御沢から飯豊山を登る【百名山五十九座目】

登山
登山百名山

東北アルプスと呼ばれるほど大きな山塊である飯豊山地。その主峰である飯豊山は古くから信仰の対象として崇められていました。登山ルートは四方にありますが、飯豊山は奥深い所に位置しているため、どのルートも距離が長いのが特徴です。今回は福島県にある御沢登山口からのルートを使用し、1泊2日のテント泊で登ってきました。

・御沢(川入)が登山口&下山口
・宿泊地は本山小屋
・地蔵尾根から三国小屋までは岩場の細尾根
・三国小屋以降の稜線でも岩場に梯子や鎖場がある
・本山小屋のテント場は開けた場所で視界良好な分、風の影響が強い

2022年10月に行ってきた写真と登山データを掲載しています。
最新の登山道情報は自治体等でご確認ください。

ルート基本情報

行程

1日目 14.4㎞ 9時間16分 上り2,036m 下り502m

御沢登山口【出発地】~三国小屋~切合小屋~本山小屋~飯豊山~本山小屋【宿泊地】

2日目 11.1㎞ 4時間11分 上り361m 下り1,894m

本山小屋【出発地】~切合小屋~三国小屋~御沢登山口【到着地】

ルート地図及び情報

下記をクリックするとYAMAP地図活動時間などの詳細な情報が見られます。

御沢から飯豊山を登る【百名山五十九座目】 / bataoさんの三国岳(福島県)飯豊山種蒔山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ルート詳細情報

1日目

御沢登山口

御沢登山口には野営場があり、炊事場やトイレがあります。また、管理棟で登山届を提出できます。

御沢登山口へのアクセスですが、通常なら山形県側からもアクセスできるのですが、現在は林道の土砂が崩落しているため、福島県側からしかアクセスできない状態となっています。

登山口までは森の中の砂利道を500mほど進んでいきます。

橋を渡った先に分岐点があります。右側が登山道で左側が大滝への道となっています。

御沢登山口は表参道で、飯豊参りが行われていた歴史あるコースです。ここからは森の中をひたすら登っていきます。

道中には点々と標柱が建っています。表参道として使われてきた名残でしょうか。

笹平、横峰辺りまでくると、傾斜が緩やかになってきます。

さらに進んでいくと脇に水場があります。ここ以外にも切合小屋や本山小屋の近くに水場があるので、ここで無理して水を補給することはありません。

地蔵山下分岐まで来ました。地蔵山へは寄らず、三国小屋方面へ進みます。

三国小屋

紅葉が間近で見られる道になります。1日目はガスなので残念ながら展望はありませんでした。

三国小屋まではこのように岩場の細尾根となります。

場所によっては鎖やロープが設置されているほど険しい場所です。

この辺りの岩場は剣ヶ峰と呼ばれているようです。

水場へ下る道がありますが、ロープが設置されているほど急な斜面なので、よっぽどでない限りはここで水を補給しなくても良いでしょう。

岩場を乗り越えれば三国小屋に到着です。寝具や食事はなく、素泊りのみの避難小屋です。

2日目に剣ヶ峰を見てみると、いかに細尾根の岩場か分かります。

三国小屋からは、アップダウンのある稜線歩きとなります。

切合小屋

この稜線でも岩場があり、はしごや鎖などがあります。

2日目の三国だけの写真です。この辺りが最も綺麗に紅葉となっていました。

七森を過ぎたころには稜線は緩い道となっています。

種蒔までくると、切合小屋が見えます。

途中に大日杉からの登山道と合流し、切合小屋への道となります。

切合小屋に到着です。1泊2食で8,000円、素泊り3,000円とリーズナブルな値段設定です。

テント場は小屋の裏側にあり、1人1,000円です。雲で見えませんが、飯豊連峰が見える展望があります。

水場は小屋前にありますが、小屋締めした後だったため利用できない状態でした。そのため、大日杉登山道へ少し進んだ場所にある水場で補給しました。

ここからもアップダウンのある稜線が続きます。

本山小屋

まずは紅葉で染まった道を登っていきます。

切合小屋の周辺も紅葉に染まりつつあります。

登りきったところは草履塚。ここから飯豊山や大日岳を眺めることができます。本山小屋へは一度下って登り返す必要があります。

草履塚を下った鞍部には姥権現があり、赤頭巾と前掛けをしたお地蔵さまが祀られています。

姥権現から進んだ先には御秘所と呼ばれる小さな岩稜帯があります。

御秘所には鎖場が設置されていますが、切れ落ちた岩場なので少し高度感があります。

御秘所を攻略すればあとは御前坂という坂を登り切れば本山小屋に到着です。

まずは広い砂地の場所に出ます。ここがテント場となります。1人1,000円となっています。右側には水場、少し登ると本山小屋です。

本山小屋に到着しました。営業中は飲み物などが販売されていますが、小屋締めされているため管理人がおらず販売はしてりません。

中は2階建てとなっており、寝具や食事の提供はありません。宿泊費は2,500円で、管理人不在時は備え付けの封筒に金額と必要事項を記入して指定の場所に投かんします。

小屋のそばには飯豊山神社。参拝の際は荷物を置き、脱帽とのこと。

ちょっとした展望台もあり、飯豊山地を眺めることができます。

水場はテント場から少し下ったところにあります。チロチロとしか水は出ていませんでした。

飯豊山

ガスも抜けてきたので、飯豊山の山頂へ向かいます。本山小屋からは緩やかな道を15分ほど歩けば到着します。

北側には大きな山塊があります。おそらく朝日連峰でしょう。

なんとなく歩いていると、すぐに飯豊山の山頂へ到着します。信仰の山らしく、祠が設置されています。

西仁川には御西岳から大日岳へと続く道。標高では大日岳の方が高い山です。

北側へ下る尾根や、北股岳など飯豊山の大きい山容に驚かされます。

あとはテント場に戻り2日目を迎えるだけです。

雲で一日晴れない日でしたが、夕焼けを眺めることができました。

2日目

下山

早朝は残念ながら朝日を拝めるほどの天気ではありませんでしたが、雲は高層にあるためガスの中を歩くことはありません。

三国岳への稜線の先には、磐梯山の形がはっきりと認識できます。

1日目はガスでわかりませんでしたが、三国岳から本山小屋までの稜線が分かるようになっています。

磐梯山方向にある谷へ尾根を伝って下っていきます。

御沢登山口の看板裏が喜多方市の観光案内図になっていることに気付きました。

野営場の駐車場に到着しました。平日ということもあり、登山口の駐車場はまばらです。これでこの山行は終わりです。

この登山を振り返って

1泊2日のテント泊でピストンルートとなりましたが、健脚であれば日帰りも可能です。ルートには避難小屋やテント場が充実しているので、状況に応じて泊まる場所を変えたり、緊急時には小屋泊を選択できるため、安心して登山することができます。ただ、長距離で岩場もありそれなりの険しさはあります。

大きな山容なので、登山ルートは複数あり、飯豊連峰を横断するルートもあるので、飽きない山だと感じました。マイカーでも気軽に縦走できるようになれば、チャレンジしてみたいと思わせるような稜線でした。

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