ソロで登山をするときに安全のため気を付けていること

雑学
雑学

山を登ることはよく危険だといわれます。それは山岳事故がテレビやネットのニュースでよく報道されるため、人々に認知され、世間一般の常識としてなっているのでしょう。

かく言う私も登山をするということは、ほかの趣味やスポーツに比べて危険だと感じています。何かあった時電波が届かない、雪崩などの自然はいつ襲ってくるのか分からない、すぐに助けが来ないなど色々な要因があります。

最近増加している1人で登山することが危険だと警鐘されています。周りに助けてくれる人がいない、自分一人の判断や考えしか頼れないなど、もっともだと思います。

私自身ソロで登山をしていますが、かなりの心配性で安全のために様々なことを判断材料としています。今回は私の安全に登山するための考え方をお話ししたいと思います。

1.天気が悪い時、無理に登山に行かない
2.山頂に登ることを絶対的な目標としない
3.日帰りでも緊急事態を想定した道具を持っていく

1.天気が悪い時、無理に登山に行かない

山に行くということはずっと外にいること。なので、雨や風が強いなど天気に懸念がある場合は登山を中止しています。

グループ登山やツアーだと多少天気が悪くても、お互いのスケジュールの都合上どうしても別の日にできないだとか、ツアーはキャンセルすると勿体ないという気持ちが生まれてくると思います。

ですが、ソロなら自分の都合に合わせて、極端な話天気の良い山域に変更することも可能です。人数が多ければ多いほど意思決定に時間がかかり、結局変更できないといったことがありますが、ソロは自分だけ。なので変更も簡単にできます。

また、ニュースなどの天気予報と山の天気は必ずしも一致しません。平地では晴れていても、山には雲がかかっているということがあります。天気図を読み解けるようになれば、いうことないのですが、私はできません。

なので、山の天気予報をみて決定しています。よく見ているのは「Mountain Weather forecast」です。ほかには「てんきとくらす」や、有料ですがその分精度が高いといわれている「ヤマテン」がありますが、テレビの天気予報と同じく100%当たる訳ではありません。

山の天気は雨や雪だけでなく、風の強さも確認しています。風速1mで体感温度が1度下がるといわれていますし、雪山ではホワイトアウトの危険性もあり、重要な要素です。上記に挙げたサイトは風速もあわせてみることができます。

2.山頂に登ることを絶対的な目標としない

山に登るということは、「山頂に行くこと」と思っていました。今でも一つの目的であることに違いはないのですが、その時の体調や状況、気持ちで撤退したり、山頂を通らないルートに変更したりしています。

複数人の登山だと、他人に迷惑をかけられないだとか、1人下山させるのは可哀想などの情が出てしまい、結果的に取り返しのつかない事態になるかもしれません。

ソロなら途中で下山しても誰にも迷惑が掛からないし、気分が乗らないからもう帰ろうとか思っても、ほかの人に気遣うこともないのです。

無理に山頂へ行ったとしても、そこから下山しなければなりません。疲労からくる転倒や滑落、また日没による視界不良からの遭難などが考えられます。

山の頂上から見る景色と達成感は格別ですが、そこに至るまでの道のりも美しく面白いものです。何気ない風景や植物などに目を向けることも目的とすればよいのです。登山は無事帰るまでが登山ですから。

3.日帰りでも緊急事態を想定した道具を持っていく

低山の日帰りだし、荷物は極力軽くしたいから、防寒着やファーストエイドキット、ツェルトなどは持って行かないことにする。そうすることで素早い行動ができるようになり、日没になる前に下山できたり、天気が変わる前に移動できたりする。

そういった考え方も理解できますが、心配性な私は何かあった時の道具を持っていくようにしています。その分荷物は重くなり、ペースも落ちてしまいますが、トレーニングの一環と思い行っています。

また、普段から入れる癖をつけておくと、忘れる心配がなくなります。登山での忘れ物は取り返しのつかないことが多いです。

データから見る登山事故の原因

登山での事故を防ぐために、どのような事故が多いのかデータで見てみます。

警察庁が公表している山岳遭難に関するデータがありますので参考に見てみましょう。


令和2年における山岳遭難の概況より(警察庁生活安全局生活安全企画課)

こうしてみると、道迷いが4割を占めています。原因として、登山道が分かりにくい場所に行ってしまう、暗闇の中ルートを見失う、疲労により判断が鈍る、登山計画が甘く焦ってしまうなどがあると思います。

その次は滑落と転倒で合わせて3割ほど。原因としては疲労や登山技術の低さ、運動能力の低さ、自分のレベルに見合わない山に行くなどかと思います。こちらはクライミングや沢登り、雪山など技術を求められる山に行く人が多いと考えられます。

ソロでの遭難状況

ソロでの遭難状況もデータとして残っています。


令和2年における山岳遭難の概況より(警察庁生活安全局生活安全企画課)

遭難者に占めるソロの割合は年々増加傾向であり、平成28年は33%だったのが、令和2年では40%と大きく上がっています。これは昔に比べてソロで登山する人が増えていることも要因として考えられるでしょう。

そのくらい登山に関する情報や道具が発展し、登山が容易にできるとも考えられています。また、ソロとグループでの遭難状況の違いをみてみます。


令和2年における山岳遭難の概況より(警察庁生活安全局生活安全企画課)

死者・行方不明者の割合を比較すると、2~3倍ソロのほうが高いことが分かります。グループと違い、助けを求めることができる状況が少ない、遭難したときの対処が複数人であれば道具や食料など共有できるといったところが挙げられます。

ソロは危険だということを意識する

データからも分かるとおり、ソロでの登山は危険だと言われるのは至極真っ当な意見だと思います。その上で、登山をすることはそれなりの覚悟を持って臨まなければなりません。

危険だと言う認識を持てば、自分の行動に対してリスク管理が出来るようになります。様々な行動に対してどういうリスクが潜んでいるのか。ソロの場合は特に自分一人で考えて対応するしかないので、より慎重な行動が求められます。

ただ、考えて行動するということはとても大事なことです。変化する状況に対応できる能力が身につきますので、思考することを放棄せず、安全な登山に臨んでください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました