉄階段が設置されている個所もありますが、危険な個所ということはありません。

西側にある万太郎山を見る分には良い道です。

熊穴沢避難小屋まで到着しました。二俣へと下る道の分岐点です。いわお新道は廃道に近いようで、ロープウェイへの道と間違えないように注意看板がぶら下がっています。

避難小屋というより休憩室に近い造りです。机も置いてあるので食事などをとる用途が多いのでしょうか。

道は緩やかになり、トラバースのような道になります。

木道が所々あり、人が多く通る場所なのか整備されていることが分かります。

木々があって展望はありませんが、辛うじて谷川岳は木の間から見えています。

ロープウェイに向かう途中で度合いに下りる道である田尻尾根への分岐点があります。ここから田尻尾根で下っていきます。

田尻尾根

下っていくので木々が生い茂り、展望がなくなっていきます。谷川岳の西黒尾根の姿を最後にひたすら下っていきます。

特筆するような道ではないですが、登山口にあった説明では粘土質なため滑りやすく、田んぼで転んだようなお尻になることから、田尻尾根という名前だとか。今回は落ち葉で隠れていましたが、確かに滑りやすい箇所は何か所かありました。

田尻尾根の登山口は分岐点で間違えないようにピンクテープが何個も付いています。

登山口までくれば、あとは西黒沢に沿って砂利道を下っていくだけとなります。上を見上げればロープウェイが運行しています。

沢を渡ることがありますが、綺麗な沢で思わず入りたくなります。

ロープウェイ前の道路に出ました。ここから田尻尾根へつながった道だと分かりづらい気がします。あとは駐車場所のインフォメーションセンターへと車道を下っていきます。

快晴でしたので駐車場は満車状態です。関東の山でもアクセスの良い所なので人気のほどもうかがえます。これで今回の山行は終わりです。

この登山を振り返って

ロープウェイで比較的に容易に登ることができますが、今回は使用しないルートだったため、山頂には快晴にもかかわらず人がいませんでした。その分、ちょうどロープウェイ近辺で登ってくる人が多数いたため、早めに登って正解です。

無料駐車場も使用したので費用は掛かっていませんが、ロープウェイを使用した場合、駐車場料金500円、ロープウェイ往復大人料金で2,100円とそれなりの料金が発生します。運行時間も8時(休日7時)からなので、早出したい場合には向きません。

西黒尾根は急坂で岩場に鎖とありつらい道ですが、危険な個所は正直ありません。最初の鎖場が最も登りづらかった印象で、あとの道は他の登山道と変わりないと思います。逆に天神尾根はもっと簡単だと思いましたが、足場が岩などということもあり、少し歩きにくい道でした。田尻尾根はよくある登山道といった感じです。このルートでも10㎞ちょいなので、登山としては長すぎず短すぎずの距離でちょうど良いと思いました。谷川岳から北へ西へ稜線が伸びているので、その道が魅力的に感じます。

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