RX10Ⅴが発表され、性能は現代の最新機種に近い性能となりました。しかし、その分価格が大幅に上昇しているため、今回はレンズ交換式カメラと高倍率ズームレンズの組み合わせを比較してみます。いずれも1本で広角から超望遠までカバーする高倍率ズームという、RX10 Ⅴと同じコンセプトの組み合わせです。
スペック比較表
| 項目 | Sony RX10 Ⅴ | α6700+Sigma16-300mm | Z50II+Tamron18-300mm | X-S20+Sigma16-300mm | OM-3+M.Zuiko12-200mm |
|---|---|---|---|---|---|
| センサー | 1型積層Exmor RS(20.1MP) | APS-C裏面照射Exmor R(26.2MP) | APS-C CMOS(20.9MP) | APS-C X-Trans CMOS 4(26.1MP) | フォーサーズ4/3型積層LiveMOS(20.4MP) |
| 焦点距離(35mm換算) | 24-600mm | 24-450mm | 27-450mm | 24-450mm | 24-400mm |
| 開放F値 | F2.4-4.0 | F3.5-6.7 | F3.5-6.3 | F3.5-6.7 | F3.5-6.3 |
| 光学ズーム倍率 | 25倍 | 18.8倍 | 16.6倍 | 18.8倍 | 16.6倍 |
| 連写速度 | 最高30コマ/秒(ブラックアウトフリー) | 最高約11コマ/秒 | 通常約11コマ/秒(JPEG高速連写+で約30コマ/秒) プリ連写可 | 約30コマ/秒 プリ連写可 | 約120コマ/秒 プリ連写可 |
| 動画性能 | 4K120p(クロップ有) | 4K120p(クロップ有) | 4K60p | 6.2K30p 10bit、4K60p オープンゲート撮影 | 4K60p |
| AF・被写体認識 | AIプロセッサ:人物/動物/鳥/乗り物/昆虫 | AIプロセッシングユニット搭載 | EXPEED7+AI、9種類の被写体検出(人物/犬/猫/鳥/飛行機/車/バイク/自転車/列車) | AI被写体検出AF | AI被写体認識(人物/モータースポーツ/飛行機/鉄道/鳥/犬猫)、1,053点クロス位相差AF |
| ボディ内手ブレ補正 | 光学式+Active Mode | あり(5軸) | 非搭載(レンズ側VCのみ) | あり(5軸・最大7.0段) | あり(5軸・最大7.5段) |
| 撮影枚数 | 570枚 | 550枚 | 220枚 | 750枚 | 590枚 |
| ボディ+レンズ合計重量 | 約1,111g | 約1,108g(493g+615g) | 約1,185g(550g+635g) | 約1,106g(491g+615g) | 約951g(496g+455g) |
| ボディ+レンズ合計価格目安 | 約36万円 | 約27万円 | 約21万円 | 約27万円 | 約29万円 |
| ボディ発売時期 | 2026年7月31日 | 2023年7月28日 | 2024年12月13日 | 2023年6月29日 | 2025年3月1日 |
※価格は2026年7月時点の実勢価格の目安。
比較対象は高いAF性能を持ち、10bit動画撮影が可能なカメラたちと、広角から望遠までこなせて総重量がRX10Ⅴに近いレンズとの組み合わせをチョイスしています。
Sony α6700 + Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS
AIユニットによる被写体検出が可能なAFに4k120pの動画が撮影可能で総重量がさほど変わらない組み合わせです。24-450mm相当とRX10 Ⅴには及ばないものの、センサーサイズや画素数で勝っており、70mm時に最大撮影倍率1:2というハーフマクロ性能も備え、風景から昆虫まで1本でこなせます。
ただ、連写が11コマ/秒までと30コマ/秒に比べて大きく劣っているので、動体撮影は劣っています。また、ファインダーがあるとはいえ小さく、またカメラ中央に設置されていないので少し使い勝手が変わってきます。また、総重量は変わらないとはいえ、収納時の長さはレンズ分長くなっています。
価格はカメラとレンズで30万円を下回っているので、高速連写が必要なく、望遠域も多少短いことを考慮すれば十分選択肢に入る組み合わせです。
Nikon Z50II + Tamron 18-300mm F3.5-6.3 Di III-A VC VXD
比較対象の中で最も価格を抑えられる組み合わせです。合計約21万円とRX10 Ⅴの6割程度で揃えられます。Z50IIはフラッグシップ機Z9と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載し、人物・犬・猫・鳥・飛行機・車・バイク・自転車・列車の9種類を検出するAF性能は、価格を考えると驚異的です。JPEG限定の高速連写モードでは最高約30コマ/秒にも対応します。
注意したいのは、Z50IIにはボディ内手ブレ補正が非搭載という点です。手ブレ補正はTamronレンズ側のVC任せになるため、望遠端での手持ち撮影ではRX10 Ⅴや他の組み合わせよりも不利になる可能性があります。動画性能も4k120pで撮影できないため、少し見劣りする所があります。
価格をかなり抑えたい人にとっては、多少レンズのズーム域が狭くボディ内手ブレ補正が無くとも魅力的な組み合わせです。ただ、レンズの種類が他のカメラよりも少ないのが難点です。
Fujifilm X-S20 + Sigma 16-300mm F3.5-6.7 DC OS
Sonyの組み合わせと基本的に同じレンズ構成ですが、ボディをX-S20に変えることで6.2K30p 10bitとオープンゲートという高い動画性能が手に入ります。さらに連写性能に優れており、最高30コマ/秒の連写性能に加えてプリ連写が可能です。
気を付けたいのはボディが防塵防滴に適していないこと。そのため、悪天候下では持ち出すことが躊躇われます。
Sonyの組み合わせと価格や重量、性能が似ており、あとは連写性能や富士フイルム特有のフィルムシミュレーションなどで好みが分かれるところです。
OM SYSTEM OM-3 + M.Zuiko 12-200mm F3.5-6.3
この中で唯一、大きく異なる特徴を持つ組み合わせです。M.Zuiko 12-200mmは望遠端が400mm相当とRX10Ⅴの600mmには届きませんが、ボディ+レンズ合計重量が約951gと圧倒的に軽量。APS-Cよりは小さいですが、フォーサーズセンサーとレンズの小型軽量性を活かしたトラベルズーム的な性格が強いレンズです。また、防塵防滴はIP53を取得しており、他のカメラと比べて頑丈さには信頼性が高くアウトドアにも持って行きやすいカメラです。
動画は4k60pまで撮れますが、その場合は4:2:0となり他の4:2:2と比べて劣る部分です。
価格は約29万円と比較対象の中では最も高価になります。小型軽量で耐久性のあるカメラなので、アウトドアを中心とした活動をする人にはもってこいの組み合わせです。
RX10Ⅴとの住み分け
4パターンすべてに共通するのは、望遠端がRX10Ⅴの600mmに届かないという点です(最長でも450mm相当)。一方で合計価格はいずれもRX10Ⅴより安く抑えられ、レンズ交換の拡張性も手に入ります。
- とにかく安く1本完結ズームを組みたい → Z50II+Tamron18-300mm(ただし手ブレ補正はレンズ任せ)
- AF・被写体認識や動画など総合力を重視 → α6700 or X-S20(AF搭載・高い動画性能)
- とにかく軽量に持ち出したい → OM-3+M.Zuiko12-200mm(合計1kg切り)
- 望遠端600mmまでレンズ交換なしでカバーしたい → RX10Ⅴ一択
いずれの組み合わせも価格を抑えつつ、それなりの高倍率ズームを楽しみたいというニーズには応えられますが、600mmという望遠端の長さとF2.4-4.0という明るさ、そして最初から統合された30fps連写・4K60p 10bit動画といった最新機能をワンパッケージで得られる点は、依然としてRX10 Ⅴならではの強みと言えるでしょう。
望遠域を600mmまで伸ばすと広角側がかなり狭まるので、レンズ交換式の利点として使い分けするのも良いでしょう。便利ズームではなかったので今回の比較対象からは外したレンズとして、ED 75-300mm F4.8-6.7 IIが挙げられます。広角側が150mmになりますが、望遠側は600mmになり、暗いレンズではありますが、重量も423gと軽く価格は約4万円と手ごろなため、OMシリーズを購入するのなら1本持っておくのも良いでしょう。

