nikon純正の大三元標準ズームレンズが新しく登場しました。クラス最軽量でインナーズームなど最新のレンズらしい設計ですが、既存の標準レンズとスペックでどれほど違うのか比較していきます。
スペック比較表
レンズ | Nikon Z 24-70mm f/2.8 S II | Nikon Z 24-70mm f/2.8 S(I型) | Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2 | NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 | Sony FE 24-70mm F2.8 GM II |
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発売日 | 2025年9月26日 | 2019年4月19日 | 2024年4月18日 | 2022年 1月28日 | 2022年6月10日 |
焦点距離 | 24–70mm | 24–70mm | 28–75mm | 28–75mm | 24–70mm |
開放F値 | f/2.8 | f/2.8 | f/2.8 | f/2.8 | f/2.8 |
マウント | Nikon Z | Nikon Z | Nikon Z | Nikon Z | Sony E |
フィルター径 | 77mm | 82mm | 67mm | 67mm | 82mm |
サイズ(径×長さ) | φ84×142mm | φ89×126mm | φ75.8×119.8mm | φ75×120.5mm | φ87.8×119.9mm |
重量 | 675g | 805g | 550g | 565g | 695g |
最短撮影距離 | 0.24m(W)/0.33m(T) | 0.38m(全域) | 0.18m(W)/0.38m(T) | 0.19m(W)/0.39m(T) | 0.21m(W)/0.30m(T) |
最大撮影倍率 | 0.32× | 0.22× | 0.37×(W)/0.24×(T) | 0.34× | 0.32× |
絞り羽根 | 11枚 | 9枚 | 9枚 | 9枚 | 11枚 |
AF/MF切換 | 〇 | 〇 | ー | ー | 〇 |
Fnボタン | 2つ | 3つ | 〇 | ー | 2つ |
コントロールリング | 〇 | 〇 | ー | 〇 | 〇 |
クリック感切替スイッチ | 〇 | ー | ー | ー | 〇 |
フォーカス制限スイッチ | 〇 | ー | ー | ー | ー |
定価 | 371,800円 | 330,000円 | 125,400円 | 126,500円 | 319,000円 |
実勢価格 | ー | 258,000円 | 97,000円 | 110,000円 | 253,000円 |
特記事項 | インターナルズーム |
ZマウントでF2.8の標準ズームレンズを比較対象としています。参考までに、ソニーの大三元標準ズームレンズⅡ型も比較対象に入れています。
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S IIの特徴
動画撮影で便利なインナーズーム機構を採用しており、675gというクラス最軽量の重さとなっています。また、AF速度はⅠ型比で5倍と最新のレンズに相応しい性能です。
ボタン類も多く、新たにコントロールリングの操作感を変えるスイッチが付きました。
Nikon Z 24-70mm f/2.8 S(I型)との比較

6年前のⅠ型から比べると重量は140gも軽くなり、フィルター径も一回り小さくなりました。また、インナーズーム機構になったので動画撮影に使いやすくなり、レンズ内に埃などが入りにくくなりました。ただ、収納時の全長は18mm長くなっており、収納性は劣化しています。
最短撮影距離と最大撮影倍率が向上したため、より被写体を大きく写し出すことができます。絞り羽根の枚数も増えているので、よりきれいなボケを造り出します。ボタン類は新たにコントロールリングのクリック感を切り換えるスイッチと、フォーカスを制限するスイッチが増設され、操作性が上がっています。
さらにAF速度は5倍、AF追従性能は60%向上と全体的に性能が上がり、インフレや円安など昨今の情勢から41,800円値上がりしています。これだけ性能が違えば許容範囲なのではないでしょうか。

Tamron 28-75mm F2.8 Di III VXD G2との比較

Tamron 28-75mmのⅡ型はお手頃価格で軽量な所が売りの大三元標準ズームレンズです。その代わりボタン類がほとんどないため操作性は劣り、画質もS IIには及ばないでしょう。
焦点距離は広角側が短く望遠側が長くなっています。望遠の5mmはさほど変わりませんが、広角の4mmはかなり違います。風景写真などを撮る場合は24mmの画角は欲しいところ。
とりあえず大三元標準ズームレンズが欲しい人には最初の1本としておすすめです。

NIKKOR Z 28-75mm f/2.8との比較

nikonのSラインではない大三元標準ズームレンズで、手の届きやすい価格ですがその分操作性や画質等が劣ります。性能はTamronのⅡ型と似ており、焦点距離やフィルター径などが全く同じで重量もほぼ一緒です。
ボタンは無いですが、代わりに便利なコントロールリングを備えています。
価格も大きな差は無いので、最初の大三元標準ズームレンズとしてはどちらでも良いでしょう。

Sony FE 24-70mm F2.8 GM II

マウントは違いますが、同じ大三元標準ズームレンズで最高クラスの画質を実現するレンズです。ボタン類の多さによる操作性の良さや重量など性能は似通っていますが、大きな違いはインナーズーム機構。動画撮影も視野に入れるなら、ジンバルでバランス調整した後でも焦点距離を変えられるのでとても便利です。その分GM IIの方が収納サイズは23mm小さく120mmを切っています。
価格差は思ったより大きく52,800円S IIの方が高くなっています。

インナーズーム機構で現代の需要に合った標準ズームレンズ

他の標準ズームレンズと比べて大きな違いはやはりインナーズーム機構。近年では一眼カメラで写真だけでなく動画を撮ることも当たり前になってきており、ジンバルで一々バランス調整をしなくても良い点は大きなメリットです。
また、AF性能が格段に向上していたり操作性がよくなっていたりと、Ⅰ型から買い替えるのは十分ありでしょう。価格差もそこまで大きな開きは無いので、新しく大三元標準ズームレンズの購入を考えている人にとっても十分選択肢に入ります。
ただ、そこまで大きな金額を掛けられない場合は28-75mmのnikonやTamronのレンズでも十分な性能をすると思います。