【データで見る】登山者が多い地域や年代のランキング

雑学
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登山に関するデータは遭難に関わるものが多く出ています。それは登山者に向けて啓発の意味もあるためでしょう。それ以外の、シンプルなデータで言うと登山者数が統計されていないか調べたところ、総務省社会生活基本調査の中でその答えがありました。

そのほかスポーツ全体の中での登山人気や、都道府県別の登山者割合など、多くはないですが興味をそそるデータがあったので見ていきたいと思います。

・都道府県別登山者のランキング
・年代別登山者のランキング
・スポーツの中で見る登山人気

登山者の割合が多い都道府県は?

登山者の割合が最も多い都道府県は、意外?にも東京都でした。


平成28年社会生活基本調査ミニトピックスより

上位を見てみますと、神奈川県や埼玉県、また大阪府や兵庫県など都市圏に集中しています。逆に少ない地域は北海道や九州、四国など本州の中心から離れた地域となっています。

山に囲まれ、有名な山岳地帯が多い長野県や山梨県などがトップかと思いましたが、予想とは違う結果で驚きました。

原因として考えられるのは、自然とはかけ離れた生活を送っているので、その反動で自然に触れ合う活動として登山を選んでいる人が多いだとか、自然にあふれたところだと、山は見飽きてしまっているため、登山をすることにつながらないということでしょうか。

ただ、中部地方や北関東も首都圏の次に多い地域です。中部地方では日本アルプスや富士山など高山で有名な山が、北関東には筑波山や谷川岳など登りやすい山やアクセスの良い有名な山があります。

北海道や九州でも、トムラウシや大雪山、九重山や宮之浦岳など百名山に名を連ねる有名な山がありますが、登山者の割合はランキング下位のほうになります。

それぞれの都道府県で有名な山はありますが、そういった他の地域の有名な山にアクセスしやすいかどうかということも、登山者の割合に関わってくると考えられます。

地域・年齢別でみますと、関東と近畿でほとんどの世代が10%を超えており、他地域より多いことが分かります。


平成28年社会生活基本調査ミニトピックスより

登山者の割合が多い年齢は?

登山者が多い年齢は、仕事を退職した60代以上が多い印象です。下記の表が年齢別の登山者の割合と、年間登山する日数を示しています。


平成28年社会生活基本調査ミニトピックスより

登山者の割合は極端に若年層と高齢層を除き、どの年代も10%よりちょっと上くらいです。登山する日数は年齢を重ねるごとに増えていきます。

人口に占める割合ではどの年代も同じくらいですが、日本は少子高齢社会のため、登山者人口でみると高齢層が多いということになります。また、登山日数も高齢層が若年層の2倍以上ありますので、必然的に登山で多く見られる年代は高齢層となる訳です。

登山は徐々に人気になっている?

平成23年と平成28年の年齢別登山者の割合をみますと、どの年齢も割合が大きくなっていることが分かります。登山、ひいてはアウトドアブームがこの時から人気が出始めたのでしょうか。


平成28年社会生活基本調査ミニトピックスより

スポーツの中で見る登山人気

スポーツというくくりでは、登山の人気はどれほどなのでしょうか。それぞれのスポーツの人口割合をみてみますと、上位の方に位置しています。


平成28年社会生活基本調査トピックスより

他に人気のあるスポーツとして、ウオーキングやジムなどのトレーニング、ジョギングなど個人で活動できるスポーツが上位となっています。

平成23年と平成28年の割合を比べますと、ほとんどのスポーツが上昇しており、スポーツをする人が増加傾向にあると思われます。

アウトドア全体の人気が高まっていることや、個人で楽しむことも重要視されてきていることもあり、今後も登山の人気は維持していくものと考えます。

年齢別に見る登山の人気度

年齢別のスポーツ人気についてみてみますと、20代前半までは登山が上位に入っていないことに対し、20代半ばから登山を行う割合が増加しています。


平成28年社会生活基本調査トピックスより

10代は部活動やクラブ活動の影響が色濃く出ていますが、年齢が上がるにつれて個人でもできるような活動が多くなっています。

登山者の割合が低い地域はどのような活動をしているのか

登山者の割合が低い北海道や九州などで人気なスポーツ活動は、釣りです。釣りが活発な地域はちょうど登山が活発な地域と正反対のようになっています。


平成28年社会生活基本調査トピックスより

海のない地域は釣りをする機会に恵まれず、登山やスキーなどを行う傾向にあります。

中国・四国・九州地方で釣りが活発なのは、海岸線の距離が長い都道府県が多いためでしょう。海岸線が長いとその分入り組んだ構造となるため、魚たちにとって絶好の生息地となるためです。また、長崎県など島が多いとその分釣りをする環境が整っています。

まとめ

登山者の割合が多い都道府県が都市圏なのは、意外と思われる方が多いのではないでしょうか。長野県や山梨県あたりが上位だと思っていましたが、東京が1位なのは純粋に驚きました。

また、登山者の年齢層は予想通り高齢層の人口が多いことが分かりましたが、割合で見ますとどの年代でもあまり変わらないことが新たな発見です。

登山というと、地味なイメージを持っており、スポーツの中では下の方だと考えていましたが、全体で見ると上位に位置していることも、予想が外れていました。

このデータを登山に活かせといわれたら、マーケティングの面からは役に立つと思いますが、登山者には役に立っているのかどうか分からない、話の小ネタを提供したお話でした。

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