富士フイルム X-M5キットレンズを今更レビュー!気軽に持っていける高性能カメラ

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現在受注停止になるほどの人気で品薄のX-M5。定価以上の価格はネットの市場に溢れていて、買う気は起きなかったのですが、ぼちぼち定価の値段で買えるようになってきたので、思い切ってキットレンズを購入しました。

そんな人気カメラを半年経った今レビューしていきます。

カメラとキットレンズの確認

今回購入したのはキットレンズ付きのシルバー。箱はシンプルな段ボールが届きました。環境に配慮した結果でしょうか。

中身はカメラ本体、きっとレンズ、ストラップ、説明書や保証書など。

ストラップは革でできているようで、雰囲気が良いですね。機能性よりも質感重視は富士フイルムっぽさがあります。

富士フイルムのカメラと言えばブラックよりシルバーのイメージが強い。クラッシックなカメラに見えます。ホットシューカバーが付いていないのは残念な所。少しでも軽量化するためなのか、価格を抑えるためなのか。

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前面にはコマンドダイヤルのみ。このボタンを押したり回したりすることができます。

液晶はバリアングルで、液晶の裏面も他の部位と同じ表面なのでカメラ全体でまとまりがあります。

右サイドにはUSB-CとHDMI、ヘッドフォン端子があります。

背面のボタンは多くありません。上部シルバー帯にあるのは撮影した画像を見たり消したりするためのもの。

モニター裏の箇所には冷却ファンを接続する箇所があります。

右下の黒くて丸いボタンはジョイスティックとなっており、AFのポイントを動かしたりメニューの操作をするボタンです。その下にはメニューとバックボタン。

ホットシューとマイクの接続箇所があります。内臓マイクは指向性が選べるので、お手軽にそれなりの動画を撮影できるでしょう。

上の左側はフィルムシュミレーションを変更するダイヤル、右側はPやS、動画モードなどを変更するです。

赤丸は動画の録画ボタンで、右下のQボタンはフィルムシュミレーションの解説などをしてくれますが、かなり押しづらい。シャッターボタンも小さくあまり出っ張っていません。

背面はネジ穴とバッテリーやSDカードを入れる挿入部があります。本体がねじ止めされており、真ん中で分かれているのですが、この辺りはかなり安っぽく感じる箇所です。

バッテリーはNP-W126Sで1260mA。1日フルで撮影は難しい容量だと思います。冬などはさらに稼働時間が減るでしょう。

言語は日本語か英語か。言語の追加は料金5,500円が発生します。

キットレンズはXC15-45㎜F3.5-5.6 OIS PZ。35㎜換算で約23㎜から68㎜の標準ズームで、光学の3段手振れ補正と電動ズーム機能を備えています。重量135gと軽量なので、このキットレンズとカメラを組み合わせると500gを切ります。ちょっと大きなコンデジとして使えるのです。

キットレンズ

キャップはフロントのみでリアは安っぽいプラでカバーされています。カメラと常時つけておく前提だからでしょうか。

カメラとレンズをつけてみました。かなり小さいのですが、どうしてもレンズは出っ張っています。

レンズは収納時が長さ44.2㎜。沈胴構造なので、本体の電源を入れると伸びます。大きなリングは焦点距離の変更、フロント側の小さなリングはAF時手動で焦点距離を変更でき、MFはピントを合わせることができます。

ワイド端の時は65.2㎜まで繰り出します。長さとしてはテレ端の時の方が短くなります。

フィルターサイズは52㎜。レンズフードは沈胴構造なのでありません。

最短撮影距離は5cmで撮影倍率が0.24倍。十分近寄れる性能です。

機能

写真と動画の性能

ジョイスティックでフォーカスを選択したり変更できます。動作は良好でかなり早く移動します。

トラッキング機能もあり、AFは必要なものが揃っています。

被写体検出は御覧の通り。この項目とは別に人間を検出する項目があります。

30fpsでの高速連写が1.25倍のクロップがありますが可能です。電子シャッターなので高速に動く被写体は厳しいでしょう。またJPEGのみとなっています。

シャッターを押す前のシーンを撮影可能なプリ撮影も電子のみですが可能です。

動画は6.2k30pまで撮影でき、4:2:2 10bitのlog撮影が可能なので、クオリティの高い動画撮影ができます。HDMI出力ならRAWでの撮影も可能とVlog機として十分すぎる能力があります。

4kは60pまで可能。多少画角が狭まります。

スローモーション撮影はFHDですが240pまで選択でき、10倍のスロー映像が撮影可能です。動画性能にかなり力が入っていることが分かります。

フィルター

モードダイヤルで特徴的なのはFILTERとVlog。X-S20と同じシンプルなダイヤルです。

まずはFILTERから。画像に特殊効果を掛けることができるフィルターが13個あり、画面のレトロ感を醸し出すトイカメラや全体をぼかすソフトフォーカス、特定の色以外はモノクロにできるパートカラーなど、多種多様で遊び心をくすぐられます。
ただし、強制的に操作がAUTOになるようで、シャッター速度やF値は変更できず、ISOと露出補正だけで調整することになります。また、フィルムシュミレーションもスタンダード固定で、ほとんどのパラメーターをいじることができなくなります。

Vlogモードは自撮りの状態を想定してタッチパネルでほとんどの項目を変更できるシステムです。画面周りに音声やズーム、商品紹介モードなどを選択できます。画面がごちゃつくのが難点ですが、Vlogのように気軽に動画撮影をする人用のシステムなので、映像に凝りたい場合はオフにするか、動画モードを選択します。

Vlog

マイクの指向性は4つあり、前方と後方の音を拾うかどうかというもの。試してみましたがちゃんと機能しており、前方だけにするとカメラ後方の音はかなり小さくなります。

フィルムシュミレーション

左のダイヤルはフィルムシミュレーション。名の通りフィルムの画を再現してくれます。Cという表記がありますが、これは右ダイヤルのC1などに登録されたフィルムを適用するという状態です。C以外だとカスタム登録してあってもフィルムシミュレーションが優先されてしまうので注意。

カスタム登録は設定から。パラメーターが分からない場合はFUJI X WEEKLYに数値があるので参考にできます。どれを選んだらいいか分からない場合は、対話型AIに好みの画をパラメーター数値で作るようお願いすると、勝手に引用してきてくれます。

富士フイルムの特徴であるシミュレーションがどんなものかいくつか撮ってみます。明瞭度などのパラメータは全て0でF3.5、SS1/40、ISO160の条件で撮影。まずはスタンダード。

続いてクラシックネガ。雰囲気が変わりました。コントラストが強くなり、メリハリの効いた写真になりましたね。

続いてはノスタルジックネガ。暖色系で穏やかな色味になりました。

クラシッククロームは彩度が低くなり、シャドウが濃くなりました。

その他にも計20種のフィルムがあり、さらにそこからパラメータを触っていくことになるので、個性のある画作りを気軽にすることができます。

その他使用感

使いづらいなと思うのは、カメラの小ささが仇になっている所。ボタン類は少なく、成人男性の手だと握りにくく感じます。握っている時観賞するのが前面にあるダイヤル。これは回すだけでなく押すことができるダイヤルなのですが、

持ち方によっては間違えて押したり回ってしまうことがあります。これが地味にストレス。

このダイヤルは回すことで数値などを変更できるのですが、押すことで変更したいパラメータを変えることができます。設定を少し変えてF値、ISO、露出を1つのダイヤルで調整していて、ここが変更されると画に影響が出たり、咄嗟に調整できなかったりするのです。

水平器はあるのですが画面内での主張がかなり激しいので、あまり使うことはないでしょう。

FN設定で画面をタッチスライドすると設定を変更することができますが、誤動作するとストレスが溜まるので設定していません。

カメラを使ってみて

小型軽量が売りのX-M5ですが、その分物足りない部分もあります。ただ、物足りない部分を補おうとすると小型軽量のコンセプトが崩れてしまうので、今の状態がベストではないでしょうか。

良い所

  • 355g、キットレンズ含めて500g未満の圧倒的軽さと小ささ
  • 20種のフィルムシュミレーションに13個のフィルターがあり、編集なしで個性ある写真を手軽にできる
  • 6k30pの10bit、log撮影が可能で動画機としても優秀

気になる所

  • バッテリー容量が少なく1日中撮影するのは厳しい
  • 防滴防塵構造ではない
  • ファインダーが無くモニターは104万ドットなので映像が見づらい
  • IBIS(ボディ内手振れ補正)が無くレンズの手振れ補正に頼るしかない
  • 操作ボタンが少なくカメラが小さいので持ちづらく操作し辛い
  • カメラがすぐに熱くなる

他メーカーのカメラと比較して

機種画素数動画上限連写重量最安価格
FUJIFILM X-M526.1 MP6.2 K/30p 10-bit log30 fps+プリ355 g約136千円
Sony ZV-E10 II26 MP4K/60p 10-bit log11 fps377 g約118千円
Canon EOS R1024.2 MP4K/60p 10-bit23 fps+プリ429 g約118千円
Nikon Z50 II20.9 MP
4K/60p 10-bit log
30 fps+プリ550 g約123千円

他メーカーの競合カメラと簡単に比較すると、X-M5はハイスペックな仕上がりで、さらにその軽さが際立ちます。
勿論ここに掲載されていない所では劣っている部分もあります。ファインダーレスや防塵防滴仕様でない、カメラを握りにくいなどが挙げられるので、他のカメラも用途によって十分選択肢に入ります。

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スナップや旅行に最適なカメラ

このカメラの良さは何と言っても小型軽量な点。大口径レンズは付けずパンケーキレンズを装着して気軽に持ち運びができるところが強みでしょう。それでいて動画性能も高いため、クオリティの高い映像を撮ることができます。

欲を言えばX-E4のような小さなファインダーでもあれば完璧でした。晴れた日はどうしても液晶画面が見づらいので、シャッターチャンスを逃す機会が多くなりそうです。

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