今回レビューするのはPOMOLYのLocomotive 20。ソロ向けのトンネルテントですが、薪ストーブが使えるように煙突穴が設置されています。
薪ストーブが使用できるテントはティピー型が多い印象ですが、耐風性の高いトンネル型テントを購入してみましたので、レビューしていきます。
スペック
生地 | 20D リップストップシルナイロン PU 3,000mm |
重量 | 2.8kg (内インナーテント1.0㎏) |
設営サイズ | 4.0m * 1.5m * 1.05m |
インナーテント | 2.2m * 1.3m * 1.05m |
収納サイズ | 45cm * 20cm * 20cm |
煙突口サイズ | 自由(初回時作成) |
付属品 | テント本体、インナーテント、 テントポール* 3、ガイライン* 8、ペグ*20、 ストーブジャック* 1、 スタッフサック* 1 |
価格 | 26,699円(2023年3月時点) |
テント生地はポリウレタンコーティングで耐水圧3,000mmと十分な性能です。薪ストーブを使いますが、ナイロン生地のため火に弱いので注意して使う必要があります。生地の厚みが20Dと山岳テント並みなので、かなり薄く作られています。
重量2.8㎏はインナーテント込みの重さです。ちなみにポールは収納袋込で525g、ペグは327gでした。
トンネル型テントなので、細長い形となりペグの数も増えてしまうのは致し方ないですね。
付属品
テント本体、インナーテント、ポール、ペグ、煙突穴のセットです。
収納時は45×20×20㎝。細長くなるのはポールを入れているためです。
収納袋に入れやすいようにストラップが付属しています。
ポール
ポールは長さの違う3本で、DACやEASTONなどではありませんが、素材はA7001アルミニウム合金とDACのNFLなどと同じで、直径が8.5mmとなっています。この直径も山岳テント並みです。ただ、真ん中が曲がっているタイプのポールは初めて見ました。強度を持たせるため?
ペグ
20本もある漆黒のペグはA7075超々ジェラルミン(公式HPだとアルミニウム合金ですが、その中でも最高クラスの素材名)となっています。これもDACなどのメーカー記名はありません。黒色は塗装なので、少し使ったら剥げました。
ガイライン
ガイラインは8本。OneTigris ROCDOMUSでも全く同じものを見ました。というか同じです。自在金具が小さく、少し使いづらい印象。
煙突穴
煙突穴1枚が付いていますが、テントに既に張りつけられています。そのため、予備の物なのでしょう。穴が開いていないので、自分で作る必要があります。
オプション
難燃性グランドシートがオプションであります。専用の形で薪ストーブ対策の難燃性ではありますが、7,100円と少々高値なので購入しませんでした。
設営
アウターテント
まずはアウターテントを広げて、ポールをそれぞれの箇所に置きます。
ポールは白・黒・シルバーの3色あり、はめ込み箇所にあるロープの色に合わせます。
すでに完成した画像ですが、煙突穴のある方からペグダウンしていくと、上手に張ることができます。
煙突穴の下にはベンチレーションが存在し、内側からカバーを巻くことで解放できます。
左右に小さなポールが入っており、形を保つようになっているほか、ガイラインもあります。
煙突穴とは反対側にもベンチレーションがあります。
こちらはマジックテープで開けることができます。ここもOneTigris ROCDOMUSと同じ仕組みです。
煙突穴のカバーは止水ジッパー。ジッパーにYKKの表記はありません。
ジッパーを開けてカバーを巻くと、ストーブジャックが出てきます。これはテントに縫われているので、取り外し不可です。
予備のストーブジャックと並べてみる。台形の形をしているのは珍しいです。
薪ストーブを設置するときは、テント生地が風で揺れて煙突と接触しないように、付近のガイラインを張ります。
テントの入り口は、巻き上げることで常時開放するようになっています。
また、ポールを引っかけるところがあるので、ちょっとしたタープのように展開できます。
ジッパーにはうれしい取っ手付き。よく見るとデザントのようなマークが。
裏側の縫製部分にはシームテープが施されています。
インナーテント
インナーテントを設置する場所。軽量化重視ならこのまま使うことも可能。
インナーテントを設置するとこんな感じに。出入り口はメッシュ生地だけにすることも可能。
アウターテントとの接続は、地面側はバックルで、それ以外はトグルで接続します。
両サイドにメッシュのポケットがあるので、小物入れに便利。
天井には小さなフックがあり、小さいライトくらいなら問題なし。ちなみに奥はメッシュ生地で、アウターテントのベンチレーションと同じ個所にあります。
180㎝のマットが丁度良い長さ。2人で寝ることはできるけど、ちょっと狭く感じます。
インナーテントの高さは、入り口が一番高くて奥に行くほど低くなるのですが、成人男性が背筋伸ばして胡坐座りすると、入り口でも頭にテントが接触します。
トンネル型テントのソロ用なので快適性はあまりないですね。
良い所
・トンネル型テントで薪ストーブが使える
・悪天候に強い
・ベンチレーションの多さによる通気性の確保
他のテントにない点として、トンネル型テントで薪ストーブが使えることが大きな強みでしょう。実際他のテントも使おうと思えば使えますが、ストーブジャックが付いているので設営がシンプルです。
悪天候に強いのはトンネル型テントの特徴になります。このテントは高さが105㎝しかないので、耐風性に優れています。
換気対策してベンチレーションが随所に設けられており、インナーテントの入り口もメッシュ生地のみにできるなど、オールシーズンを視野に入れた作りです。
気になる所
・半自立式テントなので設営が手間
・高さが105㎝しかないので、テント内での快適性は低い
ドーム型のテントと違い、ポールだけでは自立しません。そのためペグやガイラインをきちんと設置する必要があるため、手間がかかります。
高さが105㎝と低いことは、耐風性につながるのですが、同時に快適性が損なわれます。ソロ用のトンネル型テントなので、当然と言えば当然です。
類似製品
トンネル型テントは大型だと結構あるのですが、ソロ用の小型テントはあまり数が無いようです。
日本でメジャーな所だと、DODのカマボコテントソロでしょうか。こちらは火に強いTC素材となり、テントサイズも一回り大きくなるので、快適性が上がります。その分重量が増えて10.3㎏となるので、バックパックキャンプには向きません。
トレッキング用だとFjallravenのAbisko Lite 2があります。重量が2.07㎏と軽量で、DACのポールやYKKが採用されているので、スペックの高いテントです。価格が高すぎて手が出ませんが。
最後に本当の類似製品を紹介します。ネイチャーハイクのOpalus 2です。姿形やサイズがほとんど一緒ですので、薪ストーブ使う予定がない場合はこちらでよいでしょう。
雨が降る雪の中で使ってみた
雨の中雪中キャンプしてみました。雨が染み込んでくるということはなかったので、防水性能は確かなものがあります。
インナーテントの高さは、170㎝の成人男性が背筋を伸ばすと頭が天井にあたる感じです。写真は猫背で顔が下に向いているので余裕があるように見えます。
インナーテントは2人寝れるスペースがあるので1人だと荷物を置くスペースができます。
ランタンフックがインナーテントの奥にしかないので、入り口付近はアウターテントとの接続部分にしてみました。
薪ストーブとの位置はこんな感じ。インナーテント内に座ったままだとストーブに届かないです。
もう少し大きめのストーブか向きを変えれば座ったままでも薪ストーブをいじることができると思います。
まとめ
Locomotive という名前は日本語訳で機関車。煙突を刺すと機関車が煙を上げながら走っているところを連想したのでしょうか。
トンネル型テントは初めて購入しましたが、想像していたよりも設営は難しくありません。ペグやガイラインを設置する手間はどうしても発生しますが。
この製品のおすすめ用途は、悪天候下で薪ストーブを使えるテントです。特に、背が低いため耐風性能はかなり高いです。重量も2.8㎏と割と軽量な部類に入るので、ソロのバックパックキャンプに最適です。
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