日本有数の景勝地で国内だけでなく外国の観光客が訪れ、北アルプスという有名な山岳地帯の登山口でもある上高地。標高1,500mの高地で山の奥深くにあるため、アクセスのための道路は1本しかなく、通年マイカー規制が行われています。
そのためアクセスするにはバスやタクシー等の交通機関を利用する必要がありますが、どの方法が最も安いのか、また無料で上高地に行く手段はあるのか、まとめてみました。
バス
シャトルバス
最も多い交通手段であろうバスは沢渡・あかんだな駐車場からシャトルバスで上高地に行くことです。2つの駐車場は上高地に近い場所で、マイカーもしくは路線バスで行くことになります。
ちなみに駐車場の普通車料金は沢渡が1日700円、あかんだなが1日600円となっており、シャトルバス料金も沢渡が往復2,400円、あかんだなが往復2,090円とあかんだなが若干割安になっています。
出発地点 | 片道(円) | 往復(円) |
---|---|---|
沢渡 | 1300 | 2400 |
あかんだな | 1180 | 2090 |
なお、上高地バスターミナル以外にも大正池や帝国ホテル前に停車しますが、あかんだなからのバスのみ乗車料金が安くなっています。
沢渡とあかんだなの間は安房峠があり、往来するには細い峠道か、有料の安房トンネルを通過する必要があります。ただ、沢渡は松本方面からアクセスでき、あかんだなは高山方面からアクセスできますので、安房峠を超える必要はありません。
路線バス
路線バスは松本駅と高山駅から乗車可能です。松本駅からは上高地までの直行便がありますが、高山駅からは平湯温泉で乗り換えする必要があります。
出発地点 | 片道(円) | 往復(円) |
---|---|---|
松本 | 2570 | 5140 |
高山 | 2650 | 5130 |
松本駅からは直行バスだけでなく、新島々駅まで鉄道で行き、新島々から上高地まで路線バスで行く方法もありますが、鉄道運賃710円、バス運賃2,000円の計2,710円で松本駅からの直行バスより少し割高になります。
各都市からの直行バス
東京・名古屋・関西の人口は全体の半数以上であり、その需要にこたえるため各都市から上高地への直行バスがあります。ただ、予約が必要ですぐに満席になるのが難点です。
東京発
運行会社 | ルート | 出発時刻 | 片道(円) |
---|---|---|---|
さわやか信州号 | 新宿→上高地 | ・7時15分 ・22時25分 | 6600 |
上高地→新宿 | ・15時00分 ・16時10分 | 6600 | |
毎日あるぺん号 | 新宿→上高地 | ・23時00分 | 8200 |
上高地→新宿 | ・16時00分 | 7500 | |
※料金はバスのシート数やシーズンにより変動 |
東京発のバスはさわやか信州号と毎日あるぺん号の2社が直行便を出しています。東京から上高地まで約5時間で、夜便の場合はバス内で睡眠をとることになりますが、代わりに早朝到着できます。
分かりやすくするために片道の最安料金しか載せませんが、宿を合わせて予約するパックや日帰りツアーなど、さまざまなプランがあるので、目的に合ったプランがあるならそちらの方が割安になるでしょう。
関西発
運行会社 | ルート | 出発時刻 | 片道(円) |
---|---|---|---|
さわやか信州号 | 大阪→京都→上高地 | ・7時00分(大阪)、7時53分(京都深津) ・21時30分(大阪)、22時50分(京都駅) | 7600 |
上高地→京都→大阪 | ・13時30分 ・15時40分 | 7600 | |
※料金はバスのシート数やシーズンにより変動 |
関西からは大阪発の京都を経由するさわやか信州号のバスしかありません。
上高地への直行便の予約が難しい場合は、関西発平湯温泉着のバスを利用するという手もあります。濃飛バスが運行していて、GWと7月~11月の期間限定夜行便ですが、大阪発だと平湯温泉まで最安8,000円なので、平湯温泉から上高地へのシャトルバス1,180円を加えて計9,180円で行けます。
大阪から高山で電車で行き、路線バスで上高地へ行く方法もあります。その場合は電車賃5,500円、路線バス運賃2,650円の計8,150円となります。ただ、乗車時間が長く、乗り換えが複数回あり、普通電車なので座れる保証はありません。
名古屋
名古屋からは名鉄バスが期間限定運航しています。2023年度は5月時点でまだ決定していないので、参考までに2019年度の情報を掲載してあります。
片道7,800円、往復12,200円と往復前提の料金設定です。夜行便のため、朝から夕方まで上高地に滞在できます。
滞在時間が短くても良いという場合は、阪急交通社から日帰りプランが設けられています。料金は7,990円と良心的ですが、運行している日がほとんどなく、約4時間しか滞在できません。
タクシー
出発地点 | 片道普通車(円) | 片道特定大型車(円) |
---|---|---|
沢渡ゾーン | 4600 | 7500 |
平湯温泉地区ゾーン | 5000 | 8000 |
※普通車は定員6名以下、特定大型車は定員10名以下です。 平湯温泉地区ゾーンから行く場合は安房トンネル通行料1,580円が別途発生します。 |
上高地はバスだけでなくタクシーでも行くことができます。一人で乗車すると高くつきますが、複数人で行けばバスの運賃よりも安くなります。バス運賃よりも安くなる人数は
・沢渡 タクシー運賃4,600円÷バス運賃1,300円≒3.5<4人以上
・平湯 タクシー運賃5,000円÷バス運賃1,180円>≒4.2<5人以上
となっています。松本駅からも定額運賃で乗車できますが、片道18,000円なので、かなり高額とっています。
マイカー
マイカーで行く場合、沢渡やあかんだな駐車場まで行き、そこからシャトルバスが一般的です。
ただ、登山者に限りシャトルバスを使わずに上高地へ行く方法があります。それは歩いて上高地へ行くことです。上高地に続く舗道の上高地公園線はマイカー規制されていますが、徒歩や自転車は通行できます。無料の駐車場を利用すれば実質タダで上高地へ行けます。しかし、駐車場へ戻るときは来た道を戻ったり、シャトルバスに乗車して戻る必要が出来るでしょう。
登山ルート経由
上高地公園線を歩いていく以外にも、山を登って上高地へ行くことができます。無料の登山口がいくつかあるので紹介します。無料で行けますが、長い距離の登山道を歩き、上高地から駐車場へ帰るときは結局バス等を使うと思うので、こういう道もあるよという紹介程度です。
まずは焼岳を経由するルートです。新中の湯温泉登山口から焼岳を経由し上高地へ行く方法です。時間は6時間ほどかかり、累積標高が1,000mとそれなりに疲労した状態で上高地に到着することでしょう。
上高地から帰るときはトンネル経由の舗道を徒歩で行くことができますが、累積標高が1,000mで約9kmの道のりが待っています。上高地から中の湯まではシャトルバスで行けます(運賃570円)。
焼岳には西側の中尾温泉からの登山口もありますが、中の湯温泉よりも上高地から離れてしまいます。
北アルプスに入山するときに無料駐車場として有名な新穂高から行くこともできます。浮石が多く迷いやすくて危険な白出沢ルートを通り、奥穂高から吊り尾根経由で重太郎新道を下り上高地に行きます。
距離は17km、累積標高2,300mに時間が15時間と上高地へ行くためにここまでするのかという道のりですが、駐車場は無料なのでご紹介しています。
上高地から新穂高へバスで行く運賃ですが、上高地→平湯温泉で1,180円、平湯温泉→新穂高で910円の計2,090円となります。上高地へ行くだけならあかんだな駐車場からシャトルバスへ行くのと運賃は大差ないです。
まとめ
上高地へ最も安くいく方法が気になったので、まとめてみました。驚いたのは、変動型運賃とはいえ東京から片道6,600円で上高地に行けることです。マイカーはガソリン代やそもそも車が必要なため、駐車場代以外のお金がかかります。ただ、その分時間は融通が利きます。
定額タクシーも複数人で行くならバスよりお得になるかもしれないので、グループで行くときはまず検討してみても良いと思います。
マイカーで行くときに登山ルートを紹介していますが、ほぼネタで入れています。クラシックルートも入れようと思いましたが、新島々に無料の登山用駐車場が無かった(バスに乗り換えるための駐車場はある)ので今回は載せていません。
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