iPhoneの廉価モデル「SEシリーズ」が2月19日に発表された。SEではなくeという表記だけど性能は明らかに廉価版。
価格は99,800円と明らかに10万円を切ることに意識した価格設定と分かりやすい。SE3が62,800円だったので3万7千円の値上げ。円安やインフレの影響があるとはいえ、果たしてその価値があるのかどうか、比較してみる。
iPhoneシリーズとの比較

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製品名 | iPhone16e | iPhoneSE3 | iPhone16 |
発売日 | 2025.2.28 | 2022.3.18 | 2024.9.20 |
定価(円) | 99,800 | 62,800 | 124,800 |
ディスプレイ(インチ) | 6.1 | 4.7 | 6.1 |
チップ | A18 | A15 | A18 |
CPU(コア) | 6 | 6 | 6 |
GPU(コア) | 4 | 4 | 5 |
カメラ画素(MP) | 48 | 12 | 48と12 |
カメラズーム | 1倍と2倍 | 1倍 | 0.5倍と1倍と2倍 |
マクロ撮影 | × | × | 〇 |
動画撮影 | 4k60fps | 1080p30fps | 4k60fps |
シネマティックモード | × | × | 〇 |
アクションモード | × | × | 〇 |
最大ビデオ再生 | 26時間 | 15時間 | 22時間 |
生体認証 | 顔 | 指紋 | 顔 |
MagSafe | 非対応 | 非対応 | 対応 |
重量(g) | 167 | 144 | 170 |
接続端子 | USB-C | Lightning | USB-C |
前世代のSE3と現行16無印を比較対象にしてみた。色々と細かい部分が違うのだけれど、特に目立つ箇所をピックアップしてある。全体的にみて、16無印に機能が迫りながらもちょっとほしいなという機能を削っているように思える。
外観
色は16eが黒と白の2種類しかなく、SE3の3種類からさらに減っている。色を減らして経費の削減を狙っているのか、それとも需要があまりなかったのか。対する16無印は5種類とかなり豊富。ただ、カバーしてしまえば隠れるので個人的にはあまり気にならない部分。
サイズは16無印とほとんど変わらず、SE3のサイズに期待していた人はかなり落胆してると思う。その分画面が大きくなりバッテリーの持ちも良くなっている。SE3どころか16無印よりも良い。
端子も現行と同じUSB-Cに。LightningではないiPhoneで最も安いのは16eになるため、USB-Cじゃなきゃヤダって人は選択肢になる。
チップ性能

チップは最新モデルと同等のA18でAIのApple intelligenceに対応。といってもまだ日本語には対応していないし、使わない人は使わない機能だと思う。
GPUが4コアと16無印よりも1コア少ないけど、ハイエンドゲームをしない限りあまり影響はなさそう。

SE3と比較すると40%高速になっているので、スマホの動作の軽さが体感できるレベルだと思う。ストレスフリーには間違いなくなる。
カメラ性能

カメラは外見だとシングルだが、ツーインワンで48MPの1倍と2倍のズームが可能。ただし16無印のように超広角カメラはないので、画角によるダイナミックな写真は撮れない。
動画も4k60pまで撮れるので必要十分な性能。120pとか使わない使わない。ただ、マクロ撮影が出来なかったりシネマティックモードが無かったりとスマホのカメラとしては凡庸。
記録写真しか撮らないといった人には丁度良いかもしれない。下手に機能があるとややこしいので。
その他性能
その他大きな違いはMagSafeがない所だろうか。重視する人にとっては購入の是非を決めるほどの要素だと思う。でもUSB-Cという他の機器と共有できるケーブルになったので、USB-Cを重視する人も多そう。
生体認証は現行と同じ顔認証に。SE3は指紋認証だったからここはかなり賛否が分かれそうなところ。iPhone16proの顔認証はかなり早いのであまりストレスは感じない。ただ解除されたらスライドせずともホーム画面に行ってほしい。何故認証という手間をかけたのに、さらにスライドという手間も必要とするのだろうか。
iPhoneシリーズではコスパ良いの?
SEではなくなったけど立ち位置は実質SE。現行の廉価モデルだ。SE3からやたら価格が上昇したなあと思ってしまうのは、円安の影響があるしストレージの最低容量が64GBから128GBになったということもある。そして単純に日本価格が値上がりしていた。ドルで比較してみると分かりやすい。
・SE3 429ドル → 62,800円 146円/ドル
・16e 599ドル → 99,800円 166円/ドル
・16無 829ドル → 124,800円 150円/ドル
ドルだと170ドルの値上げだが、円だと37,000円の値上げ。値上げ幅のレートでみると1ドル=217円となる。これは割高に感じるわけだ。
16eの単純な為替レートでみても166円/ドルだから強気の価格設定であることが分かる。150円/ドルなら89,850円で9万円を切るので購買意欲がわく人も多いと思うのだけれど。
16無印はレートでみると優れている。16eとの価格差も25,000円ということを考えると、16eってそんなにコスパいいの?と思ってしまう。10万円まで支払えるんだったら12.5万円まで出しちゃいそうだ。

16eを購入するのに向いている人
コスパに優れているとは言えないけれど、16eを選ぶ利点を挙げてみる。
・Apple intelligenceを使える現状最安のiPhone
・MagSafeは使わずUSB-Cを使いたい
・カメラにそこまでこだわりがなく、SNSで記録写真をあげる程度
3つの要素を挙げてみたけどすべてはApple intelligenceを使い倒せるかどうかにかかっていると思う。なお、日本語の対応は4月以降の予定なので、発売日当日に買う必要ってそこまでないのでは?
カメラにこだわる人はそもそも16eを選択肢に入れてはないと思うけど、16proやMaxを購入しよう。ProResを使用して高クオリティの動画が撮れ、4k120pも撮影可能、カメラが3つ搭載され5倍ズームが可能となる。カメラコントロールはあまり期待しないこと。
