ミラーレスカメラは年々進化を遂げており、ここ数年はAIの活用など機能が一気に飛躍しています。しかし、それに伴う価格の上昇や、物価高・円安などによりカメラは本当に高くなりました。
そこで今回は最新機種ではないけれど、必要十分な機能を備えた型落ちのミラーレスカメラを紹介していきます。中には新品よりも中古で状態の良い物の方がコスパが良いという所含めて書いていきます。
スペック比較表
機種名 | Canon EOS R | Sony α7 III | Nikon Z 6 | Fujifilm X-H1 | Sony α6400 | Nikon Z 50 | LUMIX GH5 | OM-D E-M1 Mark III |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
センサーサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ | APS-C | APS-C | APS-C | マイクロ4/3 | マイクロ4/3 |
連写性能 (秒) | 8コマ/秒 | 10コマ/秒 | 12コマ/秒 | 14コマ/秒 | 11コマ/秒 | 11コマ/秒 | 12コマ/秒 | 60コマ/秒 |
手ブレ補正 | なし | 5.0段 | 5.0段 | 5.5段 | なし | なし | 5.0段 | 7.5段 |
AF性能 | デュアルピクセルAF(測距エリア約88%×100%) | 位相差693点+コントラスト425点 | 位相差273点(画面約90%カバー) | 位相差325点(最大) | 位相差425点(画面約84%カバー) | 位相差209点相当(DXフォーマット) | コントラスト式(225点相当) | 位相差121点+コントラスト121点 |
サイズ (W×H×D mm) | 135×98×84 | 127×96×74 | 134×100.5×67.5 | 139.8×97.3×85.5 | 120×66.9×59.7 | 126.5×93.5×60 | 138.5×98.1×87.4 | 134.1×90.9×68.9 |
重量 (バッテリ/カード込) | 約660g | 約650g | 約675g | 約673g | 約404g | 約450g | 約725g | 約580g |
有効画素数 (万画素) | 30.3 | 24.2 | 24.5 | 24.3 | 24.2 | 20.9 | 20.3 | 20.4 |
動画性能 (最大解像度, フレームレート, Log) | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K60p 8bit/4k30p 10bit LogL対応 | 4K30p Log対応 |
中古価格 (円) | 約9.5万 | 約11.6万 | 約9.3万 | 約8.2万 | 約 7.5万 | 約5.6万 | 約 7.5万 | 約8.5万 |
発売日 | 2018年10月25日 | 2018年 3月23日 | 2018年11月23日 | 2018年 3月 1日 | 2019年 2月22日 | 2019年11月22日 | 2017年 3月23日 | 2020年 2月28日 |
※中古価格は2025/6/2の価格.comに掲示されている中古最安価格
選んだ基準は中古価格が大幅に下がっていること、現行のカメラと性能が著しく離れていないかということを重視しました。メーカーがばらけるようにもしてありますので、これ以外でもコスパの良いカメラはあると思います。メーカー毎での特徴があるので、その点を考慮して購入するのもありだと思います。
フルサイズ
機種名 | Canon EOS R | Sony α7 III | Nikon Z 6 |
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センサーサイズ | フルサイズ | フルサイズ | フルサイズ |
連写性能 (秒) | 8コマ/秒 | 10コマ/秒 | 12コマ/秒 |
手ブレ補正 | なし | 5.0段 | 5.0段 |
AF性能 | デュアルピクセルAF(測距エリア約88%×100%) | 位相差693点+コントラスト425点 | 位相差273点(画面約90%カバー) |
サイズ (W×H×D mm) | 135×98×84 | 127×96×74 | 134×100.5×67.5 |
重量 (バッテリ/カード込) | 約660g | 約650g | 約675g |
有効画素数 (万画素) | 30.3 | 24.2 | 24.5 |
動画性能 (最大解像度, フレームレート, Log) | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 |
中古価格 (円) | 約9.5万 | 約11.6万 | 約9.3万 |
発売日 | 2018年10月25日 | 2018年 3月23日 | 2018年11月23日 |
- Canon EOS R:フルサイズ3030万画素の初代RFマウント機。本体手ブレ補正なしで4K30p動画も1.7倍クロップがあり動画性能は控えめ。また、SDカードは1枚のみ。写真画質は現行とそこまで遜色なく、瞳AFもアップデートで追加されているので、静止画カメラとして活用の余地あり。
- Sony α7 III:汎用性の高いフルサイズ2420万画素機。瞳AF・高感度耐性・手振れ補正・バッテリーは現行と同じなど名機と呼ばれる所以。動画は4k30pだと若干のクロップが発生。SDカードは2枚だが、片方はUHS-Ⅰのみ。UIはSony特有の複雑さがある。
- Nikon Z6:24.5MPフルサイズ機で、α7IIIに近い性能を持つ。瞳AF・12fps連写・手振れ補正を搭載し、高感度画質や動体追従にも強い。動画はクロップなしの4K30p、バリアングルモニターではないので自撮りには不向き。静止画・動画とも安定した性能で、CF type Bも使えるが、シングルスロットとバッテリーが不安要素。
α7ⅲは当時ゲームチェンジャーと言われていただけあり、全体的に高スペックとなっています。Z6も負けず劣らずの性能で低価格なのでコスパ良し。EOS Rは手振れ補正がない所や4k30pの大幅なクロップで総合的に劣っている感は否めません。

APS-C
機種名 | Fujifilm X-H1 | Sony α6400 | Nikon Z 50 |
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センサーサイズ | APS-C | APS-C | APS-C |
連写性能 (秒) | 14コマ/秒 | 11コマ/秒 | 11コマ/秒 |
手ブレ補正 | 5.5段 | なし | なし |
AF性能 | 位相差325点(最大) | 位相差425点(画面約84%カバー) | 位相差209点相当(DXフォーマット) |
サイズ (W×H×D mm) | 139.8×97.3×85.5 | 120×66.9×59.7 | 126.5×93.5×60 |
重量 (バッテリ/カード込) | 約673g | 約404g | 約450g |
有効画素数 (万画素) | 24.3 | 24.2 | 20.9 |
動画性能 (最大解像度, フレームレート, Log) | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 | 4K30p 8bit Log対応 |
中古価格 (円) | 約8.2万 | 約 7.5万 | 約5.6万 |
発売日 | 2018年 3月 1日 | 2019年 2月22日 | 2019年11月22日 |
- Fujifilm X-H1:APS-Cサイズ2430万画素のフラッグシップ機。防塵防滴でボディ内5軸5.5段補正と連写14fps、多少クロップするが4K30p対応しダブルスロットとプロ向け。富士特有のフィルムシミュレーションも多彩。バッテリーが少なくUSB-C未対応、形状が富士らしくないなどであまり人気が無かった様子。
- Sony α6400:APS-C2420万画素機。優秀なリアルタイム瞳AFを搭載し、クロップはあるが4K30pの動画撮影が可能でバリアングルモニターによる自撮りも適していて、重量は404gと小型軽量。反面手振れ補正はなくUSB-C未対応、起動などのレスポンスが遅いなどの欠点がある。
- Nikon Z 50:APS-C2088万画素のエントリー機。グリップ付きで扱いやすく中央部にファインダーも搭載。瞳AF検出を備え、高速連写11fps、4K30pでもクロップなしと写真・動画性能ともに優秀でコンパクトなボディは旅行や街撮り向き。ただしボディ内手振れ補正がなくUSB-C未対応、バッテリーが心もとない。
X-H1はフラッグシップ機と言われていただけあり手振れ補正やダブルスロットなど高スペックですが、APS-Cにしては大きく重い。α6400とZ50は全体的に似た性能ですが、価格はZ50の方が安くコスパに優れています。α6400はファインダーが左上にあり、小型サイズ化していますので、旅行やスナップに最適。

マイクロフォーサーズ
機種名 | LUMIX GH5 | OM-D E-M1 Mark III |
---|---|---|
センサーサイズ | マイクロ4/3 | マイクロ4/3 |
連写性能 (秒) | 12コマ/秒 | 60コマ/秒 |
手ブレ補正 | 5.0段 | 7.5段 |
AF性能 | コントラスト式(225点相当) | 位相差121点+コントラスト121点 |
サイズ (W×H×D mm) | 138.5×98.1×87.4 | 134.1×90.9×68.9 |
重量 (バッテリ/カード込) | 約725g | 約580g |
有効画素数 (万画素) | 20.3 | 20.4 |
動画性能 (最大解像度, フレームレート, Log) | 4K60p 8bit/4k30p 10bit LogL対応 | 4K30p Log対応 |
中古価格 (円) | 約 7.5万 | 約8.5万 |
発売日 | 2017年 3月23日 | 2020年 2月28日 |
- Panasonic LUMIX GH5:2020万画素マイクロフォーサーズ機で、動画撮影に特化。4K60p撮影が可能で、4k30pなら10bitでカメラ内部収録可能。手振れ補正搭載でバリアングルモニター、デュアルスロットなど映像制作用途に充実。反面、AFはコントラスト検出で信頼性に欠け、725gはマイクロフォーサーズとしてかなり重い。
- OM SYSTEM OM-D E-M1 Mark III:有効2020万画素のマイクロフォーサーズ機。60fps連写に加えプリ連写も可能で5軸7.5段補正を搭載、超高解像ハイレゾショットで高画質化が可能。動画も4k30pをクロップなしで撮影可能と十分な性能。AFは像面位相差121点とやや控えめで、動画は29分の制限有り。
GH5はこの価格で10bit log撮影が可能なのが強みですが、AFは他カメラより劣っていてフルサイズ並みの重量も難点。映像制作を目的とする人には最も安いカメラではないでしょうか。E-M1 Mark IIIは高速連写にプリ撮影、高い手振れ補正と静止画目的なら高いパフォーマンスを誇るカメラです。ただマイクロフォーサーズでありながら600g近くある重量がネック。

用途別おすすめ
用途 (撮影シーン) | 推奨機種 | 主な理由・裏付け |
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動画・写真のハイブリッド | α7 III/Z 6 | フルサイズで手振れ補正有、クロップの少ない4k30p、瞳AF搭載、高い暗所性能 |
高速連写/動体撮影 | E-M1 Mark III | 電子シャッター時18 fps(追従AF)+世界最高クラス7 段IBISで超望遠も手持ち可 |
動画制作 | LUMIX GH5 | GH5は4K60p内部記録・10bit log撮影が可能で手振れ補正有 |
旅行・街歩き/軽量 | α6400/Z 50 | α6400は404 gで小型軽量、瞳AF搭載、11 fpsと十分な連写性能 Z50はオーソドックスな外観で軽量 |
コスパ重視 APS-C | X-H1 | 5.5 段IBIS、14 fps、富士特有のフィルムシュミレーション等高スペック、ただし重い |
中古カメラは信頼のおけるお店で購入するべし

高価なカメラも型落ち品なら半額以下で手に入ることもあります。なので初めてカメラを買う人には割とおすすめなのですが、ここで注意してほしいのが購入するお店。今の時代ネットショップが主流ですが、実物を触れない分細かな状態が分かりません。お店によっては状態の評価だけで写真すらない所もあります。

以前α7ⅲをAmazonで購入した時、状態は”良い”という評価でしたが、届いた商品を見てみるとカメラは傷だらけ、シャッター回数は20万回を超えているというどう見ても状態が良いとは思えないものでした。勿論中には良いお店もあると思いますが、基本的には信頼しない方が良いでしょう。
おすすめのショップはマップカメラ

都心ならともかく地方だとカメラショップ自体が少なく、欲しい機種を購入すること自体が難しくなります。その場合ネットショップをどうしても使うことになるのですが、その中でもおすすめはマップカメラ。他のお店に比べて圧倒的に写真の数が多く、場合によっては動画もあります。というか他のお店が少なすぎるというのが正直な感想。

次点はカメラのキタムラ。全国に実店舗を構えているお店ですが、カメラの状態が分かる写真は少なく、それだけで判断するのは不安です。そこで他のお店にあるカメラを近くのお店に取り寄せしてくれるシステムがあります。実物を見ることができるのは大きなアドバンテージで、写真では分からない劣化具合も把握できます。
メルカリなどのフリマサイトならさらに安く仕入れることが可能ではありますが、かなりのリスクを背負い商品に何の保証もないので初めて買う人にはおすすめできません。
中古カメラの見るべきポイント

中古カメラではっきりと分かりやすいのは外観です。擦れ傷や打痕跡、カバーやアイピーカップが無かったりすることがあります。ボタン類が凹んでいたり手垢で汚れていないかも地味にポイントで、どれだけそのカメラが使用されていたかを物語ってくれます。
外観で分からない所と言えばシャッター回数。車でいう走行距離のようなもので、業務に使用していたカメラなら10万や20万回使用していることは不思議ではありません。この情報を載せているネットショップは無く、メルカリなどで見受けられる程度です。お店に聞いても答えてくれない場合が多いので、外観で判断するしかありません。