シグマのフルサイズカメラであるFPの後継機が発表されました。基本的なコンセプトは継承しつつ、部分積層センサーやモニターが固定からチルト式になるなどパワーアップしています。このカメラを他の小型フルサイズカメラと比較してみます。
スペック比較表
| 品名 | FP2 | S9 | Z5 IIC | EOS R8 Mark II | α7CⅡ |
|---|---|---|---|---|---|
| 発売日 | 2026年11月11日 | 2024年6月20日 | 2026年10月23日 | 2026年10月29日 | 2023年10月13日 |
| 定価(円) | 346,500 | 193,050 | 238,700 | 275,000 | 306,900 |
| 実売価格(円) | 185,000 | 215,000 | 247,500 | 219,000 | |
| マウント | L | L | Z | RF | E |
| 画素数(万) | 2,450 | 2,420 | 2,450 | 2,420 | 3,300 |
| 常用ISO感度 | 100-102400 | 100-51,200 | 100-64,000 | 100-102400 | 100–51,200 |
| 最高連写撮影 | 20コマ/秒 | 30コマ/秒 | 30コマ/秒 | 40コマ/秒 | 10コマ/秒 |
| 手振れ補正 | 無し | 5.0段 | 7.5段 | 7.5段 | 7.0段 |
| 被写体検出 | 人物/動物/鳥 | 人物/動物/車/バイク | 人物/動物/鳥/魚 /車/バイク/列車/飛行機 | 人物/動物/鳥/車/バイク/列車/飛行機 | 人物/動物/鳥/車/バイク/列車/飛行機 |
| プリ連写 | 無し | あり(最大0.5秒遡り) | あり(最大1.0秒遡り) | あり(最大0.5秒遡り) | 無し |
| ファインダー | 無し(オプション有) | 無し | 無し | 約236万ドット(0.7倍) | 約236万ドット(0.7倍) |
| モニター | 210万・チルト | 184万・バリアングル | 104万・バリアングル | 162万・バリアングル | 104万・バリアングル |
| 撮影枚数 | 370枚 | 430枚 | 350枚 | 150枚 | 530枚 |
| 解像度とフレームレート | 6k60p(オープンゲート) | 6k30p(オープンゲート) | 4K60p(APS-Cクロップ) | 4K60p | 4K60p(APS-Cクロップ) |
| 映像記録 | Log、外部RAW | Log | Log、内部RAW | Log | Log |
| 記録メディア | SD(UHS-Ⅱ) | SD(UHS-Ⅱ) | SD(UHS-Ⅱ) | SD(UHS-Ⅱ) | SD(UHS-Ⅱ) |
| 寸法(㎜) | 112.8×69.9×41.8 | 126×73.9×46.7 | 134×80.7×72 | 131.4×90×79.7mm | 124×71.1×63.4 |
| 重量(バッテリー込,g) | 460 | 486 | 620 | 546 | 514 |
※価格は2026年10月時点です。
シグマFP2の特徴

初代から画素数は変わらないものの、センサーが裏面照射から部分積層となってローリングシャッターの歪みが軽減され、動画性能もオープンゲート撮影を6k60pで行うことができます。また、外部SSDに接続すればProRes Rawで撮影が可能となります。32bitフロート音声記録にも対応しています。
AF性能も向上し、人間だけでなく動物も被写体検出できるようになりました。また、モニターも固定からチルト式と使い勝手が良くなっています。その分重量は増えていますが、460gと依然フルサイズカメラとしては最軽量クラスとなっています。
これほどの性能を遂げた分、価格は定価で約35万円と大幅に上昇しており、また手振れ補正は無くグリップもほぼないため、使い勝手はかなり特殊です。また、依然としてメカシャッターを搭載していないため、部分積層センサーになったとはいえ動体撮影の場合歪みが目立つ可能性があります。
オプションでEVFがありますが単品で132,000円と高額で、横図付けするためカメラサイズが犠牲になり、重量も110g増加するため小型軽量と両立できない所があります。
S9との比較
同じLマウントのカメラで画素機もほぼ一緒、ファインダーが無いなど形状も似ており一番の競合機です。こちらは手振れ補正を搭載しており、レンズを選ばず撮影することができます。また、連写速度が30コマ/秒に加えてプリ連写も可能と動体撮影に向いた性能をして、被写体も動物だけでなく車やバイクも可能となっています。ただ、メカシャッターを同じく搭載しておらず、センサーも積層ではないため歪みが生じる可能性が高くなっています。
モニターはバリアングルでどちらかというと動画撮影に向いています。6k30pのオープンゲート撮影ができますが、RAW撮影は外部記録でもできません。重量は少し重いですが、486gとあまり変わりません。価格差が大きく、約15万円という数字はかなり大きいでしょう。
手軽に写真や動画を撮影したいならS9でも十分なため、FP2のセンサーや拡張性などが必要なければ価格差を考慮するとお手頃なカメラと言えるでしょう。
Z5ⅡCとの比較
10月に発売したばかりのZ5ⅡCは画素数が一緒ですが、手振れ補正があり被写体検出も種類が多く、プリ連写可能などの性能に優れています。動画は4k60pまでですが、内部RAW収録も可能です。
反面重量は620gと160g重くサイズも一回り大きいため、小型軽量を求めるのであればFP2の方が魅力的です。ただ価格が10万円以上安いので、部分積層センサーやファインダー等の拡張性を考慮しなければZ5ⅡCはコスパに優れたカメラとして優秀です。
EOS R8 Mark IIとの比較
10月に発売するキャノンのR8Ⅱは、形状こそファインダー部があり大きい物の、重量は546gとフルサイズカメラとしては軽量な部類に入ります。画素数は同じですが手振れ補正があり被写体検出が多い、プリ連写など静止画の性能に優れています。
動画性能はlog撮影ができるものの4k60pまでとなっており、FP2のようなオープンゲート撮影もできません。また、バッテリーが小型で長時間撮影するには予備バッテリーやモバイルバッテリーが必要になってきます。
価格差は約7万円で、部分積層センサーの歪みの少なさや強力な動画性能が必要ないなら、ファインダーを備えたR8Ⅱの方がコスパに優れています。
α7CⅡとの比較
画素数が3300万と多くクロップに多少耐えることができます。手振れ補正や被写体検出の多さなどは勝っていますが、連写速度は10コマ/秒と劣っています。ただ、小型のファインダーを備えているため、明るい場所での撮影はこちらの方が向いています。動画性能は4k60pまでとなっており、部分積層センサーを備えたFP2の方が優秀です。
重量は514gなため50gほどの差はありますが、ファインダー込みだとかなり軽い部類です。価格差は定価だと4万円くらいですが、3年前のカメラで安くなっており約22万円で入手できるので、高度な連写性能や動画性能を求めていなければ十分選択肢に入るカメラです。
最小ながら個性豊かなフルサイズカメラ
最小カメラというコンセプトは初代から引き継ぎながらも、ソフト面は大幅に向上したカメラです。部分積層センサーにより歪みが少なくなって動画撮影も豊富な設定ができます。
ただ、その分価格も上昇しており、手振れ補正やファインダー、グリップが無いなど癖のあるカメラです。ファインダーなどのアクセサリーがあり、拡張性は高いため、そういった部分に惹かれる人にはおすすめのカメラです。
