X-M5のキットレンズについてきたXC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZを使っていましたが、やはりF値が最小3.5と暗く、画としてぼかしにくい、夜景を撮る際にはシャッタースピードを上げられないなどの悩みがありました。
そこで明るく値段が手ごろなレンズを探していたところ、2025年3月末に発売されたViltrox AF 25mm F1.7 Airが目に入り購入。使ってみた感想を書いていきます。
スペック表
項目 | 仕様 |
---|---|
焦点距離 | 25 mm(35 mm 判換算 約 38 mm) |
開放絞り-最小絞り | F1.7 – F16 |
絞り羽根枚数 | 9 枚(円形絞り) |
レンズ構成 | 10 群 12 枚 |
最短撮影距離 | 0.30 m 〜 |
最大撮影倍率 | 0.11倍 |
フィルター径 | Ø52 mm |
外形寸法 | Ø64 × 56.4 mm |
手振れ補正 | 無し |
質量 | 約 170 g |
発売日 | 2025 年 3 月 28 日 |
参考価格 | 29,700円 |
この明るさ、焦点距離でこの重量はかなり軽量なクラスで、X-M5は基本スナップ用なため小型軽量という点が大きなポイントでした。手振れ補正がないのが痛いですが、そこは小型軽量とトレード。
商品確認

まずは開封していきます。

中は説明書などにレンズ。緩衝材がきっちり詰まっています。

内容物はレンズとレンズを入れる袋。

レンズにはフロント・リアキャップ、レンズフードが付属。キットレンズは沈胴式なためフードが無かったのでちょっと新鮮。
レンズの仕様確認

レンズフードは花形。

左の縦線から右の丸印にフードを回します。最後まで回してもロックはかかりません。

52㎜径ですが、レンズ自体はかなり小さく感じます。そしてかなり奥まっている。

フォーカスリングはちょうど良い重さで回しやすい。

フードとリアキャップ込みで198g。

フードをとると179.5g。公称の約170gはフード抜きの重さですね。

X-M5と合わせた重さは526.5g。キットレンズは500g以下なので、少し重たく感じます。

フードとフロントキャップ込みだと554.5gとかなり重たくなる印象。場面によってフードを外してもいいかもしれません。

フード装着の姿。小型なX-M5と組み合わせてもバランスが崩れていませんね。

フード抜きでもレンズが小さいので、よほど光の強い所でない限りは運用できそうです。


最短距離は30㎝で思った以上に近寄れず、マクロは期待できません。
キットレンズXC15-45mmF3.5-5.6と比較
手持ちのレンズであるXC15-45mmF3.5-5.6と比較していきます。明るい単焦点と手ぶれ補正搭載の標準ズームで違いはどれくらいあるのでしょうか。
カメラ起動の早さですがキットレンズは沈胴構造なので遅いと思いきや、体感ではあまり変わりませんでした。
ボケ

F1.7だと玉ボケが綺麗な丸ではなくレモンのような形をしています。



F値を上げていくことでボケの形は改善されていきます。F2.5まで上げればほぼ丸い形になります。

キットレンズとF値がどれほど違うか比べてみます。まずはViltrox25㎜ F1.7の画像です。これが最短距離でもあります。流石のF1.7という数値でしょうか、ボケボケです。

こちらはキットレンズXC15-45mmF3.5-5.6の15㎜F3.6の画像。最短距離13㎝で撮影しているので画角がかなり違います。近寄れる分他の部分はボケていますね。

Viltroxと同じ25㎜で撮影してみました。F4.4なので全く違いますね。他の提灯の輪郭が分かります。

続いて45㎜F5.6の最短距離35㎝で撮影しています。F値は大きい分、焦点距離が長いのでこちらもボケています。
ボケに関しては撮り方次第というところでしょうか。これは正直好みの部分が大きそうです。
AF

低価格のレンズですがAFは十分な速度があります。流石にコントラストの低い所や暗所はかなり迷いますが、それはキットレンズも同じ。性能はほぼ同じくらいです。
ただ、Viltroxは駆動音が大きくギコギコという音がします。同じ距離をAFする場合は無音ですが、別の距離を撮影しようとすると途端にうるさくなります。
サイズ感

Viltroxは長さ56㎜の重量170gに対して、キットレンズは44㎜の重量135g。あまり変わらないと思いきや、軽いカメラを使っているためか案外35gの重さを実感します。フードを含めるとさらに20gほど差が出てくるため、この点はキットレンズに分があります。
手振れ補正の有無

このレンズは手振れ補正が無く、X-M5にもありません。つまりシャッタースピードを下げるとぶれやすくなるのです。色んなスピードで撮ってみましたが、片手撮りだと1/50は欲しいという感じでした。それより下げるとぶれる確率が高く、あまり実践的ではありません。
キットレンズXC15-45mmF3.5-5.6の場合、3段の手振れ補正が付いていることもあり、広角15㎜なら1/15くらいまで遅くできます。望遠45㎜なら1/25くらいあれば比較的安定しました。
夜景を撮るときどっちがいい?

Viltroxとキットレンズどちらが夜景を撮るのに向いているか、F値の低さと手振れ補正の有無ですが、キットレンズの広角だけ使用する場合、ViltroxとISOが同じなら手振れ具合はほぼ変わりませんでした。望遠にするほどF値が上がり焦点距離が延びるので、夜景の撮影が難しくなります。

ボケの表現を多用したいならViltrox、15-45㎜のズーム域で様々な焦点距離を楽しみたいならキットレンズといったところでしょうか。手振れ補正の有無は思ったより大きいと感じました。
明るさを求めた最初のレンズにおすすめ

新品ながらかなり安いレンズですが、値段相応の実力は発揮してくれています。手振れ補正がない所が難点ですが、付けてしまうと重量やサイズとトレードオフなので仕方ない所かと。お手軽に写真の表現の幅を変えてくれるので、初心者の方にはおすすめです。
かなり古いですが純正レンズでも明るくお手頃なレンズはあるので、自分のスタイルに合ったレンズをチョイスしましょう。
