日本で一番有名な山といえば富士山だと思いますが、二番目に有名な山はというと、恐らく筑波山でしょう。『西の富士、東の筑波』と言われるほどで、昔から山岳信仰の対象として親しまれています。ケーブルカーやロープウェイなどが整備されており、観光客も多く押し寄せています。今回は筑波山神社から男体山と女体山を周回するコースで登ってきました。
・一の鳥居が登山口&下山口
・一の鳥居から筑波山神社までは急坂の路地を歩く
・御幸ヶ原コースはケーブルカーに沿った道で、オーソドックスな登山道
・白雲橋コースは胎内くぐりなどの修験道を体験できる
ルート基本情報
行程
日帰り 3時間18分 8.0㎞ 登り859m 下り860m 山頂まで90分
一の鳥居【出発地】~筑波山神社~御幸ヶ原コース~男体山~女体山~白雲橋コース~筑波山神社~一の鳥居【到着地】
ルート地図及び情報
下記をクリックするとYAMAPで地図や活動時間などの詳細な情報が見られます。
一の鳥居から筑波山を登る【百名山七十二座目】 / bataoさんの筑波山(男体山)・筑波山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
ルート詳細情報
一の鳥居
筑波山周辺の駐車場は有料駐車場のみですが、800mほど下ったところに市営の無料駐車場があります。一の鳥居が目の前にあり、つくば道という参詣道が筑波山神社まで続いています。駐車スペースは少なく7台のみとなっています。
一の鳥居をくぐり舗装された道を登っていきます。
道はかなり勾配が強く、途中からは参詣道の名残だった石段が出てきます。
途中にあるカラフルな郵便局。今は使用されていませんが、地元の有志によって修復され春と秋に内部公開されているとのこと。
この道がつくば道であることを示す石柱が設置されています。
筑波山神社
つくば道を登りきると神社前の道路に出ます。朝の早い時間帯のためか、人や車が全くいません。
まずは御神橋が設置されています。普段は通ることができませんが、春秋や12月の年に数回、参拝者の渡橋ができます。
ケーブルカーのりばが筑波山神社を通っていくのは、なんだか不思議な感じがします。通俗的なものが神社内にあるからでしょうか。
この大きな門は随神門。ここから境内に入ります。
門をくぐると拝殿です。ケーブルカーへの道は左手にあります。
途中にお手洗いがあり、ここを過ぎると山頂までありません。
石段を登っていくとケーブルカー乗り場に到着します。
ケーブルカーは大人で片道590円、往復1,070円です。始発と終発は時期や休日によってバラバラです。11月は山頂がライトアップされ、夜運行されます。
ケーブルカーのはずれあたりから登山道があります。ここから登山開始です。
御幸ヶ原コース
入り口には登山に関する注意看板が立っており、禁止事項や夜間の登山は足もとが見えなくなるため控えてほしいのとのこと。
標識が一定間隔ごとにあり、現在の場所を記号と数字で分かるようになっています。また、山頂までの距離が小さく書かれています。
休憩スペースもあり、ベンチが用意されています。
ケーブルカーに沿った道だけあって、路線を間近で見られます。
多くの人が訪れる山ですが、傾斜は緩やかではありません。また、ゴロゴロした岩を歩く箇所があります。
男女川という場所ですが、水はあまり流れていません。
道は人が良く通ているはずですが、よく整備されています。
淡々と登っていると、いつの間にか山頂駅のある御幸ヶ原に到着しました。
まずは男体山の山頂に登っていきます。
男体山
御幸ヶ原から男体山の山頂は少し登ったところにあります。
山頂付近にある電球はライトアップ用でしょうか。
男体山山頂につきました。景色はよく、関東平野を一望できます。ただ、遠くの山などはかすれてよく見えない天気です。
男体山御本殿が鎮座しています。
男体山山頂部をぐるっと回る自然研究路がこの建物沿いにありますが、今回はスルーしていきます。
御幸ヶ原に戻り、今度は反対側のついになっている女体山を登っていきます。
女体山
山頂までは少し距離があり、道中にはカタクリの群生地であるかたくりの里があります。
錨が埋まっているせきれい茶屋です。この錨は筑波山をレーダー代わりにしていた漁師たちが、奉納品として明治時代に運んできたものです。
茶屋の名称にある通りせきれい石がそばにあります。イザナミとイザナギに鶺鴒が夫婦の道を教えた場所です。
奥が女体山の山頂です。
こちらには筑波山神社本殿があります。
ここには天浮橋があります。
日本百名山の山頂標識はこちらに建てられています。
こちらも関東平野を一望できますが、岩の上に行く必要があり、手すりがある男体山よりも危ない場所です。
山頂からロープウェイを見下ろすことができます。
山頂の脇から筑波山神社へ下る道があるので通っていきます。
白雲橋コース
白雲橋コースは修験道のような奇岩、巨岩が多くあります。
屏風のような岩、屏風岩。隣には安座常神社があります。
大きな岩が聳え立っている北斗岩。北斗星のように動かないことを意味しており、小原木神社が脇にあります。
大きな袋を背負った大黒様のような裏面大黒や、出ていく船と入ってくる船が並んでいるような出船入船があります。
さらに、昔神々が統治する地方を割り振った石といわれる国割り石、修験道によくある胎内くぐりなど、奇岩が道に多くあります。
そして稲村神社がある高天原と、山岳信仰の篤さを感じさせます。
最後に神の世界と現世を分かつ石門の上部が落ちそうなため、弁慶が七戻りした弁慶七戻りを過ぎると、奇岩巨岩はひと段落です。
ロープウェイ駅のつつじヶ丘へ行く分岐点の弁慶茶屋跡は、神社方面へ下っていきます。
森林を下っていきますが、傾斜は緩くありません。
途中に白い蛇が棲んでいると言われている白蛇弁天。言い伝えの蛇はよく石に埋められているイメージがあります。
登山道を下っていくと酒迎場分岐につきます。迎場コースはロープウェイ駅のつつじヶ丘まで続いています。
分岐を過ぎてからは遊歩道のような道となり、勾配も緩やかです。
そして女体山登山口につきました。鳥居が立っていますが、道は薄暗く細い印象を与えます。
あとは舗装路を辿って筑波山神社まで歩いていきます。
神社からは分かりづらいですが、女体山登山口へは御神橋の脇を通っていきます。すでにロープウェイは稼働しており、多くの人がいました。また、保育園児もいたので親しまれた場所であると改めて感じました。これで今回の山行は終わりです。
この登山を振り返って
有名な山だけあって道はかなり整備されていました。交通アクセスも良く、ロープウェイ稼働前ですが、多くの人とすれ違っており、人気の高さがうかがえます。神社から男体山と女体山を周回するコースでしたが、距離も長くなく、関東平野の景色や奇岩巨岩を見ることができるため、初心者にお勧めのコースです。ただ、標高1,000mに満たない低山なので、登山時期は蒸し暑い夏以外にした方が気持ちよく登ることができるでしょう。
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