最近のカメラは手振れ補正がよくなってきたといっても三脚があるとないとではやっぱり撮り方の幅が違ってくる。ただ三脚は重いし持ち運びが面倒。
そこでブラックフライデーで安くなっていた軽量の三脚を買ってみた。どこかで見たことのあるようなデザインだけど、価格は約1/5だしついつい吊られてしまった。
そんなNEEWER LITETRIP LT32をレビューしていきます。
NEEWER LITETRIP LT32のスペック
製品名 | LITETRIP LT32 |
---|---|
価格 | 28,999 |
BF価格 | 20,299 |
全伸高(㎝) | 157 |
最低高(㎝) | 19 |
重量(g) | 1.18 |
耐荷重(kg) | 10(ボールヘッド時は4.5) |
段数 | 5 |
ロック式 | レバーロック |
格納サイズ(㎝) | H43×Φ6.5 |
材質 | カーボン |
全伸高はセンターポールも伸ばした時の高さなのでかなり不安定になる。それでも人間の目線まで持ってこれるので十分だ。最低高はさらに低くすることができる逆折り機構があるが、ちょっと手間でカメラが逆さまになる。
重量は1㎏とちょっとでかなり軽く、収納時は43㎝と小さくできる。それを可能にしているのは脚の段数が5段であること。逆に脚が細くなって不安定になるというデメリットもある。
いやらしいのが耐荷重。10㎏と謳っているけどあくまで三脚であってボールヘッドは別ということ。なので超望遠レンズとかは耐えられない。その場合はそもそももっとがっしりした三脚を使うんだけど。
開封の儀
箱と中身一式は写真の通り。バッグにストラップ、3/8ネジパノラマ雲台、フットスパイクが3つ付属している。
バッグのファスナーはSBS。YKKではないけど確かな品質があり、ちょっと止水ファスナーぽい加工だ。
ハンギングチェーンぽいものがバッグ側面についている。
ここにストラップを引っかけて持ち運びやすくする。元々軽い三脚なのでバッグを使用することは少ないと思う。
フットスパイクは屋外での使用を想定されてる。ただいちいち交換するのは面倒だし、先も尖っているのでちょっと危ない。
六角レンチももちろん付いてきます。これで緩んだ脚を締め付けられる。
機能の確認
脚のロックレバーは4つ、つまり5段式。これもパクリ元と同じく一気に解除できるようレバーの位置が同じ。感触としてはちょっと重め。
5段なので脚が徐々に細くなっていく。ここは収納性と重量がトレードオフだし仕方ない。
脚の角度セレクターは三段。90度の開脚は不可能で、最大70度まで。
脚の根元には1/4ネジ穴が2か所ある。ここにライトを設置したりできる拡張機能の1つ。
センターポールを調整するダイヤル。収納の関係か内側寄りにある。だからといって操作し辛いわけではない。
センターポールには重しを掛けられるフックがある。軽い三脚なので風が強い時などに使える。
ボールヘッドは取り換え可能で、3/8ネジがある雲台に変更可能だ。
パノラマ雲台に変えると約150g軽くなるが、それだと水平が取れなくなる。なので雲台が必要だが、試しに自分が持ってる自由雲台の重量を調べてみると300g。結果として150g重くなった。勿論雲台によると思うが、そこまでのメリットはあまりなさそう。
最低高にするにはセンターポールを部分的に外す必要がある。ちょっと手間がかかる。
センターポールを逆さまに取り付けられ、これだと理屈上最低高は0㎝となるが、カメラも逆さまになってしまう。
ボールヘッドの機能
ボールヘッドには水平器が標準装備。最近のカメラは内臓の水平器もあるので思ったより使わなかったりする。
ボールヘッドの角度はこのフリップバックルを解除することで調整可能だ。これを閉めるときは思ったより力がいる。
ベースプレートは4隅が囲まれているタイプで、使えるプレレートは限られる。
左がピークデザインのアルカスイス互換プレート、真ん中がファルカムのF38,右が純正だ。この中だとピークデザインのプレートだけ合わなかった。
純正はアルカスイス互換、そしてピークデザインにも互換がある。残念ながらF38プレートには互換がない。
当然ながら望遠レンズについている脚も使えない。そもそも軽量三脚なので望遠レンズの使用はそこまで求められていない気がする。
F38の場合も完全には合致せず、ほんの少し隙間ができ、カタカタするが撮影には支障ないレベル。が、特に問題ないのなら純正のプレートが確実。
リリースボタンを押すとプレートを外すことができる。左にずらすことで外れなくなる。
縦位置での撮影も可能。90度に曲げられる。
他のトラベル三脚と比較
とりあえず近しい性能のものを調べてみた。これ以外にもあると思うけどパッと調べて出てきたものを載せてある。
こうしてみるとLITETRIP LT32は無難な立ち位置にいるように思える。価格帯としては安いほうだけど性能もそこそこみたいな。
メーカー名 | NEEWER | Peak Design | Ulanzi | Ulanzi | NEEWER | NEEWER | Leofoto | VANGUARD | FOTOPRO |
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製品名 | LITETRIP LT32 | Travel Tripod | ZERO Y | ZERO F38 | LITETRIP LT38 | LITETRIP LT07 | LX-225CT+XB-32Q | VESTA GO 204CB | X-GO E |
価格 | 28,999 | 123,090 | 37,888 | 43,999 | 42,999 | 11,999 | 55,000 | 22,000 | 24,200 |
割引後価格 | 20,299 | 105,860 | 30,310 | 35,199 | 34,399 | 8,999 | 39,600 | 19,800 | 18,150 |
全伸高(㎝) | 157 | 152.4 | 156.7 | 159 | 155 | 156.5 | 137 | 138.5 | 152.1 |
最低高(㎝) | 19 | 14 | 18 | 18 | 21.1 | 34.6 | |||
重量(g) | 1.18 | 1.27 | 1.1 | 1.1 | 1.43 | 1.33 | 1.05 | 0.93 | 0.98 |
耐荷重(kg) | 10(ボールヘッド時は4.5) | 9.1 | 18 | 18 | 10 | 10 | 6 | 3 | 8 |
段数 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 4 | 5 | 4 | 5 |
ロック式 | レバー | レバー | レバー | レバー | レバー | レバー | ナット | ナット | ナット |
格納サイズ(㎝) | H43×Φ6.5 | H39.1×Φ7.9 | H42.3×Φ8.8 | H42.5×Φ8.8 | H50×Φ7 | H52×Φ5.7 | H33 | H38.5 | H36 |
材質 | カーボン | カーボン | カーボン | カーボン | カーボン | アルミ | カーボン | カーボン | カーボン |
本家本元のPeak Design Travel Tripodは価格がバカ高いが、生涯保証なのは魅力的。造形も美しく、機能で言えば雲台の調整リングなんかはとても便利だと思う。高すぎるけど。
Ulanziからもパクリ製品が出ている、というかこの製品をさらにパクったのがNEEWERだと思う。発売日と機能から考えて。こちらは独自のF38プレートが便利でこちらを買おうか悩んだが、結局値段で諦めた。あと耐荷重18㎏は他の製品から見ても怪しい数字。
NEEWERからは後継機やアルミバージョンが新しく出ている。アルミは自由雲台型となって少し重たくなり、収納性も悪くなるが価格が1万円を切るのは非常に魅力的だ。
対して後継機は自由雲台になったが重量が大幅に増し収納性も悪くなる、価格も大幅上昇と個性を失ってしまった。
他にも自由雲台で安いものはちょこちょこある。FOTOPROやVANGUARDの製品は2万円を下回り、重量も1kgを切っている。VANGUARDは耐荷重が心もとない所もあるが、現代のミラーレスカメラだと3㎏を超えることは超望遠レンズを使用するくらいだと思うので、あまり気にはならない。
旅行だけじゃなく日常でも気兼ねなく使える三脚
PGYTECHのスリングバッグ11Lに装着してみた。許容範囲ではなかろうか。欲を言うともう少し短ければなーという想いはある。
重たい三脚だと持っていくのに億劫になるが、軽い三脚なら抵抗感は少なくなる。三脚が必要かという話だけど、写真としての幅を広げるならやっぱり必要なもの。特にシャッタースピードを遅くする場合は必須になる。NDフィルターとかも必要になってしまうが。折角の旅行でひと味違う写真にできるし、日常でもさっと持ち運べて利便性が高い。。
このLT32は軽量三脚の中でもオプション無しで拡張性に優れていると思う。自由雲台にもできるしクイックリリースプレートによって着脱もすぐにできる仕様で使いやすい。他の製品だと追加費用が掛かったりする所が痛い。