百名山の中でも、あまり手が付けられておらず、原生的な自然が保たれている東北地方の朝日岳。それは登山口までのアクセス手段の少なさや困難さから伝わってきます。
・日暮沢小屋が登山口&下山口
・大井沢の集落から登山口まではすれ違い困難な道路で舗装されていない
・登山口からいきなり急登
・清太岩山から朝日連峰のダイナミックな稜線を展望できる
ルート基本情報
行程
日帰り 8時間35分 21.5㎞ 登り2,098m 下り2,098m 山頂まで265分
日暮沢小屋【出発地】~竜門山~大朝日岳~小朝日岳~日暮沢小屋【到着地】
ルート地図及び情報
下記をクリックするとYAMAPで地図や活動時間などの詳細な情報が見られます。
日暮沢登山口から朝日岳を周回する【百名山五十八座目】 / bataoさんの古寺山(山形県)・中岳(山形県)・竜門山(新潟県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
ルート詳細情報
日暮沢小屋
登山口にある日暮沢小屋は宿泊可能な施設です。宿泊する場合は管理協力金1,500円となっています。小屋前に駐車場があり、20台は停めることができますが、停められなかった車は前の林道に路駐しています。林道の終点にも数台スペースがあります。
水場もありますが、枯れている場合は近くの沢まで行く必要があります。
まずは稜線に出るために竜門山を目指して登っていきます。登山口からいきなり急坂が待っています。
竜門山
道中にはゴロビツの水場がありますが、水が出ているかどうかは事前に確認が必要です。
木々が低くなり、視界が開けてくると登山道わきに小さな慰霊碑が建っています。ここから清太岩山まではもうすぐです。
まずは清太岩山を通過です。奥には月山がちらりと見えます。
清太岩山から少し下って登った先がユーフン山です。こちらには山の標識が見当たりません。竜門山へ続く尾根が見え、さらに左の稜線へ進むと西朝日岳があります。
北西を見ると、以東岳とそこに至る稜線が大きく映ります。
竜門山の分岐点に到着しました。山頂標柱は特に設置されていないようです。朝日連峰の盟主である大朝日岳の方向に足を踏み出していきます。
朝日岳
竜門山から見た稜線です。まずは西朝日岳へ登り、そこからさらに稜線を歩くと大朝日岳へ到達します。手前はちょうど紅葉で色付いています。
緩やかな稜線を歩いていくと西朝日岳の山頂に着きます。
大朝日岳までは多少のアップダウンのある稜線を進みます。下山時に通過する小朝日岳はすでに雲に飲み込まれつつあります。
奥に見える大きな山塊はおそらく飯豊山でしょう。
中岳を横切って少し下っていくと、水場である金玉水との分岐があります。
登り返しの先に大朝日小屋が建っています。管理協力金1,500円で定員は100名と大きな小屋です。ただ、寝具などはないので持参する必要があります。
大朝日岳の山頂は小屋から少し登れば到着です。ただ、残念ながら到着と同時に雲に飲まれてしまいました。
ガスの中で展望もなく寒いだけなので下山していきます。ルートは小朝日岳を経由していく道です。
小朝日岳
登山道途中には銀玉水という水場へ寄ることができます。
尾根を伝ってアップダウンの道を進むと分岐があります。小朝日岳に向かって登るルートか、迂回してトラバースするルートです。今回は小朝日岳へ登っていきます。
小朝日岳への登りは短いですが急坂です。登っていくと山頂は紅葉で染まっています。
小朝日岳の山頂は少し平らなスペースがあります。標柱もありますが、何が書かれていたのか判別できない状態です。
小朝日岳を過ぎた後は古寺山へ向かって下りていきます。
古寺山の山頂は特に広くない場所です。ガスで展望もないのでササっと進んでいきます。
古寺山から標高を下げると雲を抜けました。どうやら1,500mくらいが雲の境界線のようです。
そのまま下っていくと、日暮沢と古寺鉱泉の分岐点です。日暮沢の道はハナヌキ峰へ登り返していきます。
日暮沢
ハナヌキ峰から古寺鉱泉を見下ろしてみると、古寺川があること以外は山に囲まれていることが分かります。
足元はふかふかの地面なので足にやさしいですが、進んでいくと傾斜が急になっていきます。
特に川の音がしてくると、急坂で木の根が剝き出しなこともあり、歩きにくい道が続きます。
川が見えてくると斜面を下る道から、川沿いに歩いていく道に切り替わり
ます。
基本的には水平移動ですが、小川を渡渉するため高巻きする箇所があります。
川の右岸を歩いていきますが、途中左岸にわたるための橋があります。ここを過ぎれば林道歩きとなります。
橋を渡った先に数台ほど停められるスペースがあるので、周回コースの場合はこちらに駐車するのも良いでしょう。
林道を歩いていくと日暮沢小屋に到着しました。駐車場がもっと空くかと思いきや、あまり空いていませんでした。連休ということもあって、多くの人が朝日連峰を堪能しているようです。これでこの山行は終わりです。
この登山を振り返って
朝日岳をピークハントするだけなら、古寺鉱泉からスタートする道が最も近い道です。ただ、駐車料金が1,000円とそれなりにかかるので、日暮沢小屋まで行くことにしました。縦走やエスケープルートとして使われるコースですが、日帰りでも十分堪能できる登山口です。ただ、距離がかなり長いので、早出や体力をつけてからの方がよいかもしれません。寝具はないですが、山小屋が竜門小屋、大朝日小屋とルート上にあるので小屋泊もできるルートです。
危険な個所はないですが、日暮沢小屋から清太岩山までの道と、下山間近のハナヌキ峰から根子川への道は急な坂です。始まりと終わり際なので、体力に余裕を持ったペースで登っていった方が後々楽になります。清太岩山まで登れば朝日連峰の大きな稜線を眺めながら歩くことができるので、展望の良いルートだと感じました。
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