屋久島の宮之浦岳を2泊3日で縦走する【百名山五座目】

登山
登山百名山

百名山の最南端といえば、屋久島にある宮之浦岳です。離島であり、宮之浦岳は山の奥に位置しているため、日帰りで行くことは距離などの問題で難しく、せわしない。であるならば、2泊3日の行程で屋久島を堪能するため登ってきました。

・スタート地点は白谷雲水峡、ゴール地点はヤクスギランド
・宿泊地は高塚小屋でテント泊、石塚小屋で小屋泊
・登山口までの移動はすべてバス

2022年4月に行ってきた写真と登山データを掲載しています。
最新の登山道情報は自治体等でご確認ください。

ルート基本情報

行程

1日目 11.2㎞ 6時間17分 上り1,611m 下り895m

白谷雲水峡【出発地】~辻峠~大王杉~高塚小屋【宿泊地】

2日目 9.7㎞ 7時間1分 上り1,051m 下り780m

高塚小屋【出発地】~宮之浦岳~花之江河~石塚小屋【宿泊地】

3日目 7.7km 4時間42分 登り484m 下り1,066m

石塚小屋【出発地】~大和杉~ヤクスギランド【到着地】

ルート地図及び情報

屋久島の山々を縦走してテント泊、小屋泊【百名山五座目】 / bataoさんの宮之浦岳栗生岳小高塚岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ルート詳細情報

1日目

白谷雲水峡

白谷雲水峡の駐車場は50台で、トイレが近くに設置されています。アクセス方法はバスがありますので、宮之浦港から利用します。

白谷雲水峡入り口です。受付には職員がおり、白谷雲水峡や協力金の支払いについて説明されます。協力金は白谷雲水峡に入るだけであれば1人500円、登山する場合は日帰り1,000円、宿泊2,000円となっており、登山の協力金は観光案内所などで支払うことになります。

まずは白谷川沿いを歩いていきます。石畳や手すりなどで道が整備されており、橋もかけられています。

弥生杉のコースがありますが、今回は時間の関係で寄らずに進みます。

しばらく進むと分岐があり、距離が短い楠川歩道コースか名のある屋久杉を見て回るが距離が長い奉行杉コースに分かれます。色んな杉を見たいということで今回は奉行杉コースを歩んでいきます。

ここからの道は登山道のようにきれいに整備はされていません。苔の石などで道が形成されています。

初めての名のある屋久杉として二代大杉が出迎えてくれます。二代ということなので、倒木を苗床にして新たな木が成長しています。根の太さや受講に圧倒されます。

その後も名のある屋久杉があり、根っこが3本足で立っているように見える三本足杉

親子が肩車しているような様からびびんこ杉(びびんことは鹿児島弁で肩車のこと)

三本の槍に見える三本槍杉や奉行がここで休憩したという言い伝えがある奉行杉があります。

小川沿いなどを歩くこともあります。

屋久杉のまたをくぐることができる二代くぐり杉を抜けると休憩スペースが設置されています。

休憩スペースのすぐ先には楠川コースとの合流地点があり、ここからは一本道となります。

辻峠

一本道になった後はくぐり杉を抜けます。

少し歩くとすぐにベンチなどがある休憩場所が見えてきます。近くには白谷山荘がありトイレが設置されています。

少し歩けば苔むす森に入ります。名前のとおり苔に覆われた森ですが、奉行杉コースと似たように感じました。

武家杉・公家杉かみなりおんじなど名のある杉を通過していきます。

広くてベンチが設置されている場所に到着します。ここが辻峠になります。

ここから太鼓岩に寄り道することができますので、ザックなどをデポしてささっと登っていきます。登りと下りでルートが分かれており、そこそこ斜度のある森の中を進みます。

太鼓岩の上に立つことができ、開けた場所ですので、絶好の撮影ポイントで、天気がよければ宮之浦岳などを望むことができます。人気がある分撮影待ちで何人かいたため、さっと撮って辻峠に下っていきます。

下りでも女神杉というなのある杉があります。

辻峠に戻り、楠川分かれを目指し下っていると、辻の岩屋という登山道に覆いかぶさった岩場があります。先ほどの太鼓岩もそうですが、もののけ姫のモデルとなった場所です

注意書きでこれ以降は白谷雲水峡の歩道ではなく、引き返す胸の看板。

そのまま森の中を下っていくと楠川分かれに到着します。ここからは有名なトロッコ道を歩いていきます。

大王杉

トロッコ道は場合によって川を渡る橋になっている場所もあります。

進んでいくとトイレと水場がある休憩場所に到着します。小屋が2つありますが、両方ともトイレになっており、別々の企業から寄贈されたものになっています。(阪急交通社と小林製薬)

少し先には三代杉があります。

登山道では崩壊注意と書かれた苔の壁や人が入れそうな穴などがあります。

展望場所もあったりするのですが、天気がいまいちでなかなかすっきり見えません。

仁王杉など、名のある杉も見受けられます。

線路が分かれていますが行き止まり。すれ違うためのものでしょうか。

そうこうしているうちにトロッコ道の終点です。川の向こうにはトイレが設置されています。

この先からは本格的な登山道となる大株歩道です。木の階段が要所要所で設置されています。

登っていくとウィルソン株という切り株があり、中に入ると祠が祀られています。

中から上を見上げるとハートの形をしていることで有名です。

ここから先は木道が多くなり、地味に足に負担がかかります。

高度を上げていくと大王杉に到着します。木道で道が作られていますが、根っこを守るため下の道は立入禁止となっています。

横から見ると大王杉の大きさに圧倒されます。

高塚小屋

この後は世界遺産エリアにはいったり、夫婦杉があったりします。

そして最も有名な屋久杉である縄文杉にたどり着きます。

残念ながら今は近くまで寄ることができなくなっており、展望デッキから眺めるだけとなります。

縄文杉までくれば、高塚小屋はすぐそこになります。奥にはトイレが設置されています。

ここでは小屋泊ではなく、テント泊を選択し、一夜を明かします。スペース的にはあと2,3張が限度でしょう。

2日目

宮之浦岳

早朝、宮之浦岳を目指し登っていきます。

新高塚小屋には先に水場へ到着します。

こちらにもトイレがあり、テントを張るスペースが広く感じます。

さらに登っていくと第1展望台があり、天気が良い時は宮之浦岳を見ることができます。

少し奥へ進むと、今度は第2展望台に到着です。こちらからも宮之浦岳を眺めることができます。

標高を上げていくと、開けた場所が多くあり、周囲の山や大きな岩が見えるようになります。

ただ、林の中の狭い登山道を進んでいくこともあります。

この丸石は平石岩屋です。ここまでくれば宮之浦岳はもうひと踏ん張りの距離になります。

振り返ってみると大きな岩がゴロゴロと。

平石を過ぎていくと永田岳との分岐です。今回は永田岳によらず宮之浦岳を縦走していきます。

あとは山頂までの登りのみ。最後の最後でルートを間違え藪の中を突っ切っていきことになってしまいました。

百名山最南端の宮之浦岳に到達です。

山頂からは今まで歩んできた道や永田岳、

海の向こうには種子島がうっすらとみえ、

次に向かう花之江河方面が見える絶景です。離島の奥深い所に位置しているため、電柱や家などの人工物は全く見えません。

花之江河

宮之浦岳から花之江河へは稜線を歩いていくことになり、変わった岩があちこちにあります。

山頂も行く先々であり、まずは栗生岳に到着です。

道中には携帯トイレブースや水場があります。

昭和31年3月の遭難碑がポツンとあり、南の島といっても気象条件によっては危険になることを考えさせられます。

稜線とはいっても木の中の細い道や、時にはロープが設置してあるところを通過します。

丸い大きな石、投石岩屋です。

投石岩屋を過ぎると投石平という広場があります。正面には黒味岳がドンと構えています。

黒味岳に登ることができるのですが、体力的な面から通り過ぎていくことにします。

分岐からすぐに湿原の花之江河に到着します。

ヤクジカと遭遇しましたが、人なれしているのか逃げる様子もなく食事を続けていました。

花之江河は複数ルートの分岐点であり、標識を確認して進む必要があります。休憩してここから石塚小屋へ向かいます。

石塚小屋

石塚小屋への道は細い道やはしごが設置されています。ピンクテープもありますが、そこまで不明瞭な道はありません。

小屋まであと5分の所には水が流れており、水場となっています。

5分ほど歩くと石塚小屋に到着です。中は2段ベットになっており、建物裏側にはトイレがあります。この日は計3名が小屋を利用しました。

3日目

大和杉

早朝スタートです。小雨が降っていますが、ヤクスギランドから来られた方が石塚小屋に泊まられていたので、注意箇所などは教えてもらいましたが、ぼーっと歩いていたら枯れ沢をくだってしまい、ルートロスしてしまいました。道を引き返してなんとかルートに復帰できました。

大きな岩が出現します。見晴らし台と呼ばれておりますが、残念ながら真っ白でした。

ピンクテープが張ってありますが、場所によっては踏み跡が分かりにくく、迷う場面があります。ビャクシン沢の手前あたりは特に注意が必要です。

ビャクシン沢は増水時危険ですが、小雨で前日の様子もほかの登山者に聞いていた通り、渡ることは支障ありません。

この後アップダウンが続き、大和杉への案内看板が出てきますので、降りていくと屋久島第2の巨木、大和杉にたどり着きます。縄文杉と違い、木のそばまで寄ることができます。

近くにはヒメシャラがなまめかしい色合いになっています。

ヤクスギランド

あとはヤクスギランドまで森の中を歩いていきます。徐々に苔の世界が侵食してきます。

ヤクスギランドに到着です。ここからバス停まで地味に距離があります。

苔の橋を通過したり、狭い隙間をくぐったり

さすがに観光地になっているだけあって道は整備されています。

そして舗道にでてゴール地点の森泉に到着です。ここからバスで町まで下山します。

この登山を振り返って

世界遺産に登録されており、観光地として有名な屋久島ですが、なかなか行く機会と踏ん切りがつかない場所だと思います。だけど、思い切っていってみると新しい世界に出会えるはずです。苔の世界と屋久杉の生命力は、今まで見た自然とは違った世界観を創造しており、宮之浦岳まではいかずとも、白谷雲水峡やヤクスギランドへ行くことを是非お勧めします。

人が少ない時期であろう4月に行きましたが、今度は雪が積もった冬に行きたいものです。屋久島は南の島にもかかわらず、冬には積雪があり、標高によって植生植物も違う特殊な生態です。冬の南の島を堪能したいと考えています。

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