くじゅう連山を縦走してテント泊する【百名山二座目】

登山
登山百名山

九州の屋根とも呼ばれ、九州地方の標高が高い山々が連なっているくじゅう連山。その主峰である久住山が百名山となっています。この山域は多くの山と登山道があり、避難小屋キャンプ場もあります。そのため、今回はピークハントするだけでなく、くじゅう連山を縦走しつつ、キャンプ場でテント泊して存分にこの山域を楽しみたいと思い登ってきました。

・スタート地点は赤川登山口
・テント泊地は法華院温泉
・4月上旬だけど雪は残っていない

2022年4月に行ってきた写真と登山データを掲載しています。
最新の登山道情報は自治体等でご確認ください。

ルート基本情報

行程

1日目 11.5㎞ 8時間9分 上り1,373m 下り1,144m

赤川登山口【出発地】~久住山~星生山~三俣山~法華院温泉山荘【宿泊地】

2日目 14.1㎞ 9時間26分 上り1,500m 下り1,719m

法華院温泉山荘【出発地】~大船山~立中山~白口岳~稲星山~中岳~赤川登山口【到着地】

ルート地図及び情報

下記をクリックするとYAMAP地図活動時間などの詳細な情報が見られます。

陽春のくじゅう連山を縦走してテント泊【百名山二座目】 / bataoさんの立中山中岳(九重連山)久住山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ルート詳細情報

1日目

赤川登山口

くじゅう連山の数ある登山口の中で久住山に最も近い登山口ですが、多くの登山者は長者原牧ノ戸峠の登山口を利用するため、赤川登山口を利用する登山者は比較的少ない印象です。駐車場は上段と下段に分かれており、それぞれ20台ほど駐車できます。

駐車場には公衆トイレがあり、登山靴等を洗える場所も提供されています。また、登山届BOXもありこちらで提出することができます。この時点で標高は約1,040mとなっています。

駐車場から登ってすぐに登山口になります。きれいな舗装路の先は赤川温泉となっています。最初は歩きやすい道となっています。

登っていくとすぐに久住山へ直登するルートと扇ヶ鼻へ行くルートの分岐に到着します。今回は久住山へのルートに進みます。

久住山へのルートを登っていくと川へたどり着きますが、この辺りは硫黄臭が強いので注意が必要です。

歩きやすい道が続きますが、舗装された道路に出て、そのまま舗装路を歩いて、また登山道にいくことが何回かありますので、標識を逃さないよう注意が必要です。この辺りから徐々に傾斜が強くなっていきます。

久住山

木を使った道を歩いていくと、視界が広がる場所がいくつか出てきて、阿蘇山などを眺めることができるようになります。

熊本地震の影響で以前の登山道が崩壊していましたが、今は木道が設置されています。ただ、木道があってもかなりの急坂であることには変わりありません。

この辺りまでくると久住山の山頂も見えてきます

山頂付近になってくると、が増えてきて歩きにくくなってきます。

岩場などを過ぎていくと、久住山の山頂に到達します。

山頂からは阿蘇山祖母山くじゅう連山の盟主を眺望できます。山頂からの眺めを堪能したら、星生山を目指します。

星生山

まずは久住別れに行くため、山頂から少し東へ進み下っていきます。迷わないように黄色のペイントが施されています。大小の石があり、ザレ気味ですので少し不安定な足場になっています。

下り終えると中岳に向かう分岐がありますが、久住別れ方面へ進むとすぐに到着します。

諏蛾守越へ向かう分岐がありますが、牧ノ戸峠方面へ進むと避難小屋に到着します。この時はトイレが冬季期間中であったため利用できませんでした。

避難小屋から牧ノ戸峠方面へゴロゴロした石の斜面を登っていきます。大きな岩へ向かう道は正規ルートではないようなのですが、踏み跡があり危険個所もないためそのまま進みます。

大きな石のところまで登りきると、稜線の登山道と合流し、そのまま星生山へ向かいます。

ルートの途中に大きな岩が多数ある場所は、踏み跡がいくつもあり、迷ってしまう場面がありました

そのあとは稜線を進んでいくと星生山の山頂に到着します。この山頂からも360度見渡すことができ、下界や他の山域を眺望できます。

次は三俣山になるため、久住別れまで戻りそこからさらに下っていく必要があります。まずは山頂から下っていきますが、踏み跡によるルートがいくつもあり、下山ルートを間違えそうになりました

牧ノ戸峠か久住山に行くかの分かれ道に到着し、久住山方面へ向かい久住別れを目指します。

三俣山

久住別れの先ほど通り過ぎた分岐点から、諏蛾守越方面へ下っていきます。

岩がごろごろしていますが、黄色のペイントで道が分かりやすくなっています。

下りはそこまで長くないので、勾配が緩やかになってきます。そうすると北千里ヶ浜に到着です。山奥にしてはかなり広い平地となっており、他ではなかなかない光景です。左手には硫黄山が見え、奥の山は三俣山です。

登山道の少し外れに倶会一処と彫られた石碑があります。これは昭和37年の元旦に発生した遭難事故の慰霊碑で、吹雪の中この北千里ヶ浜を彷徨ったそうです。

左手に大きい岩の山がみえてくると、諏蛾守越と法華院温泉山荘の分岐に到着します。三俣山は諏蛾守越から登っていきます

諏蛾守越には石造りの休憩所があります。ここから三俣山へ登っていきますが、通り過ぎると長者原登山口へ行ってしまいます。

まずは西峰に到着です。背後にある白色の山肌は硫黄山で立ち入り禁止となっています。

西峰から本峰へは少し下ってからの登りとなります。

本峰と南峰の分岐を過ぎ、ようやく本峰へ到着。流石にヘロヘロの状態でした。

本当は北峰にも行きたかったのですが、思ったより距離があり、いったん下って登っていること、道が笹や枝などでよろしくないことから写真だけ納めました。

南峰もⅣ峰まで行き、体力が尽きそうだったため諦めて法華院温泉山荘へ向かうことにしました。

先ほどの分岐から法華院温泉山荘へ足を運びます。

法華院温泉山荘【宿泊地】

しばらくするとゴロゴロした岩場を下っていくことになります。黄色のペイントがしてあるため迷うことはないです。今回は水が流れていませんでしたが、増水して川のようになる場合はルートを見失う可能性があるため、ペイントを見逃さないようにする必要があります。

岩場を過ぎればわかりやすい登山道となり、法華院温泉山荘が見えてきます。

砂防ダムを横切ると舗装された道になり、法華院温泉山荘がすぐそこになります。

法華院温泉山荘の裏側に到着します。

売店に受付があるので、こちらでテント泊の受付を済ませます。
テント泊は1日1人800円でした。かなり安い料金設定です。

売店では飲食料からガス缶、ステッカーなどのお土産品などあらゆるものが揃っています。また、お昼にはランチを行っています。

テント泊でも談話室を利用しても良いとのこと。ここで料理をする人もいます。

外トイレは分かりづらい場所にあり、細い通路を渡った奥にあります。

外からの温泉入口も一見分からないようになっています。

中にはアルコール類の自販機があり、更衣室は木造のきれいなつくりとなっています。温泉は露天風呂内湯で、蛇口からは冷水しか出ません。また、石鹼などはなく、環境のため使用はできません。

温泉の利用時間は11時00分~20時00分(最終受付19時30分)で、入浴料は1回500円となっていますので、2回入ると倍の料金が発生します。

テント場は第1第2テント場があり、ウッドデッキがありますのでその上にテントを設置します。

第1テント場下にはログキャビンが立ち並び、奥の平地は坊ガツルです。右奥には次に向かう大船山が見えます。

2日目

大船山

テント場で一泊し、早朝に出発します。幸いにも天気は良好で、山並みがよく見えるくらいです。

大船山の登山口に行くには坊がつるキャンプ場を通っていきます。道のそばには玖珠川源流があります。

坊ガツルキャンプ場の中を通っていくと、大船山平治岳の分岐点にたどり着きます。そのまま大船山登山道に進みます。

登山道として分かりにくい場所があり、ピンクテープもあるのですが、ふみ跡だらけでどれが正しいのか分からないまま進んできます。

適当に進んでいたら、この場所にたどり着いたのですが、大船山へ行くルートから少しずれており、立中山へ行く道でしたので、ルートを修正します。

大船山のルートに戻ることができました。立中山へは後程行くのでルートが少しずれたのは、下見も兼ねることができたのでラッキーです。

徐々に視界が開けてくると大戸越大船山の分岐点につきます。ここまでくると頂上までの道のりがはっきりと見えてきました。

頂上までの道中には避難小屋があり、コンクリート造なのでとてもしっかりした造りです。

ほどなくして頂上に到着です。

天気が良いため360度どこでも見渡すことができます。

次の山は立中山を目指しますので、先ほどの分岐点から進んでいきます。

立中山

ここからの道はあまり整備されていないのか、道が狭くザックなどが木の枝にこすれるくらいです。

また、道が不明瞭のところもあり、迷ったときにはGPSで確認したほうが無難です。

だんだん視界が開けてくると、頂上まであと少しです。

山頂は平らな広い場所ですので、大人数でも休憩するスペースが十分にあります。次は白口岳を目指しますので、桙峠まで下って再度上り返しとなります。

白口岳

桙峠は法華院温泉山荘・白口岳・立中山・リゾネイトクラブ登山口の交差点です。今回は正面の白口岳へ登っていきます。

登山道は明瞭で迷うことはありません。勾配は高度を上げるごとにきつくなってきます

道中に豪雨被害で登山道が一部崩壊した場所があります。ただ、仮復旧として道が作られていますので、注意すれば問題はないかと思います。

山頂に近づいてくると、岩場をロープで登る場所が出てきますが、ロープを使用しなくても登ることができる傾斜です。

ようやく山頂に到着です。この時も雲一つない天気でしたので、360度どこでも見渡せることができました。

この山頂も平らな所が広いため、昼食休憩を取ります。向かいに見える山が、くじゅう連山最高峰の中岳です。

稲星山

休憩を取った後は、次に稲星山を目指します。そのため少し下ってまた登っていきます。

下っていくと稲星越に到着です。ここから稲星山か中岳の分岐になるのですが、先に稲星山へ向かいます。

傾斜は緩やかで歩きやすく、距離もそこまでないのですぐに山頂に到着します。休憩は白口岳でとっているので、そのまま中岳へ進みます。

中岳

中岳へ行くためいったん下るのですが、ザレ道のため、歩き方に注意しながら下っていきます。

下まで行くと白口岳や久住山へ行く分岐がありますが、そのまま中岳に向かいます。標識には滑落注意道標なし手すりなしなどの注意書きがありますが、急な岩場などを登るわけではありません。

ただ、ロープはしごが設置している個所があり、慎重に進まなければならないところがあるのは事実です。

急な所を乗り越えていくとくじゅう連山最高峰の山頂に到着します。岩がごろごろあり、あまり平坦な所はありません。

山頂からは久住山御池を見下ろすことができます。さて、今回の山行におけるピークハントはこれで終わったので、あとは赤川登山口まで下山していきます。

赤川登山口

下山ルートは登ってきたルートとは別で、神明水を経由するルートです。まずは中岳から池ノ小屋避難小屋に行きます。稜線を進みすぎると天狗ヶ城まで行ってしまいます。御池を経由し避難小屋へ向かいます。

こちらの避難小屋は昭和5年に遭難事故があったため建設されました。西に270m進むと慰霊碑が佇んでいます。

避難小屋から緩やかな道を下っていくと稲星山や久住山へ行く交差点にたどり着きます。ここは南登山口へ進んでいきます。少し進めば神明水があるはずですが、いまいち場所がよく分からないまま進んでしまいました。近くに川が流れていたので底だったのかもしれません。

南登山口への下りは道幅が狭く、ザックに横付けされているものなどは容易に引っ掛かります。

ある程度下っていくと開けた場所に出て、道幅も広くなっていきます。

猪鹿狼寺の本堂後を過ぎ、道路を横断していきます。

しばらくすると赤川登山口と南登山口の分岐点がありますので、あかがわへ進んでいきます。

この辺りは道が不明瞭なため、ピンクテープがありますが、間違ったピンクテープを辿ってしまいました。途中明らかに登山道として整備されていないところを通っていたので気付くべきでした。

登山ルートはこの倒木を右に行くのですが、左奥にもピンクテープがあり、そっちを辿ってしまいました。

そのまま林を進んでいくと道路に出ます。ここでもルートを間違えてしまい、道を下っていくところを登って行ってしまいました。

道路を登っていくとこのような工事看板がある場所につきます。流石におかしいと思い、GPSで確認し舗装路を下っていきました。

舗装路を進んでいくと、復旧工事の現場にたどり着きます。ここまでくると登山口はすぐそこです。

赤川登山口のすぐ下のゲートに到着しますので、少し登れば登山口です。

登山口のトイレ入口には靴を洗う場所があるため、使用させてもらいました。今回の登山ルートは道幅が狭く、枝がザックに横付けしたマットを容赦なく痛めつけていました。

登山で汗をたくさん流したので、すぐそこにある赤川温泉に入浴してきました。料金は1,000円と高いですが、泉質は硫黄冷鉱泉で白濁しています。

この登山を振り返って

百名山の一つ久住山を登りに来ましたが、せっかくなら他の山も登り、なおかつテント泊ができる場所に温泉があるので利用したくなりました。

赤川登山口は最も久住山に近い登山口ですが、あまりメジャーな所ではないようで。急な登りもあるため、久住山にだけ登る人が多いのかもしれません。くじゅう連山の魅力はそれぞれの山を目指し、その間の稜線や高原を歩くことにあると思います。

北千里ヶ浜の風景は、山奥とは思えないくらい異質でした。あまり日本の山っぽくない雰囲気があります。

九州地方ではメジャーな山域なのか、登山ルートにふみ跡がたくさんありますが、逆に分岐点などを見失ってしまう要因にもなっている気がします。

登山口や登山ルートが多くあるため、あまり整備されていないような道もあり、そのあたりを見極めれば、標高も1,800mに満たない山々なので、初心者でも楽しく登山できるところだと感じました。

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