戸隠連峰最高峰の山である高妻山。その奥にある乙妻山を含めて戸隠裏山という括りになっていますが、表山である戸隠山が目立った存在で、どうしてもひっそりとしている印象です。しかし、昔から信仰されてきた山としての歴史があり、また戸隠富士とも呼ばれる鋭角な山容です。今回は戸隠牧場から乙妻山まで登ってきました。
・戸隠牧場が登山口&下山口
・一不動避難小屋までは大洞沢沿いを登っていくルートで、滝の鎖場や濡れた岩場のトラバースなど危険個所あり
・五地蔵山からはアップダウンの激しい道で、高妻山への登りは急登
・乙妻山までは最初の細尾根が核心部
ルート基本情報
行程
日帰り 7時間32分 16.2㎞ 登り1,761m 下り1,761m 山頂まで190分
戸隠牧場【出発地】~一不動避難小屋~六弥勒~高妻山~乙妻山~弥勒尾根~戸隠牧場【到着地】
ルート地図及び情報
下記をクリックするとYAMAPで地図や活動時間などの詳細な情報が見られます。
戸隠牧場から高妻山と乙妻山を登る【百名山五十五座目】 / bataoさんの乙妻山・高妻山・五地蔵山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
ルート詳細情報
戸隠牧場
県道36号線に砂利敷きの登山者駐車場があります。
道路挟んで反対側にトイレがあり、隣に駐車場がありますが、戸隠キャンプ場の受付専用駐車場なため、駐車していると料金を取られる可能性があります。
はじめは戸隠牧場の中を歩いていきます。
途中に登山届を提出する場所がありますので、そこで提出します。
モルゲンロートとともに朝霧も発生しているようです。
登りは大洞沢を登って一不動を目指すルートです。
一不動避難小屋
沢沿いを登っていくということだけあって渡渉点がいくつかあります。
渡渉は飛石で終わるところもあれば、
川の横を登っていくところもあります。
ピンクテープやペンキなどで目印がしてありますが、間違った沢道に入らないように注意が必要です。
流れている滝の横を登っていく滑滝です。鎖が設置してありますが、足場が常に水で濡れていて滑りやすい場所です。高さはそこまでありませんが、下りでは使いたくない道です。
滑滝を超えると道に水が流れている状態が続きます。
難所は続き、今度は濡れた岩場をトラバースしていく帯岩です。鎖が設置してあるので、離さないよう進みます。
帯岩を乗り越え登った先には冷たい湧水の氷清水で水分補給できます。
景色が開けてくると一不動避難小屋に到着です。この避難所は緊急時以外利用しない旨が書かれています。
一不動の看板とともに石物が置かれています。修行の道だけあって、ここからは石仏や石祠が看板とともに設置されています。
飯縄山や戸隠牧場がきれいに見えます。牧場は朝霧のおかげで雰囲気が出ています。
六弥勒
尾根沿いに分岐点の六弥勒へ進んでいきます。アップダウンがあり、視界のない林の中と思いきや開けた場所があったりと飽きない道です。
三文殊の看板はめくれて漢字が読めない状態。ことわざの漢字であっているでしょう。
山の尾根が見え、アップダウンを繰り返しながら登っていくことが分かります。
開けた場所は戸隠牧場などがある南側になります。
五地蔵山へは分岐になっていますが、すぐに登山道へ合流できます。
五地蔵山は展望がよく、妙高山や黒姫山がよく見える位置です。
六弥勒に着きました。弥勒尾根との合流地点で、ここから高妻山へは一本道の尾根伝いとなります。
高妻山
一不動~六弥勒までのアップダウンをさらに激しくしたような道になります。
展望が変わり、表戸隠を眺めて歩いていきます。
九勢至を過ぎると高妻山が目の前に映り、山頂までの急登が始まります。
急登は浮いた石があるので落石に注意です。ロープが設置されているところもあるので、適宜使いながら登っていきます。
急登を登り切れば緩やかな道に。十阿弥陀付近はゴロゴロした岩の道です。
高妻山の山頂に着きました。標柱の後ろは北アルプスが連なっています。
遠く離れた富士山がうっすらとみることができます。
気力があるうちに、さらに奥地にある乙妻山へ向けて出発します。
乙妻山
最初は細尾根を下っていきます。落差のある場所や、傾いた細道など歩きにくい場所が多いです。
十一阿閦辺りで少し休憩できるスペースがあります。
細道が終われば広いハイマツ帯の中を歩いていきます。火打山や妙高山の展望場所として最適です。
最後の登り返しです。戸隠連峰ぽくない平たんな場所が広がっています。
登りきると乙妻山山頂になります。高妻山よりも北アルプスが間近に見える気がします。
妙高山から火打山、焼山などが最短距離で一望できる山です。
ひとしきり休憩して下山していきます。乙妻山から戻るとき、高妻山が鋭角な山容をしていることがよく分かります。
行きでは見逃がしていた六弥勒あたりは紅葉できれいに彩られています。
六弥勒からは弥勒尾根を経由して戸隠牧場まで下りていきます。
弥勒尾根
下り始めが急登で、木の根などで歩きにくい道です。補助用の鎖が設置されている場所もあります。
展望の良い道で、1,800mくらいまでは景色を見渡すことができます。
森に入ると景色がなくなりますが、ふかふかの土である気安く整備されています。
ブナ林の中にあるブナ仙人は一際目立つ存在です。
登山道の出口には渡渉箇所がありますが、飛石で通れます。
駐車場までは再度牧場内を歩いていくことになります。水を渡る場所はあと2か所ほどあり、増水時には別の道が推奨されています。
駐車場は満車で、キャンプ場の受付側に停めていた車に、無断駐車の料金支払いのため受付までくる旨の置手紙が置いてありました…これで今回の山行は終わりです。
この登山を振り返って
想像よりも長く厳しい道のりでした。乙妻山までの道のりは少し危険な細尾根を通っていくので、すれ違った人は1人しかいなかったほどです。
ただ、沢沿いを登ったりアップダウンのある尾根歩き、急登に細尾根からの平らな場所など、変化に富んでいる楽しい道だと感じました。戸隠山からの縦走も可能なので、ハードな山行を望む人には向いているかもしれません。
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