富士フイルム X-M5の真骨頂は“いつでもポケットに忍ばせておける機動力”。その強みを最大限に引き出すのが、薄くて軽いパンケーキレンズです。そこで今回はAF可能でスナップや旅に最適な広角系と標準系のパンケーキを厳選しました。
それらの特徴を比較しながら用途別の最適なレンズを解説していきます。
スペック比較表
レンズ名 | XF18 mm F2 R | XC15-45 mm F3.5-5.6 OIS PZ | AF 25mm F1.7 AIR | XF27 mm F2.8 R WR | XC35mmF2 |
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35mm換算焦点距離 | 27 mm | 23–69 mm | 38 mm | 41 mm | 53 mm |
開放 F 値 | F2.0 | F3.5-5.6 | F1.7 | F2.8 | F2.0 |
長さ (㎜) | 33.7 | 44.2 | 55 | 23 | 29 |
重量 (g) | 116 | 135 | 170 | 84 | 130 |
防塵防滴 | ― | ― | ― | ○ | ― |
フィルター径(㎜) | 52 | 52 | 52 | 39 | 46.5 |
新品最安 価格 | 約 8.6 万 円 | 約 3.5 万 円 | 約 2.9 万 円 | 約 5.2 万 円 | 約 2.7 万 円 |
発売日 | 2012/2/18 | 2018/3/15 | 2025/3/28 | 2021/3/11 | 2020/1/28 |
軽量でコンパクトなレンズを選んでいます。パンケーキにしては太いものもありますが、
広角域のパンケーキ

- とにかく薄さ重視なら XF18mmF2
- 画角の自由度とコスパを求めるなら XC15-45mmF3.5-5.6
XF18 mm F2 R
XF18 mm F2 R は 27 mm相当で重さ116 g・長さ33.7 mm と、パンケーキらしい薄さと程よい広角を両立した純正単焦点です。発売から年数は経ちますが、開放F2の明るさと自然な発色は健在。静粛性やAF速度は最新設計に譲るものの、絞ればシャープに写り携帯性は随一です。今からなら新品よりも中古の状態の良いものの方がコスパに優れます。

XC15-45 mm F3.5-5.6 OIS PZ
XC15-45 mm F3.5-5.6 OIS PZ は沈胴式ズーム。「収納時44.2 mm・135 g」という軽さで、広角端15 mm(23 mm相当)の景色から中望遠までを一本でカバーする、所謂標準ズームです。電動ズームゆえ操作感は独特ですが、手ブレ補正付きで旅の記録には万能選手。価格も手頃で「とりあえず一本」で悩む人にうってつけです。
キットレンズゆえ中古市場が潤っていますので、こちらも中古がおすすめ。

標準域のパンケーキ

- 明るく低価格:AF 25mm F1.7
- バランス万能:XF 27mm F2.8
- 撒き餌レンズ:XC 35mm F2
Viltrox AF 25 mm F1.7 AIR
この中では唯一のサードパーティーレンズで、2025年に販売されたばかりの最新レンズです。APS-C で 38 mm 相当という準標準画角に F1.7 の明るさを持ち込み、薄暗い室内や夜景でも低 ISO で撮れるうえ、浅い被写界深度で被写体を際立たせられます。その代わり、170 g・全長 56 mmとパンケーキというより通常のレンズに近いでしょう。逆光耐性など弱点はありますが、2万円台で軽くて明るいレンズを求める人にはおすすめです。

XF27 mm F2.8 R WR
XF27 mm F2.8 R WR は Xマウントで最も薄い純正パンケーキ。全長23 mm・84 g、防塵防滴にも対応し、41 mm相当という自然な画角で「レンズキャップ代わり」に常備できます。描写は開放から十分シャープ。AF音はやや大きめでも実用速度で、常用レンズとして不動の人気を誇ります。

XC 35mm F2
XF35㎜F2の廉価版で所謂撒き餌レンズ。XFと写りの差がほぼなく、防塵防滴仕様や絞りリングが無くなり、造りも樹脂製になりましたが、F2という明るいレンズで重量130gという軽量性でありながら、価格は2万円そこそこと初心者の手が出しやすい価格帯です。

まとめ
5本はいずれも 200 g 未満の軽量レンズながら、それぞれに際立つ個性を持ちます。古き良き描写と F2 の明るさで夜もこなす XF18 mm F2 R、1本完結で旅を支える XC15-45 mm PZ、全天候かつ超薄型で毎日持てる XF27 mm F2.8 R WR、低価格で大口径の新鋭 Viltrox 25 mm F1.7 AIR、そして XF と同画質をお手頃に楽しめる XC35 mm F2──どのレンズも X-M5 の機動力を引き上げる頼もしい味方です。
撮影スタイルや重視する要素(薄さ・防滴・明るさ・価格)を照らし合わせ、自分にとって“付けっぱなしにできる一本”を見つけてみてください。