SIGMA 200mm F2から尖ったレンズが登場しました。200mmという望遠域でF2というミラーレスカメラレンズとしては現状このレンズしかありません。このレンズと真っ向から同じスペックのレンズはありませんが、明るい望遠レンズで比較してみます。

スペック比較表
項目 | SIGMA 200mm F2 DG OS Sports | FE 50-150mm F2 GM | FE 70-200mm F2.8 GM OSS II | SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS Sports | FE 135mm F1.8 GM | FE 300mm F2.8 GM OSS |
---|---|---|---|---|---|---|
発売日 | 2025年9月4日 | 2025年5月23日 | 2021年11月26日 | 2023年12月 7日 | 2019年 4月19日 | 2024年2月2日 |
焦点距離 | 200mm | 50–150mm | 70–200mm | 70–200mm | 135mm | 300mm |
開放F値 | F2 | F2 | F2.8 | F2.8 | F1.8 | F2.8 |
フィルター径 | 105mm | 95mm | 77mm | 77mm | 82mm | 40.5mm |
サイズ | φ118.9×203.0mm | φ102.8×200mm | φ88×200mm | φ90.6×207.0mm | φ89.5×127mm | φ124×265mm |
重量 | 約1,800g | 約1,340g | 約1,045g | 約1,335g | 約950g | 約1,470g |
最短撮影距離 | 1.70m | 0.4m(W)–0.74m(T) | 0.4m(W)–0.82m(T) | 0.65m(W)–1.0m(T) | 0.7m | 2.0m |
最大撮影倍率 | 0.13×(1:7.6) | 0.20× | 0.30× | 0.19×(1:5.2) | 0.25× | 0.16× |
絞り羽根 | 11枚 | 11枚 | 11枚 | 11枚 | 11枚 | 11枚 |
AF/MFスイッチ | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
フォーカスリミッター | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
OSスイッチ | あり | なし | あり | あり | なし | あり |
カスタムモードスイッチ | あり(C1/C2) | なし | 手振れ補正スイッチ | あり(C1/C2) | なし | 手振れ補正スイッチ |
AFLボタン | 3カ所 | 3カ所 | 3カ所 | 3カ所 | 2カ所 | 4カ所 |
絞りリング | あり | あり | あり | あり | あり | ファンクションリング |
クリックスイッチ | あり | あり | あり | あり | あり | あり |
ロックスイッチ | あり(Iris Lock) | あり(Iris Lock) | あり(Iris Lock) | あり(Iris Lock) | なし | なし |
定価 | 550,000円 | 597,300円 | 385,000円 | 242,000円 | 272,800円 | 966,900円 |
実勢価格 | 495,000円 | 478,000円 | 295,000円 | 189,000円 | 210,000円 | 770,000円 |
特記事項 | インナーズーム | インナーズーム テレコン1.4×/2.0×対応 | インナーズーム | テレコン1.4×/2.0×対応 |
※すべてEマウントでの数値で、重量に三脚座は含んでいません。
望遠域で明るいレンズを比較対象にしてみました。
SIGMA 200mm F2 DG OS SPORTSの特徴

最大の特徴は200mmという望遠域でありながら、F2という明るさを保っており、圧縮効果とボケ量が他の日でなく、また単焦点が故の映りの良さが光ります。ボタン類も豊富で、絞りリングにAF/MFスイッチ、OSスイッチなどがあり操作性抜群です。手振れ補正は6.5段あり、高速AFで素早い被写体にも食らいつけます。
ただ、最短撮影距離が1.7mと遠く、最大撮影倍率も0.13倍なため、近寄って撮ることは得意ではありません。フィルター径も105mmと大型で特殊なため、それに見合ったフィルターを探すのは難しいでしょう。また、テレコンバーター非対応なので、焦点距離を変更することができません。さらにEマウントでは連写に制限が掛かっており、最速で15コマ/秒までしかできません。
FE 50-150mm F2 GMとの比較

5月に発売されたばかりのレンズで、F値は同じ2.0ですが、焦点距離が違います。50-150mmという標準~望遠域で使い勝手がよくインナーズーム機構なので動画撮影もストレスなく焦点距離を変えられます。ただし、手振れ補正は無く、カメラ本体に頼っています。
総じて写真も動画もこなせるプロ用のレンズと言っていいでしょう。
さすがに200mmという領域には届かず、またズーム機構であるので単焦点レンズには画質の面で敵わないでしょう。金額は50-150mmの方が高いですが、差は約5万円ほどのため大きな買い物であることに違いはありません。

FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIとの比較

標準的な大三元望遠レンズであり、汎用性に長けています。それでいて重量は約1kgとそこまで重たく和無いので持ち運びしやすいレンズです。インナーズーム機構であるため、動画撮影でも活躍します。また、純正レンズならではの高速連写対応やテレコンバーターを装着できるのがメリットです。
200mmはありますが、F2.8どまりなためF2.0の明るさやボケ量には及びません。ズームレンズであるが故画質は単焦点レンズに及びません。
価格は定価で385,000円と決して安くはありませんが、550,000円と見比べるとお安く感じます。

SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS Sportsとの比較

おなじSIGMAから発売されている大三元望遠レンズで、スペックとしてはSony純正の大三元望遠レンズとあまり変わりません。大きな違いは重量が1.3kgと重くなっていること、非純正なため連射速度に制限がありテレコンに対応していないこと、価格が242,000円とかなり安い点です。

FE 135mm F1.8 GMとの比較

単焦点で明るいレンズですが、200mmという焦点距離には遠く及ばない135mmです。ポートレートには十分な距離だと思いますが、スポーツなどには今一つ物足りない距離でしょう。
全長が127mmと小さく重量も1kgを切っているので持ち運びしやすいレンズです。価格も6年前のレンズなため、かなり安くなっています。ただ、最新のレンズには画質面などで劣っているため、最高の品質を求める場合は50-150mmが選択肢に入ってくるでしょう。

FE 300mm F2.8 GM OSSとの比較

同じ単焦点レンズですが、焦点距離はさらに上の300mmで圧縮効果がさらに得られます。それでいて重量は約1.5㎏と200mmF2よりも軽いレンズです。その分全長は265mmと長いため、取り回しに苦労するでしょう。
300mmという焦点距離からポートレンズ撮影にはあまり向いておらず、スポーツや野生動物などに向いています。ソニー純正レンズなので、高速連写に対応していてテレコンバーターも装着可能なので尚更です。
価格は定価で100万円近くと倍近くしますが、上記の点から十分差別化できているでしょう。

200mmF2という唯一無二のレンズ
望遠域の明るいレンズを比較してみましたが、やはり200mmF2.0というのは唯一無二です。主に活躍するのはポートレートや室内でのスポーツなどで、プロカメラマンに好まれるでしょう。
高価なレンズのため、妥協のレンズとしては大三元望遠レンズがあり明るさはF2.8と劣りますが、その分使い勝手の良いズームレンズとなっているので、選択肢には入ってくるでしょう。
