販売終了となった今でも高い人気があるX-E4。待望の継機種X-E5がついに2025年8月に発売されます。X-E4はコンデジのように気軽に持ち運びできるエントリークラスのカメラでしたが、X-E5は機能が大幅に向上しています。その分価格も上昇していて、富士フイルム内のカメラと比べてどのような立ち位置にいるのか、X-T50やX100Ⅵなどと比較してみます。
スペック比較表
項目 | X-E5 | X-E4 | X-T50 | X100VI | X-T5 | X-M5 |
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発売日 | 2025年8月 | 2021年2月25日 | 2024年6月28日 | 2024年3月28日 | 2022年11月25日 | 2024年11月28日 |
定価 | 246,400円 | 108,900円 | 264,000円 | 281,600円 | 298,100円 | 136,400円 |
有効画素 | 40 MP X-Trans 5 HR | 26 MP X-Trans 4 | 40 MP X-Trans 5 HR | 40 MP X-Trans 5 HR | 40 MP X-Trans 5 HR | 26 MP X-Trans 4 |
画像処理 | X-Processor 5 | X-Processor 4 | X-Processor 5 | X-Processor 5 | X-Processor 5 | X-Processor 5 |
手振れ補正 | 7 段 | 非搭載 | 7 段 | 6 段 | 7 段 | 非搭載 |
連写 | メカ8 fps/電子20 fps | メカ8 fps/電子20 fps | メカ8 fps/電子20 fps | メカ11 fps/電子20 fps | メカ15 fps/電子20 fps | メカ8 fps/電子20 fps |
モニター可動方式 | チルト | チルト | チルト | チルト | 3方向チルト | バリアングル |
液晶モニター解像度 | 約104万ドット | 約162万ドット | 約184万ドット | 約162万ドット | 約184万ドット | 約104万ドット |
ファインダー(EVF)解像度 | 約269万ドット | 約236万ドット | 約269万ドット | 約369万ドット | 約369万ドット | なし |
バッテリーライフ (CIPA) | NP-W126S/約310枚 | NP-W126S/約460枚 | NP-W126S/約305枚 | NP-W126S/約320枚 | NP-W235/約580枚 | NP-W126S/約330枚 |
防塵防滴 | なし | なし | なし | あり(要追加option) | あり | なし |
カードスロット | 1枚(UHS-II) | 1枚(UHS-I) | 1枚(UHS-II) | 1枚(UHS-I) | 2枚(UHS-II) | 1枚(UHS-I) |
最高動画 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 4K/30 p 4:2:0 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 |
質量(電池込) | 445g | 365 g | 438 g | 521 g | 557g | 355 g |
実勢価格* | キットレンズ281,600円 | 約130,000円 | 約190,000円 | 約250,000円 | 約235,000円 | 約130,000円 |
※実勢価格は2025年6月時点の価格.com最安値
スペックだけで見ますとX-T50とほぼ同じ性能です。ただ、この表に載っていない機能として、フィルムシミュレーションダイヤルやGFX100RFで導入したサラウンドビュー機能を搭載して差別化しています。また、EVFの表示にクラシックモードが加わっています。機能性よりもデザイン重視のカメラです。
X-E4との比較ー高機能・高価格化で別物に
- 旧型のX-E4とは画素数からハードまでがらりと変わり、26MPから40MPの高画素化に伴う手振れ補正の追加や画像処理エンジンが次世代に
- 動画性能は6.2kの10bit対応となっているので、より高品質な動画撮影が可能
- ハード部分はモニターが3軸チルトで縦撮影しやすくなり、グリップも大きくなったことで握りやすいカメラに
- フィルムシミュレーションのダイヤル追加で手軽に楽しめる
- 高機能の追加に伴い価格が2倍以上に上昇し、グリップの大型化もあり重量が80g増加
- モニターの解像度が何故か下がる
- バッテリーは変わらず心もとない
- 高価格化でエントリー向けではなくなり、小型軽量の強みも薄れる
低価格で軽く小さいことから気軽にスナップなど撮影できていたX-E4とは別物になりました。サイズが少し大きくなり、価格も上昇しているため中古しかないX-E4の需要は変わらずありそう。

X-T50との比較ー機能はほぼ同じだけどデザインは大きく違う
- 軍幹部が無くコンパクト
- フレーミング調整可能なサラウンドビュー機能搭載
- 重量が若干重い
- 液晶モニターの解像度が低い
- 内臓フラッシュ無し
- ファインダーの位置が左上でカメラの中心軸とずれ撮りにくい
ほぼ同性能なためスペックではなくデザインが大きな違いとなります。どちらもクラシックなデザインではあるものの、ファインダーの位置の違いで雰囲気が変わります。また、重量はX-T50の方が軽かったりします。価格は定価だと少し安いですが、T50は現在19万円ほどで手に入るので、スペックだけでしたらT50のほうがお得です。

X100Ⅵとの比較ーレンズを交換できるかどうか
- レンズ交換式で応用が利く
- しっかりとしたグリップ
- フィルムシミュレーション専用のダイヤルがある
- サイズはちょっとだけ小さい
- 手振れ補正が1段強い
- 液晶モニターの解像度が低い
- 価格はレンズ込みだと高く、レンズによって大きく重くなる
- 防塵防滴が無い
形状はほとんど一緒で、ファインダー切替レバーなどX100Ⅵの機能を引き継いでいます。レンズ交換式X100Ⅵと言っても差し支えなく、あとは防塵防滴や内蔵NDフィルター、光学ハイブリットEVFにフィルムシミュレーションダイヤルの違い位でしょうか。
価格でみるとキットレンズと同じでとなっており、X100Ⅵも日英言語版が発売され価格が落ち着いてきていますので、レンズ固定なら十分選択肢に入ります。

X-T5との比較ースペックかデザインか
- 重量が約110g軽い
- サイズが小さい
- フィルムシミュレーションダイヤルがある
- スペック上で勝っている所なし
- 便利な3軸チルトモニター
- 防塵防滴仕様
ハイエンド機であるX-T5にはスペック上で勝っている所はないですが、その分小型軽量となっており、あとはデザイン次第でしょう。価格はX-T5の方が定価は高いですが、2年半前に発売されたカメラなため実勢価格ではお買い得なカメラとなっています。

X-M5との比較ー小型のエントリー機

- 高画素で手振れ補正など全体的なスペックは上
- ファインダーがある
- チルトのモニター
- グリップが大きく掴みやすい
- 重量90gの増加とサイズの大型化
- モニター解像度が変わらない
- バリアングルモニターと4000万画素で動画には不向き
- 大きい価格差
エントリークラスとして登場したX-M5にはスペック的に勝っていますが、サイズや重量、価格差をどう見るか。ある意味E4の代わりのようなカメラですが、ファインダーが無いのが大きな違い。レンズに手振れ補正があればX-M5でも十分な写真が撮れるので、初心者におすすめです。
またM5は動画に強く、指向性を選べる内臓マイクやバリアングルモニター、Vlogダイヤルがあり、E5は4000万画素のため4Kにするとディティールが損なわれたり、4KHQだとクロップやローリングシャッターの歪みが発生します。

X-E5はクラシックなデザインかつ高性能を求める人におすすめ
E5は高画素で手振れ補正やファインダーがありつつ、フィルムシミュレーションを小窓ダイヤルにするなどデザインを重視していることが分かります。グリップもしっかりとした大きさがあるので片手撮影などをする機会の多い人にも使いやすい造りとなっています。軍幹部をアルミ削り出しで加工しているので、質感はかなり高いと思われます。
反面、機能だけでみるとX-T50で価格的にも十分であり、さらなる機能を求めるならX-T5が選択肢に入ってきます。なのでこのカメラはデザインを重視しつつスペックもある程度求める人におすすめなカメラと言えるでしょう。