タムロンから新しいフルサイズ用超広角ズームレンズ12-20mm F2.8が発表されました。Sony Eマウント・Nikon Zマウント対応で、既存の超広角F2.8ズームレンズ勢に真っ向勝負を挑む立ち位置のレンズです。今回は同じSony Eマウントで競合しそうなレンズと比較しながら、その立ち位置を探っていきます。
スペック比較表
| 項目 | Tamron 12-20mm F2.8 | Sony FE 12-24mm F2.8 GM | Sigma 14-24mm F2.8 DG DN Art | SAMYANG AF 14-24mm F2.8 FE | Sony FE 12-24mm F4 G |
|---|---|---|---|---|---|
| 発売日 | 2026年8月27日 | 2020年8月7日 | 2019年8月23日 | 2025年5月23日 | 2017年7月7日 |
| 実勢価格 | 約29万円 | 約34万円 | 約14万円 | 約14万円 | 約24万円 |
| 焦点距離 | 12–20mm | 12–24mm | 14–24mm | 14–24mm | 12–24mm |
| 開放F値 | F2.8 | F2.8 | F2.8 | F2.8 | F4 |
| レンズ構成 | 12群17枚 | 14群17枚 | 13群18枚 | 11群15枚 | 13群17枚 |
| 絞り羽根 | 12枚 | 9枚 | 11枚 | 9枚 | 7枚 |
| 最短撮影距離 | 0.18m(W)/0.28m(T) | 0.28m | 0.28m | 0.18m | 0.28m |
| 最大撮影倍率 | 0.17倍(W)/0.11倍(T) | 0.14倍 | 0.13倍 | 0.17倍(W)/0.26倍(T) | 0.14倍 |
| AF/MF切り替えスイッチ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| MFロックスイッチ | 〇 | × | × | × | × |
| ズームロックスイッチ | 〇 | × | × | × | × |
| クリック切替スイッチ | 〇 | × | × | × | × |
| IRISロックスイッチ | 〇 | × | × | × | × |
| 絞りリング | 〇 | × | × | × | × |
| カスタムボタン | 5 | 1 | 1 | 1 | 1 |
| 最大径×全長 | 90×119.3mm | 97.6×137mm | 85.0×133.0mm | 84×98.6mm | 87×117.4mm |
| 重量 | 570g | 847g | 795g | 445g | 565g |
※価格は2026年7月時点の参考情報です。
タムロン12-20mm F2.8の特徴

ソニーEマウントとニコンZマウント向けのフルサイズミラーレス用超広角ズームで、最大の特徴は、開放F2.8通しで12mmから始まる焦点距離でありながら、コンパクトなサイズで利用できます。
また、このレンズはタムロンが光学設計を一新した新世代モデルで、高い解像性能や逆光耐性を重視した設計となっており、風景、建築、星景、動画撮影まで幅広い用途を想定しています。スイッチ類がとにかく多く、プロフェッショナル向けのレンズに仕上がっています。

価格は純正の大口径超広角ズームより抑えられながらも、画質面ではハイエンドレンズに迫ることを目指したモデルとして位置付けられており、より広い12mmとF2.8通し、そして携帯性を両立した新しい選択肢が誕生しました。
Sony FE 12-24mm F2.8 GMとの比較

Sony純正のフラッグシップ超広角ズームで、12mm始まりと唯一このレンズと同じ焦点距離をカバーする直接のライバルです。重量847g・価格約34万円と、大きく重たいレンズで価格も高くなっています。
スイッチ類は12-20mmがとにかく多く、カスタムできるスイッチも複数あり操作性は圧倒しています。
ただ、発売されてから年月が経っているので、価格差は約5万円とそこまでの開きはありません。焦点距離は望遠側が24mmまであるぶん汎用性はSonyに軍配が上がりますが、小型軽量・低価格で12mm域のF2.8を使いたいというニーズにはTamronの方が圧倒的に刺さりそうです。
Sigma 14-24mm F2.8 DG DN Artとの比較

広角側の焦点距離が2mm狭くなった代わりに望遠側が4mm伸びたレンズです。重量795gと、12-20mmと比べるとやはり重く、またスイッチ類はほとんどありません。
ただ、価格は7年前に発売されたということもあり倍近く安くなっています。広角端2mmの差は超広角域では体感的に大きいため、その点を妥協できるのであればコスパの良いレンズとなるでしょう。
SAMYANG AF 14-24mm F2.8 FEとの比較

2025年5月に発売されたばかりの比較的新しいレンズで、重量445gとこのカテゴリーでは圧倒的に軽量な点が最大の特徴です。価格もシグマのレンズより安いと、コスパに優れたレンズです。
そして最大のセールスポイントがフロントに77mmのネジ込みフィルターが装着できること。SonyのGMやSigmaの14-24mmは前玉が大きく突き出た出目金形状でリアフィルターしか使えませんが、SAMYANGはPLフィルターやNDフィルターを通常通り前面に装着できます。12-20mmもリア差込式のみと見られるため、この点はSAMYANGの明確なアドバンテージです。
ただし焦点距離は14-24mmと望遠寄りで、12mmの超広角表現はカバーできません。その焦点距離を切り捨てられるなら良い選択肢となるでしょう。
Sony FE 12-24mm F4 Gとの比較

2017年発売の旧世代モデルながら、重量565gとTとほぼ同じ軽さを実現している軽量超広角レンズです。焦点距離も12-24mmと望遠側が長く、価格も中古であれば15万円前後まで下がってきています。
最大の違いはやはり開放F値で、F4通しのSony 12-24mmGに対し、Tamron12-20mmはF2.8通し。星景や室内撮影など、明るさが必要なシーンではTamronが1段分有利になります。一方、日中の風景・スナップなど絞って使う場面が中心であれば、軽量コンパクトで実績のあるSony 12-24 Gも依然魅力的な選択肢です。
F2.8はいらないから、とにかく軽く安く12mmを使いたいという層の受け皿として、今後も一定の需要が残りそうです。
貴重な超広角ズームレンズの選択肢
なかなか発売されない超広角ズームレンズですが、ここで軽量コンパクトな明るいレンズが加わりました。 望遠端は他のレンズよりも短くなっていますが、12mmという焦点距離は替えが効きません。また、プロ向けの操作スイッチの多さは撮影時のストレスを無くしより快適な撮影体験を可能としてくれます。
価格は約30万円と決して安い価格ではありませんが、性能を鑑みると十分納得のいく価格設定ではないでしょうか。
