CP+2024で発表されたFE 24-50mm F2.8 Gが2月29日に予約開始されましたが、発売日は5月17日とまだまだ先の2か月半後です。この優れたズームレンズは広角から標準域までカバーし、使い勝手がよく、競合が多そうです。
先行レビューが写真家等から動画でも記事でも出ているので、単純なスペックだけで競合しそうなレンズと比較してみました。実際に使ってみたボケ感とか解像度とかは先行レビューを見るべし。
SEL2450Gの仕様
型名 | SEL2450G |
---|---|
定価(円) | 180,400 |
実売価格(円) | 162,360 |
焦点距離 | 24-50 |
開放絞り | 2.8 |
最小絞り | 22 |
絞り羽(枚) | 11 |
最短撮影距離(m) | 0.19(W)-0.30(T) (AF) 0.18(W)-0.29(T) (MF) |
最大撮影倍率 | 0.30 (AF) 0.33 (MF) |
フィルター径(㎜) | 67 |
絞りリング | 〇 |
フォーカスモードスイッチ | 〇 |
フォーカスホールドボタン | 〇 |
手振れ補正 | 無し |
寸法(㎜) | 74.8*92.3 |
重量(g) | 440 |
SEL2450Gの仕様を改めてチェックすると、SonyのGレンズなので価格は10万円代後半。その分性能は優れており、F2.8通しで明るいズームレンズとなっています。また、スペック表には載っていないですが、純正レンズの強みとしてα9Ⅲの高速連射(120コマ/秒)に対応していて、アクティブ補正やブリージング補正機能にも対応しています。フォーカススイッチはもちろん絞りリングもついており、重量は500g未満、寸法も100㎜以内に収められています。これらの特徴を持つレンズと比較してみましょう。
他のレンズとの比較表
メーカー | Sony | TAMRON | SIGMA | Sony | Sony | Sony |
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型名 | SEL2450G | Model A062 | 28-70mm F2.8 | SEL2070G | SEL2470Z | SEL2470GM2 |
発売日 | 2024.05.17 | 2022.10.27 | 2021.03.12 | 2023.02.10 | 2014.01.24 | 2022.06.10 |
定価(円) | 180,400 | 118,800 | 99,000 | 184,800 | 119,900 | 308,000 |
最安価格(円) | 162,360 | 77,972 | 88,176 | 148,154 | 102,839 | 257,122 |
焦点距離 | 24-50 | 20-40 | 28-70 | 20-70 | 24-70 | 24-70 |
開放絞り | 2.8 | 2.8 | 2.8 | 4 | 4 | 2.8 |
最小絞り | 22 | 22 | 22 | 22 | 22 | 22 |
絞り羽(枚) | 11 | 9 | 9 | 9 | 7 | 11 |
最短撮影距離(m) | 0.19(W)-0.30(T) (AF) 0.18(W)-0.29(T) (MF) | 0.17(W)-0.29(T) | 0.19(W)-0.38(T) | 0.3(W)-0.25(T) | 0.4 | 0.21(W)-0.3(T) |
最大撮影倍率 | 0.30 (AF) 0.33 (MF) | 0.26 | 0.30 | 0.39 | 0.2 | 0.32 |
フィルター径(㎜) | 67 | 67 | 67 | 72 | 67 | 82 |
絞りリング | 〇 | × | × | 〇 | × | 〇 |
フォーカスモードスイッチ | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
フォーカスホールドボタン | 〇 | × | × | 〇 | × | 〇 |
手振れ補正 | 無し | 無し | 無し | 無し | 有り | 無し |
防塵防滴 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
寸法(㎜) | 74.8*92.3 | 74.4*86.5 | 72.2*103.5 | 78.7*99 | 73*94.5 | 87.8*119.9 |
重量(g) | 440 | 365 | 470 | 488 | 426 | 695 |
※他のレンズとの比較表には、2024年3月1日時点の価格ドットコムに基づいた最安値が示されています。
小型軽量かつF2.8の明るいレンズを比較しましたが、中には重たいものもあります。ただ、高倍率や単焦点レンズなどは今回の比較対象外です。
TAMRON 20-40 F2.8との比較
最大のライバルはTAMRONの20-40mm F2.8でしょう。焦点距離はTAMRONの方がより広角をカバーしていますが、Sonyは望遠側をカバーしています。
ただ、Sonyの24㎜という焦点距離はSEL1224GMやSEL1224Gの広角レンズとちょうどカバーしあえる数字です。一方、TAMRONの広角ズームは17-28mmなので、互いに補い合うよりも、独立したレンズとしてのコンセプトが感じられます。
フィルター径は同じ67㎜ですが、寸法・重量ともにTAMRONの方が優れています。特に重量は75gの差があるので、結構大きな所です。ただ、フォーカスモードスイッチなどが無いので、操作性ではSonyが優れています。TAMRONの独自開発した専用ソフトウェアで、パソコンとレンズを直接ケーブルでつなげるので、カスタムスイッチの1つは欲しかったところ。
他には純正カメラとしてアクティブ補正等がSonyレンズにはあります。α9Ⅲの高速連射にも対応していますが、れを活かせるレンズかどうかは別の問題。
価格に関しては大体倍の差があります。また、解像度やボケ感、AFの速さなど、スペックでは比較できない要素があります。
SIGMA 28-70 F2.8との比較
SIGMAの標準ズームである28-70mm F2.8も競合になるかもしれません。しかし、28mmという焦点距離は広角と標準の中間と考えられるため、比較対象とはなりにくいかも。寸法も100㎜を超えてくるので、小型と言われたら即答できない微妙なライン。
他のSonyレンズとの比較
純正レンズとして比較対象となる標準ズームレンズたちです。SEL2070Gなんかは金額も似ていますが、F4の明るさが大きな違い。その分焦点距離は広角から望遠まで広いので、そこまで明るさを求めないならこれも選択肢に入るかと。
おまけで載せておいたSEL2470ZはF4通しでSEL2070Gよりも小さく軽くなっています。ただ、10年前のレンズなので数字に見えない性能が気になります。
SEL2470GM2はSonyのハイエンド標準ズームレンズで価格も高いです。82㎜の大口径でサイズも重さも競合として比較はされないでしょう。むしろ高価なレンズを購入できるほどの余裕があるなら、このレンズも買っちゃおうみたいな考えもあるかも。
SEL2450Gの使い道
競合するレンズと比較してきましたが、汎用性の高い標準ズームレンズというわけではなく、焦点距離からしてもニッチな需要をターゲットとしています。その使い道についてはいくつか考えられます。
- 旅行や日常の撮影:コンパクトで軽量な設計なので、旅行や日常の撮影に最適。また、広角から標準までの焦点距離をカバーできるため、風景、ポートレート、ストリート写真など幅広いシーンで活用できる。
- ビデオ撮影:F2.8の大口径で被写界深度を浅くできるため、美しいボケを生かしたビデオ撮影に適している。
- イベントやパーティー撮影:F2.8の明るさで暗い場所でも高画質。
と言ったところでしょうか。F2.8のSonyGレンズなので仕事で使うこともできると思いますが、それならハイエンドで汎用性の高い焦点距離を持つ標準ズームのSEL2470GM2を買う人が多いでしょう。
まとめ
フルサイズのレンズで旅行やスナップ写真を撮りやすい小型軽量のレンズが欲しいなあというところに登場したレンズ。Gレンズなので性能は確かですが、やはりネックなのは価格。類似した性能を持つTAMRON 20-40 F2.8は半分くらいの価格なんですよね。しかもさらに小型軽量。純正レンズの強みは間違いなくあるのですが、それを補うほどの性能に納得できるかどうかだと思います。
また、現時点では予約販売のため、どこの通販サイトも定価の10%で販売していますが、Sonyの公式サイトで購入したほうがより広範囲な保証を受けられ、さらに安く購入できます。公式サイトで安く手に入れる方法は検索すれば出てきますが、クーポンと特定の支払い方法で約20%割引になります。購入を考えている方は公式サイトでの予約がおすすめです。