ハンモックとテントの比較から見るハンモック泊のメリット・デメリット

テント
テントハンモック比較道具

テントは持っているけどハンモックでお泊りもしてみたい。だけどどんなギアが具体的に必要なのか分かりづらいと思います。ハンモックだけ買ってキャンプ場で夜寝ようとしたら、寒すぎて眠れなかったという事態も(経験済み)。

今回はテントとハンモックを比較して、その違いやそこから分かるハンモックのメリット・デメリットについて触れていきます。

・寒さ対策が一番大切
・大体の装備はテント泊と一緒
・大きな違いはスリーピングギア
・キャンプ場ならフルカバーのテント内にハンモック設置もあり

ギア一覧

種類装備名種類装備名
バッグザッククッキングギアクッカー
スタッフバッグカトラリー
ウェアベースレイヤー保温ボトル
ミドルレイヤー焚火グッズ
ハードシェルスノーギアスノーシャベル
防寒着ゴーグル
グローブアイゼン
スリーピングギアハンモックピッケル
タープスノシュー
キルトスノーバケット付きポール
ハンモックカバーその他ギアヘッドライト、モバイルバッテリーetc…

まずはテント泊とハンモック泊で持っていくギアの違いについてです。

冬のハンモック泊に持っていくギアを一覧にしてみました。キャンプ場に行くというより野営向きの装備です。抜けているものもありますが、大雑把に区分けするとこんな感じに。こうしてみると、テント泊との違いは赤字で示したスリーピングギア位です。ではテント泊とハンモック泊のスリーピングギアの違いを見ていきます。

スリーピングギアの比較

比較する装備は睡眠に必要なものとして、雨風を防ぐことができるテントやタープを含めた重量になります。また、季節は冬を想定した装備となります。

テント泊装備名重量(g)ハンモック泊装備名重量(g)
テント1,530タープ317
グラウンドシート78ハンモック1,270
シュラフ880ハンモックカバー290
シュラフカバー156トップキルト312
マット855
総重量(g)3,4992,189

表で見てわかる通り重量の違いが明瞭で、ハンモックの方が圧倒的に軽いことが分かります。なぜここまで違いが出た理由ですが、テント泊装備の役割をハンモック泊装備は1つの装備で複数内包しているからです。

ハンモック装備が内包しているテント泊装備
タープ → テント
ハンモック → テント、シート、シュラフ、カバー、マット
ハンモックカバー → テント、シュラフ、マット
トップキルト → シュラフ

ただ、本来ハンモックのシュラフとマットになるものとして、トップキルトとアンダーキルトがありますが、所有しているハンモックがトップとアンダー一体型の特殊なものであるため、分かりづらくなっています。

設営条件

テント泊とハンモック泊では設営に適した場所が大きく違ってきます。特にハンモック泊は適さない場所だとハンモックが張れなくなるので、利便性はテントに比べて大きく劣ります。詳しく見ていきますと、

テント泊の設営条件

・地面が平坦
・テントのスペースがある
・開けた所でも設営可能

ハンモック泊の設営条件

・ハンモックを吊るす2本の木が必要で、木々の間は5mほど必要
・多少地面が傾いていても設営は可能(ただし調理などはし辛い)
・開けた場所では設営不可

キャンプ場はテントが設営しやすいように、平らになるよう整地されていて、景観が良くなるように開けた場所もあります。そのため、テント泊はできますが、ハンモック泊は必ずしもできるとは限りませんので、事前に確認しておく必要があります

ハンモック泊は木が無いと設営できないのが致命的ですが、テント泊と違い地面が平坦でなくても設営可能です。テント泊も多少なら設営できるのですが、就寝時はずるずると滑っていくので快適ではないでしょう。

キャンプ場であればHPやブログなどで、林間サイトがあるなどの情報を得られますが、道が無い山へ野営に行く場合は国土地理院と航空写真をもとに、平らな所を探して野営場を決めましょう。

木が無くてもハンモックを設置できるポールがありますが、ペグが絶対に抜けないような地盤でないと使用できません。

〇キャンプ場や登山道にある幕営地なら、テント泊はほとんど設営可能
〇森林限界下での野営や林間キャンプ場はハンモック泊の余地あり(要事前確認)

快適性

様々な条件からそれぞれの快適性を見ていきましょう。季節や天候によって大きく違ってきます。

テントの快適性

・テント内だと狭く感じる、夏は暑い
・雨風から守ってくれるが、大雨だと浸水する
・寒い時期にストーブなどでテント内の気温を高くすることができる
・テントを閉めれば虫の対策がしやすい
・プライベート空間が保たれる

ハンモックの快適性

・開放感がある
・タープを張れば雨風からある程度は守ってくれるが、完全には防げない
・寒い時期は厚着するしかない、焚き火は一時的
・壁が無いので虫の対策が必須(ハンモック専用の蚊帳がある)
・プライベート空間が保たれない

悪天候時はやはり外からの侵入を遮断するテントの方が快適です。逆に天気の良い日はハンモックの方が開放的で、揺られながら自然を感じることができます。秋冬の寒い時期はハンモック泊に厳しい季節で、寒さを防ぐには厚着するしかありません。

また、プライベート空間が歩かないかの違いもあります。テントは中に入れば他人からは見えなくなりますが、ハンモックは中に入っても人からの視線を集めやすいです。

キャンプに行く人数での違い

ソロで行く場合と、家族や友人など複数人で行く場合とで、どちらが向いているか考えてみますと

テント

・人数に応じてテントの大きさを変えられる
・1つのテントで複数人の寝床が用意できる
・複数人で行く場合でも、各自のテントを持参していくことは可能

ハンモック

・1つのハンモックではせいぜい2人用のハンモックが限界
・複数人で行く場合は、ハンモックを張る場所探しに苦労する

という違いがあり、テントはソロでも複数人でも行きやすく、場合によっては大きいテントの中でわいわい過ごすことができます。また、ソロテントを各自持ってくるようなこともでき、汎用性に優れています。

逆にハンモックは、大きさの都合上1つに2人が限度でしょう。そもそも2人用のハンモック自体が少なく、寝ることを考慮すると快適ではありません。

また、ハンモックを複数人行くときに苦労することは、複数人張ることができる場所探しです。ソロなら割と見つけやすいのですが、木があってもハンモックを張るちょうど良い間隔で木が立っていなかったりします。5mほどの間隔で木を植えているわけではありませんから。そのためハンモックはソロ向きと言えるでしょう。

ハンモック泊のメリット・デメリット

ここまでハンモックとテントの比較をしてきましたが、ハンモック泊のメリット・デメリットをまとめてみると

メリット

・テント泊よりも荷物が軽くなる
・地面の影響を受けづらく、汚れ辛い
・開放感があり、自然を感じやすい
・夏場は涼しくて快適

デメリット

・木があるところでないと設営できない
・雨風を完全には防げない
・寒い時期は防寒具でしか対策できない
・複数人で行くと設営場所探しに苦労するので、ソロ向きのキャンプスタイル

こうなりました。ハンモック泊に向いているのは、林間のキャンプ場でソロ、荷物が少ないので車以外徒歩やバイクしやすく、時期は天候や気温が安定する9,10月が過ごしやすいと思います。ただ、夏は虫対策が必要で、そこは冬とトレードオフです。

実はテントとハンモックを併せ持つギアがあったり

ここまでテントとハンモックを別々にしてきましたが、実は両方の性質を併せ持つものがあります。

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こちらなんとハンモックと併用可能なテントで、薪ストーブも利用できるように専用の穴が設けられています。これがあれば、ハンモック泊のデメリットである悪天候や防寒対策を兼ね備えているので、冬のハンモックをしたいけど、快適性も求める場合はちょうど良い製品です。

ハンモック泊するにあたってテント泊の装備で代用できるもの

テント泊に少し飽きたし、ハンモック泊にチャレンジしたい、けどなるべく費用は抑えたいという場合は、テント泊装備で代用できるものがあります。

ハンモックの就寝時における防寒対策はトップとアンダーのキルトですが、要は上と下の断熱です。テント泊でいうところのシュラフスリーピングマッに相当します。寝心地はハンモック特有のものが無くなってしまいますがそこはやむなし。

天候が良く無風ならタープも必要なくなりますが、少しでも風があるとハンモックやシュラフの縫い目から風が入ってきます。そのため、防水・防風のハンモックカバーであるHammock Bivvy Tyvekがおすすめです。中はアルミ蒸着なので、保温力がアップしぐっすり眠れます。

そこそこお高い製品なので、テント泊でも使用可能なシュラフカバーやエスケープビビィもおすすめ。防水性に加えて防風、保温性能を高めてくれます。ただ、風の向きによっては隙間風が入ってきます。

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まとめ

テントでキャンプをしたことがあれば、比較的容易にハンモック泊も可能です。場所はどうしても林間サイトなど限られてしまいますが、開放的な自然の中で揺られながら過ごす日々を味わえます。

グループキャンプは難しいですが、ソロキャンパーひと味違うキャンプを楽しみたい方にはおすすめす。

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