細長い薪ストーブは持っていますが、住宅の薪ストーブのような大きなガラス窓のある薪ストーブは持っていませんでした。
そこで値段が安く、ストーブが組み立て式のsolotourから発売されている薪ストーブを購入したのでレビューしていきます。
スペック
製品名 | solotour |
付属品 | ストーブ本体、煙突、 煙突接続具、 収納袋、ロストル、灰受け皿、 スパークアレスター、手袋 |
重さ | 10.3㎏(内煙突1.17kg) |
収納サイズ | L40.0 x W21.0 x H28.0 cm |
組立サイズ | L38.0 x W25.0 x H38.0 cm |
煙突直径 | 6㎝(最小4.7㎝) |
煙突長さ | 250㎝ |
ガラス | 1面 |
材質 | ステンレス |
価格 | 20,998円(2023/12時点) |
ステンレス製なので、重量は10㎏を超え、持ち運ぶには苦労する重さです。組立式なので、収納サイズは多少抑えられています。
また、特徴として煙突が2つあり、接続具を使うことによって連結することが可能となっています。その煙突も収納サイズを抑えるため、煙突の口径が違い、重ねて収納できます。ガラス窓は1面ですが、
付属品
梱包材で大事に包まれて届きました。
製品内容や組み立て方が載っている説明書もついてきます。
内容はストーブ本体、煙突、手袋、ネジです。
上の写真はストーブの一部ですが、ご覧の通りバリがかなり残っています。組み立てるときには手袋をするか、バリ取りをした方が安全です。
ストーブ本体
組み立て
ストーブを組み立てていきます。まずは土台部分の脚を開きます。
土台を上から見るとこんな感じ。灰受け皿が中にありますが、全体をカバーしているわけではないのが分かります。
灰受け皿には空気調節機能があり、スライド式になっています。
取っ手のネジを締めすぎるとスライドしなくなります。この辺りはストレスを感じるところ。
次にサイドパネルを入れます。赤矢印の所に出っ張りを入れるようにします。
出っ張りを下に入れて立たせる仕組みです。上の写真は入っていないので、サイドパネルが不安定な状態になっています。
まずは土台にサイドパネルを横に置く形になります。上の赤矢印が出っ張りを入れる箇所です。
そのあとサイドパネルを立てます。次はガラス窓と背面のパネルを取り付けます。サイドパネルにある隙間に入れるようにします。
こんな感じで。
ロストルはサイドパネルの取り付けが終わってから天板をかぶせるまでに中に入れます。
あとは天板をかぶせてロックをかけます。
煙突ダンパーを最後に取り付けます。ネジ穴は4か所。
付属しているネジは6個。2個はおそらく呼びでしょう。面倒なのが六角レンチで取り付けなければならない所。キャンプでこういった工具が必須なのは、荷物を極力減らしたい派のでマイナスポイント。あとレンチがダンパーと接触するので締めづらいです。
窓ガラスは1面だけど大きいサイズで薪が燃える姿をじっくり見れます。
開閉のロックはシンプルな形状。このリングはそこまで開閉に役立っている感じがないです。
煙突
煙突は2セットにスパークアレスター、ジョイントが1つあります。
煙突の中に煙突が入っていて、マトリョーシカのように収納されています。収納性は良いのですが、その代わり口径が徐々に小さくなっていきます。
組み立てるときは一旦煙突をすべて出して、再度組み立てていきます。
2セットある煙突はジョイントで接続し、延長できます。最長250㎝となります。
スパークアレスターは最小口径の煙突にしか接続できないのでご注意。
その他付属品
ネジやレンチと一緒の袋に入っている手袋。特に防刃などではなく、色が奇抜な安い軍手。というか柔らかく感じるので、新品の軍手の方がいいかも。バリもあるのでより安全性を重視するならば防刃手袋がおすすめです。
pomolyの薪ストーブを購入すると付属する手袋。CUT LEEVEL(防刃)性能がタグで証明されています。
収納
袋に入れるとこんな感じに。ストーブは縦に入れます。組立式で煙突も収納性が良いので、同じ大きさのものに比べれば小さく収納出来てると思います。
ファスナーはSBS。YKK信者としては正直残念ですが、SBSはちゃんとしたファスナーのメーカーなので、ノーブランドに比べれば信頼できます。
最初は横に入れるのかと思ったのですが、収納袋とストーブを並べてみると、入る余地がないことが分かりました。
良い所
・類似製品と比べてとにかく安い
・スパークアレスターが付属している
・大きなガラス窓
・収納時は多少コンパクトになる
・カスタマーサービスが良い(普通?)
この薪ストーブはなんといっても価格の安さが最大の特徴です。2万円前後の薪ストーブはあまりなく、ましてやこのガラス窓が大きいタイプは数自体が少ないです。また、組み立て式のストーブに、煙突はマトリョーシカタイプなので、収納性も他より優れています。
あと、実は灰受け皿にある空気調節機能の取っ手が購入時には付いていませんでした。連絡したところ、最初は左の取っ手が。しかし、そのままだと取り付けられないことが分かり、後日再度送ってもらったのが右側の取っ手です。取っ手の後ろにあるネジが付いていました。
対応が早く丁寧だったので、一応良い所に記載しておくのですが、そもそもが不完全品だったわけで。しかも最初は不完全な部品が送られて来ていますので、気になる所でもあります。
気になる所
・全体的につくりが雑
・バリがひどい
・煙突のジョイント部分が不安定
・煙突の長さを細かく変えられない
・ダンパーの接続に工具が必要
・煙突の肉厚が薄い
・ダンパーに煙突を嵌めづらい&外しづらい
やっぱり値段相応のところはある訳で。細かい所を見ていくとどうしても気になる所が募っていきます。
特に気になる所は煙突に関する所。まず煙突と煙突を繋ぐジョイントは結構遊びがあります。
隙間があるということはこのようにジョイント部分が大変不安定になり、全体で見ると傾くことがあります。実際は煙突穴を通し、スパークアレスターからガイラインで安定させますが、そもそも不安定になること自体を本当は解消したいところです。
また、スパークアレスターの接続口径が最小の47㎜なので、煙突の長さを細かく調整することは不可能です。つまり煙突1セット125㎝か、2セット250㎝の2通りしかありません。これだけ不安定な煙突なので、テントによって不要な長さの煙突は省きたいのですがそれができません。
あと見ての通り口径の一部がすでに歪んでいます。煙突の強度はあまりないので大事に扱いましょう。
このダンパーに煙突を接続するのもスムーズにいきませんでした。さらに試しで薪ストーブに火を入れた後、外そうとしてもなかなか外れなかったのです。念のため防錆潤滑油を持って行ってもいいかも。
煙突を巻き煙突に変えてみました。口径60㎜でギリギリです。
不完全燃焼や煙突から煙が漏れないか心配でしたが、巻き煙突でも問題なく機能しています。
あとはやっぱり六角レンチが必須なのが気になる。しかも回しづらいというストレス付き。
類似製品
大きなガラス窓1枚タイプの薪ストーブは少なく、さらに折り畳み式はほとんどありません。
数少ない折り畳み式です。ただ、価格は約20万、オプションを付けるとさらに高くなります。
同じくpomolyから発売されているもので、価格は10万円を下回ります。ただ、折り畳み式ではなく、重量も約15kgあります。ただ、他のpomoly製を持っているので、価格に相応しい品質はあると思います。
soomloomから発売されている薪ストーブで、折り畳むことはできませんが、チタン製で小さなサイズなので、重量は約4kgと非常に軽量です。ただ想像以上にストーブが小さく煙突も短いので、使用するテントに合ってるか事前に確認したほうがよさそうです。
ホンマ製作所からも薪ストーブが発売されています。ストーブが折り畳み式ですが、重量は付属品込みで16.9㎏。オートキャンプなどには良さそうです。
宮城県にあるLandFieldの薪ストーブ。こちらも重量約19㎏と持ち運んでの移動はできませんが、天板の蓋を外して直火料理ができるなど、より機能面に優れています。
追記:実際に使ってみたところ…
残念ながら全体的に歪みがひどく、使えはするのですが、使用に危険が伴うことなどから、返品しました。以下は歪みが酷かった箇所です。
まずは煙突。軽くするために耐久性のない品質なので簡単に歪んでしまいました。組み立てることはできるのですが、時間を要します。
分かりにくいのですがベースプレートです。隅には本来隙間がなかったのに、使用後は隙間が誕生していました。
隙間が徐々に大きくなってくると、最悪ストーブ本体が崩壊する可能性があります。
ロストルは無残な姿に。中央は大きく凹み脚はとれてしまいました。
ガラス窓のプレートも歪んでいます。この状態がデフォルト、要はストッパーを閉めないときちんと閉まらなくなりました。
そしてそのストッパーも歪みによる影響か、この状態から下へ下げにくくなっています。かなり力が必要で、使用時にやろうとするとストーブ本体と触れてやけどする危険性があります。
天板も歪みました。画像だとわかりにくいのですが、左は凹み、右は膨らんでいます。これに関してはまだ致命傷ではないですが、ゆくゆくはダンパーを取り付けられなくなるでしょう。
まとめ
類似製品からも分かるように圧倒的なほどの低価格です。ただ、安いにはそれなりの理由があり、全体的なつくりの雑さが気になりました。大きさは市販の薪約35㎝がギリギリ入るくらいなので、ソロ用としては十分。というか小さいテントだと暑いでしょう。
それでも薪ストーブとしての機能は十分果たせます。どうしても気になるのは煙突周りで、不完全燃焼とかが起きそうなことが不安の種です。
追記:自分が購入したものは今後使用に値しないと思い返品しています。もしかしたらハズレを引いただけかもしれないのですが、実際に起こったことを書き起こしています。
やはり安いだけあって耐久性には難があります。他に持っているWINNERWELLやPOMOLYは何十回も使用していて、歪みは見受けられますが、使用困難なほどではありません。値段が高いので確かな耐久性と快適性がそこにはありました。安かろう悪かろうなので、自分が今後どれくらい薪ストーブを使用するかで購入する商品を選べばいいでしょう。
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