鳥倉から塩見岳に登り三伏峠でテント泊する【百名山四十七座目】

登山
登山百名山

南アルプスで真ん中あたりに位置している山が塩見岳。南アルプス全般に言えることですが、奥深い所にあるため他の山と一緒に縦走路がないか思案しました。が、北は仙丈ヶ岳からの仙塩尾根、南は荒川岳からの稜線と、どれも距離が長く、何よりマイカーの場合登山口と下山口が離れすぎていることが難点です。そこで今回は、最短距離の鳥倉登山口から山頂を目指し、三伏峠でテント泊の山行きとなりました。

・スタートとゴールは鳥倉ゲート前
・宿泊地は日本一高い峠である三伏峠
・鳥倉ゲート前まではすれ違い困難な林道が続く
・塩見岳山頂付近は岩やザレ、鎖が設置してある
・三伏峠から塩見小屋手前まではアップダウンの少ない樹林帯
・烏帽子岳は360度の開けた場所、三伏山でも塩見岳を眺めるには最適

2022年9月に行ってきた写真と登山データを掲載しています。
最新の登山道情報は自治体等でご確認ください。

ルート基本情報

行程

1日目 20.2㎞ 9時間4分 上り2,548m 下り1,619m

鳥倉【出発地】~三伏峠~本谷山~塩見小屋~塩見岳~三伏峠【宿泊地】

2日目 9.5㎞ 4時間16分 上り565m 下り1,485m

三伏峠【出発地】~烏帽子岳~鳥倉【到着地】

ルート地図及び情報

下記をクリックするとYAMAP地図活動時間などの詳細な情報が見られます。

鳥倉から塩見岳を登る【百名山四十七座目】 / bataoさんの本谷山(長野県)烏帽子岳(静岡県)三伏山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

ルート詳細情報

1日目

鳥倉

登山口である鳥倉登山口までは、ゲートが閉まっているため車両の通行ができません。そのため、ゲート前に駐車スペースが用意されています。登山届も提出可能です。

トイレと水場があるので、前日から車中泊は可能となっています。

ゲート前の駐車場が満車の場合は、手前にある第2駐車場を利用することになります。なお、鳥倉ゲートまでの道はすれ違いが難しい林道で、距離もそこそこあるため、注意して運転する必要があります。

ゲート脇から登山開始です。鳥倉登山口までは林道歩きとなります。

舗装された道から砂利道に変わってきたら鳥倉登山口が近くなった証拠です。鳥倉登山口には休憩所や仮設トイレがあります。夏季限定ですが、バスがここまで運行します

このルートの特徴として、海洋プレートからはぎとられた岩石が露出しており、各所で様々な岩をみることができます。

三伏峠までは約4㎞、3時間の道のりです。標高差は約800mと緩やかな道があることが分かります。

三伏峠

クガイソウでしょうか、物凄く群落です。ただ、旬は過ぎて花が散り始めています。

三伏峠までの距離を示す標識があるので参考になります。

樹林帯なので展望は基本ありませんが、時たま視界が開けます。南側に位置する小日影山です。

親切にも距離と時間まで掲示てくれる看板が。

4/10を過ぎた頃から北斜面のトラバースとなり、桟道を通過する箇所が複数回あります。桟道は素人が適当な木から作ったようなもので、ドキドキしながら渡れます。

道中唯一の水場であるほとけの清水は6/10を過ぎたところにあります。水量はチョロチョロです。

8/10を通過したら塩川小屋への分岐がありますが、現在は通行禁止となっています。

視界が開け塩見岳の山頂などが見えてくると、三伏峠まではあと少しです。看板の200歩は実際に歩いてみた歩数なのでしょうか。

まずは三伏峠に到着です。定員は現在75名程度で、1泊2日13,000円、素泊り10,000円となっています。個室のオプション付きで、追加料金を支払えば利用可能です。テント場は54サイトあり、1張1人の場合は1人1,000円+場所代500円+トイレ代100円=1,600円でした。小屋泊のみ予約が必要となっています。

小屋前の水場は小屋泊専用ですが、トイレは通過者のみ使用料の支払いが発生します。

テント場は小屋のすぐそばで、日当たりの良い場所です。ただ、木々に囲まれているため、展望はないですが辛うじて塩見岳の山頂だけは見えます。

水場は往復20分程度のところにあり、飲水としてではないとのこと。

テントの設営が終わり、身軽になったところで塩見岳へ向かいます。

塩見小屋

樹林帯を少し登れば、視界が広がる三伏山があります。ここから塩見岳を眺めることができますが、これ以降展望はほぼなくなってしまいます。

荒川岳へ通じる烏帽子岳へは、翌朝朝日を見るために登ります。

樹林帯を下って登り返すと本谷山です。ただ、展望はない少し広い場所となっています。

また森へ下っていき、穏やかなトラバースの道を歩いていくと、塩見小屋まであと40分の看板が木に括り付けられています。ここから塩見小屋まではずっと上りです。

塩見新道の分岐点ですが、通行不可のためロープで入れないようにしてあります。

森林限界を超えるとハイマツ帯となり視界が一気に開け、塩見岳や小屋が見えてきます。

定員は40名程度で1泊2食13,000円、素泊り9,000円となっています。予約が必要で、テント場はありません。トイレは携帯トイレブースと男性小便器のみです。

小屋の展望所からは、天狗岩と塩見岳、白峰三山を眺めることができます。

小休憩した後は塩見岳へ向かいます。

塩見岳

山頂までの道のりが、岩で険しいことをイメージさせます。

天狗岩の岩場はそこまで急ではありませんが、鎖が設置してあります。

天狗岩を乗り越えるといよいよ山頂へ。

岩場が連続し、急な登りが続きます。少しでも危険な個所には鎖があるので活用して通過します。

道がザレており、落石を誘発しやすいので慎重に足を置いていきます。

まずは塩見岳の西峰に着きました。富士山バックで映える標識です。奥は東峰になり、すぐそこです。

山頂からの展望は抜群で、北を見れば仙塩尾根からの白峰三山や甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳。

南には荒川三山が映ります。

天気に恵まれた山頂を満喫し、三伏峠へ戻ります。

テント場へ戻った時にはすっかりガスの中に。2日目の烏帽子岳に備えて就寝です。

2日目

烏帽子岳

烏帽子岳へは分岐を荒川岳方面に進みます。

林の中を進んでいくとちょうど空が赤色に。

日の出が塩見岳の向こう側のため、シルエットとなっています。

富士山は相変わらずです。

日の出の瞬間には塩見岳も色を帯びてきました。

烏帽子岳は展望に優れた山で、白峰三山と甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳。

中央アルプスの奥にちらっと顔を出しているのは恐らく御嶽山。そして右奥は乗鞍岳。

遠いですが北アルプスも見えます。

南アルプス南部へ続く稜線と360度眺望できます。

日が登り切って堪能したので、下山していきます。

明るくなったため、烏帽子岳までの道のりは基本森の中ですが、

時たま展望箇所がある、そんな道です。

下山時に気づきましたが、林道から駐車場の位置がみえるようで、距離がありますが舗装された道を歩くだけなので多くはかかりません。

鳥倉ゲート前の駐車場に到着して今回の山行は終わりです。

この登山を振り返って

距離が長いため1泊2日の行程を組んでみましたが、結果的には日帰りでも行けたコースです。おそらく、林道歩きで距離が長くなったことや、急坂がほとんどなかったためでしょう。ただ、朝日や夕日は日帰りではなかなか味わえないので、天候に恵まれたところもありますが、楽しい登山となりました。

塩見岳は南アルプスの北からも南からも目立つような山容なので、気になってはいました。穏やかな山が多い南アルプスでは貴重な存在です。これで南アルプスの百名山は制覇したので、また来ることがあれば、面白い道、面白い時期に期待と思います。

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