『最後の秘境』と呼ばれる雲ノ平に行ってみたい。ただ、調べてみると北アルプスの奥地にあり、なるほど、これは秘境だと理解した。どうせ行くなら有名な山が周囲にあるので、周るルートを模索したところ、今から紹介するルートを縦走してきました。
・雲ノ平へ行くルート
・3泊4日のテント泊
ルート基本情報
行程
1日目 13.2km 8時間54分
2日目 9.7km 5時間32分
薬師峠キャンプ場【出発地】~太郎平小屋~薬師沢小屋~雲ノ平キャンプ場【宿泊地】
3日目 13.4km 9時間33分
雲ノ平キャンプ場【出発地】~祖父岳~水晶岳~鷲羽岳~
三俣山荘~黒部五郎小屋キャンプ場【宿泊地】
4日目 17.7km 8時間40分
黒部五郎小屋キャンプ場【出発地】~黒部五郎岳~北ノ俣岳~太郎平小屋~折立【到着地】
ルート地図
ルート詳細情報
0日目
折立
出発地点の折立ですが、有峰林道という有料道路を通る必要があり、通行時間も決まっています。
駐車場は全部で400台ほどありますが、臨時駐車場が登山口から500mほど離れているため、近くの駐車場に停めようとシーズン中は連絡所に6時前から待機列が発生します。
有峰林道
開通期間は6月上旬~11月中旬となっています。
通行料金は普通自動車で2,000円で、通行時間は6時~20時ですが、目的地によって連絡所を通過しなければならない時間が定められています。(例.折立キャンプ場へ行く場合は亀谷連絡所を19時20分までに通過する)
自家用車がない場合は直通のバスがあります。JR富山駅発などがありますので、電車を利用する場合はバスで折立に行くことができます。バスは予約制となっており、乗車の1か月前から予約可能です。
折立キャンプ場
有峰林道を通り出発地の折立にはキャンプ場があります。登山用の野営地らしく公衆トイレと炊事場以外は何もありません。
その分キャンプ場料金は無料で、芝生のフリーサイトとなっています。
熊が出没する場所であり、車の中も荒らされた例があるので、生ごみなどはきちんと処理しましょう。
左に見切れているのが公衆トイレで、正面にあるのが炊事場。水は出ますが生水なので、持参するか煮沸が必要です。自動販売機もあります。
1日目
キャンプ場で前泊し、日の出が出る前に出発です。
太郎平小屋
折立からまず向かうのが太郎平小屋。
ある程度標高を上げていくと、樹林帯を抜けて見晴らしがよくなります。
最初に目指すべき頂である薬師岳が見えてきました。
太郎平小屋に到着です。収容人数は150名で、1泊2日11,000円、素泊まり7,000円、お弁当1,000円となっています。売店もあり、飲み物の購入や食事などが可能です。
森林限界を超え、北アルプスの山々を一望することができます。
太郎平キャンプ場
太郎平キャンプ場は太郎平小屋から薬師岳方面へ20分ほど歩きます。私が利用したときは薬師峠キャンプ場という名称でした。太郎平小屋で受付となりますが、ハイシーズンはキャンプ場での受付となります。キャンプ場は100張ほど可能で、1人1,000円となります。また、キャンプ場の管理棟では飲み物が販売されています。
キャンプ場では夕焼けがきれいでした。
到着後は一旦テントを設営し荷物を軽くしてから、薬師岳を目指します。
薬師岳
薬師峠から少し登ると薬師平のとおり平坦な草原が広がっており、奥には槍ヶ岳などが見ることができます。
さらに登ると薬師岳山荘があり、テント設営はできませんが、宿泊することができます。
そこからさらに登ると、薬師岳頂上に到着。薬師峠から1時間40分ほどかかりました。
頂上からは剱岳から槍ヶ岳まで一望できます。
この日の目標は達成できたので、太郎平キャンプ場に戻り次の日に備えます。
2日目
雲ノ平キャンプ場
太郎平小屋まで戻り、次の目的地である雲ノ平へ向かうため、薬師沢へ下っていきます。
木道をひたすら進んでいくと薬師沢小屋に到着します。
収容人数は60名で1泊2日12,000円、素泊まり7,000円、お弁当1,000円となっています。沢のすぐそばにあるため、釣りや沢登りの拠点にもなっています。
黒部川を渡る吊橋があり、雲ノ平へと続く道がありますが、かなりの急登。ゴロゴロした岩の上を歩くのですが、日当たりが悪く、滑りやすいです。薬師沢小屋から雲ノ平まで標高差400m以上のところ距離にすると1kmしかないため、急登であることがうかがえます。
急登を登りきるとアラスカ庭園がお出迎え。素晴らしい景色と道が続きます。
まずは雲ノ平山荘に到着です。収容人数は50名で1泊2日夕食付11,000円、素泊まり8,000円、お弁当1,300円となっており、ユース割などの各種割引があります。また、売店や食事などが営業しています。
キャンプ場の受付も山荘で行います。料金は1人2,000円でテントは50張ほど幕営可能です。
山荘からキャンプ場までの道もお庭の中の木道を渡っていきます。
キャンプ場に到着です。山荘では水が有料でしたが、キャンプ場では冷たい水がドバドバ流れています。もちろん飲むことができます。あとはトイレがポツンとあるだけです。
この日は夕立にあい、一時には雷が10秒に1回くらい鳴っていて、生きた心地がしませんでした。
3日目
また日の出前からスタートです。水晶岳へ向かうため、まずは祖父岳を目指します。
祖父岳
暗闇の中、ゴロゴロした岩の道が続きルートから外れてしまいましたが、無事山頂に到着しました。
山頂には大きなケルンがいくつもあり、珍しい光景でした。
山頂から下って岩苔乗越に向かう導入からは、今から行く水晶岳や
鷲羽岳、三俣蓮華岳が朝日に照らされ美しく見えました。
水晶岳
ワリモ北分岐から水晶岳へ進んでいくと水晶小屋に到着します。収容人数は40名で1泊2日2食付13,000円、素泊まり9,000円、お弁当1,400円となっておりますが、これは週末の金額。平日やシーズンによって料金が変わってきます。また、子ども割りなど各種割引きもあります。ここで水晶Tシャツを購入できるのですが、残念ながら売り切れでした・・・
水晶小屋にデポして20分ほど歩くと水晶岳頂上に到着です。
さっきまでテントを張っていた雲ノ平がよく見えます。あの一帯だけ平らな形をしていることが分かりますね。
反対側は野口五郎岳がドーンと構えています。
鷲羽岳
水晶岳をあとにして、きた道を戻りワリモ岳経由で鷲羽岳を目指します。
ワリモ岳に頂上付近を過ぎ
鷲羽岳まで近づいてきました。尾根道を進んでいきますと。
鷲羽岳に到着。
山頂から鷲羽池と槍ヶ岳を被写体としたよく見る構図。
三俣山荘
鷲羽岳から下りていくと三俣山荘があります。
収容人数は60名で1泊2食13,000円、素泊まり9,000円、お弁当1,400円となっています。ただし、時期によって料金が変動しますので注意。
子ども割や連泊割など各種割引があります。
完全予約制で、テント場も指定日は予約が必要となっていますのでご注意ください。
三俣山荘でテント泊も考えましたが、次の日の行程を考え食事休憩のみになりました。
黒部五郎小舎
三俣山荘から黒部五郎岳のルートは、三俣蓮華岳を通過するルートか巻き道があります。今回は巻き道を選択しました。
巻き道からの様子。奥には黒部五郎岳が待ち構えています。
黒部五郎岳の麓に黒部五郎小舎があり、そこでテント泊をしました。
料金
料金区分 | 料金 |
素泊まり | 感染症対策により不可 |
1泊2食 | 13,000円 |
1泊3食 (弁当付) | 14,200円 |
個室 | 1部屋3,000円(特定日は5,000円) |
テント | 1名2,000円(水代込、トイレは1回100円) |
宿泊割引 | 高校生:1,500円割引 中学生:3,000円割引 小学生:5,000円割引 幼児:無料(添い寝) 1人1泊につき割引は1つ |
テイクアウト夕食 | 3,000円(1日5食限定) |
収容人数
小舎:50名
テント:30張
予約方法
完全予約制
4日目
黒部五郎岳
また暗い中を出発し、森の中を抜けたらカールを進んでいきます。
少し巻きながら尾根に出て頂上を目指します。
奥には白山も見えています。
分岐点で荷物を置いてサクッと山頂に到達です。これで今回の百名山はすべて登頂しました。
あとは赤木岳、北ノ俣岳を経由し太郎平小屋へ向かうための稜線を歩いていきます。
ライチョウ
太郎平小屋目前の木道で初めて自然のライチョウを見ることができました。番いでしょうか。
まったく人を恐れません。気にせずに動いています。
しばらくすると木道から草原へ行ってしまいました。またお会いしたいですね。
まとめ
折立から雲ノ平などを周回する縦走でした。登山する人にはメジャーな縦走ルートだったのではないでしょうか。このルートから派生して高天原温泉行ってみたり、上高地へ下りるルートなど折立スタートでもいろいろなルートがあると思います。
連休を挟み人が少ないことはなかったのですが、特別多いということもありませんでした。折立が有料道路で通行時間も決まっているため予定を立てづらい所もあります。ただ、北アルプスの奥地雲ノ平をはじめとした山域はなかなか味わうことのできない場所だと思いますので、参考にして検討してもらえれば幸いです。
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