2026年9月9日に発表されたOM SYSTEM PEN。EVFと防塵防滴を初めて搭載し、往年のPENシリーズが「本格ミラーレス」として生まれ変わりました。同価格帯・同コンセプトのライバル4機種と徹底比較します。
スペック比較表
| 品目 | OM SYSTEM PEN | X-T30 III | X-E5 | Z fc | OM-5 Mark II |
|---|---|---|---|---|---|
| 発売日 | 2026年10月下旬 | 2025年11月28日 | 2025年8月28日 | 2021年7月23日 | 2025年7月18日 |
| 実売価格(円) | 134,000円 | 138,000円 | 206,000円 | 101,000円 | 118,000円 |
| センサーサイズ | 4/3型 | APS-C | APS-C | APS-C | 4/3型 |
| 画素数(万) | 2,037万 | 2,610万 | 4,020万 | 2,088万 | 2,037万 |
| 常用ISO感度 | ISO200~6400 | ISO160~12800 | ISO125~12800 | ISO100~51200 | ISO200~6400 |
| 最高連写撮影 | 30コマ/秒 | 約30コマ/秒 | 約20コマ/秒 | 約11コマ/秒 | 約30コマ/秒 |
| シャッタースピード | 1/32,000~60秒 | 1/32,000~15分 | 1/180,000~15分 | 1/4,000~30秒 | 1/32,000~60秒 |
| 手ブレ補正 | 5.5段 | なし | 7.0段 | なし | 6.5段 |
| 被写体検出 | 人物・動物 | 人物・動物・鳥・車・バイク/自転車・飛行機・電車 | 人物・動物・鳥・車・バイク/自転車・飛行機・電車 | 人物・犬猫 | 人物・瞳 |
| プリ連写 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
| 撮影可能枚数(EVF時) | 約410枚 | 約315枚 | 約310枚 | 約310枚 | 約310枚 |
| ファインダー解像度(万) | 236万 | 236万 | 236万 | 236万 | 236万 |
| モニタ解像度(万) | 104万 | 162万 | 104万 | 104万 | 104万 |
| モニタ稼働方式 | バリアングル | チルト | バリアングル | バリアングル | バリアングル |
| 解像度とフレームレート | C4K/24p、4K/30p、FHD/60p | 6.2K/30p、4K/60p、FHD/240p | 6.2K/30p、4K/60p、FHD/240p | 4K/30p、FHD/120p | C4K/24p、4K/30p、FHD/60p |
| 映像記録 | log 8bit | log 10bit | log 10bit | H.264 | log 8bit |
| 記録メディア | SD | SD | SD | SD | SD |
| 防塵防滴 | IPX1 | なし | 追加装備で付与 | 〇 | IP53 |
| 寸法(mm) | 125.8×74.5×43.3 | 118.4×82.8×46.8 | 124.9×72.9×39.1 | 134.5×93.5×43.5 | 125.3×85.2×52.0 |
| 重量(バッテリー込,g) | 393g | 378g | 445g | 445g | 418g |
| その他 |
OM SYSTEM PENの特徴

最大のトピックは、歴代PENで初めてEVF・像面位相差AF・防塵防滴の3つを同時に搭載したことです。前モデルの「PEN E-P7」はコントラストAFのみでEVFも非搭載だったため、動く被写体やファインダー撮影には不向きでした。新型PENはこれを解消し、121点クロス像面位相差AFと人物・犬・猫を認識するAI被写体認識AFを備えています。
ボディ内5軸手ブレ補正は中央最大5.5段まで強化され、防塵防滴もIPX1に対応。前面にはE-P7譲りの「カラー/モノクロ プロファイルコントロール」スイッチがあり、クリエイティブな撮影体験はそのまま継承しています。
サイズはE-P7よりも一回り大きくなり(幅約7.5mm・高さ約6.0mm増)、重量も約56g増えていますが、それでも約393gと軽量な部類に入ります。価格はE-P7の後継としては上昇しましたが、EVF・防塵防滴を持つ同クラス機としては競争力のある設定です。
FUJIFILM X-T30 IIIとの比較
X-T30 IIIは富士フイルムの入門機として2025年11月に登場した最新モデルで、PENとは価格やクラシックな見た目というコンセプトが似ています。裏面照射型の約2,610万画素センサーと最新画像処理エンジン「X-Processor 5」を搭載し、X-T50譲りのフィルムシミュレーションダイヤルを採用しています。
PENとの最大の違いは手ブレ補正の有無と動画性能です。X-T30 IIIはボディ内手ブレ補正を持たないためレンズに左右され、暗所や望遠での手持ち撮影ではPENの5軸IBISが有利に働きます。防塵防滴もX-T30 IIIは非対応のため、屋外での使用頻度が高い人にはPENの方が安心感があります。一方でX-T30 IIIは動画性能が高く6.2kのオープンゲート撮影が可能でlog10bitの記録ができます。
軽さと価格を最優先しつつ「撮って出し」の色表現を楽しみたいならX-T30 III、手ブレ補正と防塵防滴を含めた総合的な実用性を求めるならPENが向いています。
FUJIFILM X-E5との比較
X-E5はPENと形状が似ており、左上にファインダーがあります。APS-Cの約4,020万画素という高解像センサーを積み、20種類のフィルムシミュレーションをダイヤル操作で切り替えられます。被写体検出の対象は生物だけでなく車や飛行機なども検出できます。また、ボディ内手ブレ補正を搭載していて安定した撮影ができます。
PENと比べると画素数では約2倍の差があり、解像力・トリミング耐性ではX-E5が優位です。一方、X-E5は防塵防滴対応にするためには追加装備が必要で、アウトドアや悪天候での安心感はPENに軍配が上がります。価格もX-E5の方が高く、コストパフォーマンスではPENが上回ります。
高解像度と豊かな色表現を最優先するならX-E5、防塵防滴と価格のバランスを取りたいならPENが現実的な選択肢です。マウント資産(富士フイルムXレンズかマイクロフォーサーズか)も選び分けの大きな要素になります。
Nikon Z fcとの比較
Z fcはニコンのフィルム一眼レフ「FM2」を思わせるクラシックデザインが特徴のAPS-C機です。シャッタースピード・露出補正・ISO感度の3つを天面ダイヤルで操作できる本格的なマニュアル操作感が魅力で、瞳AF・動物AFにも対応しています。
スペック面での最大の弱点はボディ内手ブレ補正を搭載していないことです。レンズ側の手ブレ補正に依存するため、非補正レンズやオールドレンズを使う場合は手ブレのリスクが高まります。この点、PENはどんなレンズでも安定した撮影が可能です。
価格はZ fcの方が現状安く、往年のフィルムカメラのような操作感を楽しみたい人には根強い支持があります。ダイヤル操作の“撮る楽しさ”を最優先するならZ fc、手ブレ補正込みの安定した写りを求めるならPENがおすすめです。
OM-5 Mark IIとの比較
OM-5 Mark IIは同じOM SYSTEMブランドで、センサー(有効約2,037万画素・4/3型Live MOS)とAFシステム(121点オールクロス像面位相差)はPENとほぼ共通です。最大の違いはボディ設計の方向性で、OM-5 Mark IIはアウトドア向けの本格的な防塵防滴と、中央最大6.5段という強力な手ブレ補正を備えています。
デザイン面ではOM-5 Mark IIが実用重視のグリップ付きボディなのに対し、PENはレンジファインダー風の薄型ボディにカラー/モノクロプロファイルコントロールなどクリエイティブ機能を凝縮している点が異なります。価格はOM-5 Mark IIの実売が下がってきており、PENより安く購入できる場合もあります。
登山やキャンプなど過酷な環境での使用が中心ならOM-5 Mark II、街歩きやスナップでファッション性・表現力を重視するならPENという住み分けになります。
OM SYSTEM PENはPENシリーズの完成形
新型PENは、往年の「気軽に持ち歩けるカメラ」というコンセプトを守りながら、EVF・防塵防滴・像面位相差AFという実用性を大きく引き上げたモデルで手ブレ補正と防塯防滴を同時に備えた安価なミラーレスとしては数少ない選択肢です。
同じOM SYSTEMのOM-5 Mark IIとはセンサー・AFがほぼ共通なため、最終的にはデザインの好みと耐候性のレベルで選ぶことになります。街中のスナップ撮影から旅行まで、デザイン性と実用性を両立させたい人にとって、新型PENは有力な1台と言えるでしょう。
