道東にあり、羅臼岳と阿寒岳の間に位置する斜里岳。アイヌ語で「オンネヌプリ」、意味は「大きい山」または「老いた山」です。その名の通り、山裾がゆったりと長く広がっています。
この山を登山する上での名物?が清岳荘から登るルートで、旧道は沢を登っていきます。今回は前日に雨が降っていたため、念のため旧道にはいかず、新道を使って登りました。
・清岳荘がスタート&ゴール
・新道を登りと下りで利用した
・旧道は沢登りコースだが、増水の心配があり利用せず
ルート基本情報
行程
日帰り 5時間35分 11.4㎞ 登り1,236m 下り1,233m 山頂まで165分
清岳荘【出発地】~新道~斜里岳~新道~清岳荘【到着地】
ルート地図及び情報
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沢を渡り斜里岳を登る【百名山二十五座目】 / bataoさんの斜里岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
ルート詳細情報
清岳荘
登山口である清岳荘は常駐する管理人がいる山小屋です。1泊素泊まりで、大人2,120円です。清岳荘までの道のりは途中から未舗装路になり、離合できない場所があるので、運転する場合は注意が必要です。駐車場は45台ほど停めることができます。
清岳荘の前に登山口と入山届けがあり、駐車場協力金1台100円をオレンジのボックスに納入します。車中泊する場合は1人520円となります。トイレは清岳荘にあり、こちらも協力金100円となっています。
清岳荘の方が登山情報を記載してくれています。この情報から、旧道はやめにしました。
初めはダケカンバの森を歩きます。散策コースがありますので、間違えないように確認します。
森を抜けると林道の砂利道を歩いていくことになります。
沢の音が近づいてくると、本格的な登山道となります。
新道
ここから新道・旧道の分岐点までは沢沿いを登っていきます。
水量はそれなりにあり、右岸と左岸を行ったり来たります。
うまく飛び石で行けば、そこまで濡れることはありません。ただ、いっそのことドボンした方が楽に進むことは間違いないです。
雪が残っている場所もありますが、危険なシチュエーションはありません。ピンクテープがありますので、見失わないように進んできます。
途中にある仙人洞。さすがに奥まで入れそうにありません。
普通の登山道も歩んでいきます。
少し広い場所は旧清岳荘跡になります。沢の横なので、増水したら流されそうな場所です。
渡渉を何回か繰り返していくと、新道と旧道の分岐である二股に到着です。今回は新道の往復ですので、沢から離れて右側の道を登っていきます。
沢登りしない分距離が長いため、傾斜が緩やかと思いましたが、そんなことはなくむしろ急な斜面です。ただ、整備が行き届いているため、転倒しづらくはなっています。
急斜面を登りきると、視界が広がり、清里町が眼下に移ります。
緩やかな道を登っていくと、熊見峠に到着します。標識があるところはハイマツに覆われて、展望はありません。
ここからはハイマツの尾根道を進んでいきます。旧道と合流するまではアップダウンがあります。天候は残念ながら、山頂を雲が覆い隠しています。
途中何度か雪渓を渡ります。雪渓を登っていくことはありません。
寄り道として、竜神の池があるので寄っていきます。
竜神の池までの雪渓はいやらしい斜度でしたが、アイゼンなしでもキックステップを使えば問題ありません。中が透き通った綺麗な池です。
面白いことに池から小さな滝が流れています。
ひとしきり見た後、山頂を目指して登ります。風が強いため、雲がどんどん動いています。
途中の携帯トイレブース。このルートにトイレはありません。
旧道との合流地点である上二股です。ここから一本道となり、少し沢を登って行きます。
斜里岳
沢から登山道に切り替わると、胸突き八丁になります。石がゴロゴロしていますが、まだ斜度はきつくありません。
ただ、尾根に出るための最後の雪渓は急斜面でした。緩んだ雪のため、アイゼンは必要ありませんが、凍結していれば滑落は必至です。
雪が終わった後のザレ場も足もとが安定せず、慎重に進む必要があります。
登りきると尾根に出ます。
雲の中、ハイマツ帯のザレ道を進みます。先ほどの斜面よりは緩やかになっています。
途中には小さな斜里岳神社が佇んでいます。
最後に右側が崖になっている道を進みます。
真っ白な中山頂に到着です。
少し離れた場所に三角点があります。旧道を登ってきた人のお話だと、危険なほど増水していなかったとのこと。下りはさすがに旧道を行くことは危険なため、登ってきた道である新道から下山します。
休日だったので、そこそこ人とすれ違いました。車で下山した後斜里岳を見てみると、山頂まで見える景色でした。
この登山を振り返って
結果的に旧道でも登れるほどの水量だったということが悔やまれますが、安全第一を考え登りました。百名山で沢を渡渉する山は幌尻岳だけだと思っていましたが、同じ道内であるとは知りませんでした。
二股までの道でもかなり沢を渡渉するため、防水靴などの装備は必要です。あえて、水に浸る前提の方が、あまり考えずに進めるため楽ではあります。新道は長く急坂もあるので、可能なら登りは旧道を選んだ方がよいと思います。特に夏の暑い時期は沢登りで涼むことができるのでおすすめです。
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