DJIから360度カメラが発表されました。性能はInsta360 X5をかなり意識したものとなっており、性能は肉薄しています。なのでOsmo360とInsta360 X5を比較して、どちらが360度カメラの最強の座に相応しいのか比較していきます。

スペック比較表
項目 | Insta360 X5 | DJI Osmo 360 |
---|---|---|
発売日 | 2025年4月22日 | 2025年7月29日 |
定価 | 84,800円 | 67,100円 |
センサー | デュアル 1/1.28インチ トリプルAIチップ | 1インチ スクエアHDR |
静止画画素数 | 72MP DNG | 120MP JPG |
360度動画解像度 | 8K30p / 5.7K60p / 4K120p | 8K50p / 6K60p/ 4K100p |
シングルレンズ動画解像度 | 4K60p | 4K120p / 5K60p |
最大ビットレート | 180Mbps | 170Mbps |
録画フォーマット | I-Log | 10-bit D-Log M |
ダイナミックレンジ | 13.5stop | 13.5stop |
F値 | 2.0 | 1.9 |
ISO感度 | 100-6400 | 100-51200 |
低照度 | PureVideo 8k30p | スーパーナイト 8k30p |
手ブレ補正 | FlowState + 360° 水平維持 | HorizonSteady 360° |
レンズ | 交換式レンズ レンズキット 5,280円 | 取り外し不可 レンズプロテクター2,090円 |
オーディオ | ウインドガード内蔵/風切り低減/音声協調/ステレオ/360度オーディオ | マイク4基内蔵/ノイズ低減/ステレオ |
バッテリー | 2400mAh 93分(8k30p時) 208分(5.7K24p時) 20分で80%充電 | 1950mAh 100分(8k30p時) 190分(6k24p時) 12分で50%充電 |
防水 | IP68 水深15m (潜水ケースで50m) | IP68 水深10m |
サイズ | 46×38.2×124.5 mm | 61×36.3×81 mm |
重量 | 200 g | 183 g |
記録メディア / ストレージ | microSD (UHS-I V30 以上推奨) | microSD (UHS-I V30 以上推奨) 内蔵ストレージ128GB (保存は105GB) |
ワイヤレス / 接続 | Wi‑Fi / Bluetooth 5.2 / USB-C | Wi‑Fi 6.0 / Bluetooth 5.1 / USB-C |
マウント | 磁気クイックリリース | 磁気クイックリリース |
ソフトウェア / 編集 | Insta360 アプリ & Studio:AI 自動編集 | DJI Mimo/DJI Studio |
アクセサリー | NDフィルター/大容量バッテリー/潜水ケース/MIC AIR/3m自撮り棒 | レンズプロテクター/大容量バッテリー/バッテリー延長ロッド/2.5自撮り棒 |
センサー

Osmo360が1インチとX5の1/1.28インチより面積が広いセンサーを採用しており、室内や夜間などの低照度環境でより優れた画質になります。X5もAIチップで明るくノイズの少ないPureVideoモードがありますが、Osmo360にもスーパーナイトモードがあり、夜間でもより鮮明な映像になります。
また、画素数はOsmo360が120MPでより細やかなディテールになっています。
動画性能
osmo360が8k50pとX5の8k30pよりもfpsが若干優れていますが、50fpsは動画のフレームレートとしてはあまり使用されていないため、ほぼ誤差と言ってもいいでしょう。X5は11kからのオーバーサンプリングで高い解像度を誇ります。最大ビットレートもX5の方が大きいため、画質ではX5の方が数値上良さそうです。
しかし、少し解像度を落とすとOsmo360が優れていて、X5が5.7kのところ6kで、シングルレンズではX5が4k60pどまりな所を4k120p、また5k60pで動画を記録できます。
そしてOsmo360は10bitでの撮影が可能で色の階調表現が細かく、色のグラデーションが滑らかになります。
低照度性能

センサーの大きさやF値からより多くの光を取り込むことができるosmo360が優れているでしょう。また、ISO感度もosmo360がより広い範囲を選択できます。
ただ、X5はAIノイズリダクションやダイナミックレンジの最適化を行うPureVideoモードで画質を担保しています。osmo360もスーパーナイトモードでさらに低照度でのディテールを鮮明にすることができます。
静止画性能
写真性能については、画素数だと120MPを誇るOsmo360が優れていますが、フォーマットはJPGだけとなっており、X5はRAWであるDNGでの写真も可能としています。360度カメラで写真を撮り、尚且つ編集ソフトで現像するという行為は優先度が低いと思いますが、凝った写真にするなら編集体制に優れたフォーマットがあるX5の方が優れています。
レンズ

X5は交換式ですがosmo360は取り外し不可。万が一傷がついたときに修理に出さなくてもレンズを交換できる強みがあります。価格も5,280円とお手頃なのもいいですね。
osmo360は取り外し不可な代わりにレンズプロテクターがオプションであり、価格は2,090円とお手ごろな値段となっています。
オーディオ

osmo360にはマイクが4基備わっており、より没入感のあるステレオサウンドを収録できます。X5は一か所ですがウインドガードが備わっており、風切り音低減や音声協調機能があります。
バッテリー

X5の方が容量が大きいですが、撮影時間は解像度によって異なります。8k撮影時はosmo360が7分長くなっていますが、解像度を落とすとX5の方が長くなります。
さらにX5には別途大容量バッテリーがあり、容量は2800mAhと通常の17%アップ。撮影時間も235分と約13%向上しています。osmo360に関しては、同梱しているバッテリーが最初から大容量版であり、別途通常容量が販売されているという少し不思議なことになっています。このバッテリーはAction 5 Proや4と互換性があるので、DJI製品を所有している場合共有できるメリットがあります。
サイズ/重量

重量はosmo360が軽くなっていますが、差は17gなのであまり気にならないでしょう。サイズは大きく違い、X5が細長くなっているのに対して、osmo360は通常のアクションカメラのような長方形となっています。モニターのサイズも異なっているので、一概にどちらが優れているとは言えません。
ただ、縦撮影はX5が、横撮影はosmo360の方がモニターの関係上撮影しやすくなっています。
防水性能

両方とも保護等級がIP68で完全防水となっています。ただ、水深はX5の方が5m深い15mまで対応しています。さらに潜水ケースを装着すれば60mまでの防水が可能です。現在osmo360には防水ケースが無いので、より深い場所へ行く場合はX5一択となります。
記録メディア/ストレージ
記録メディアはともにmicroSDで、高画質の動画を撮影するためV30以上が推奨されています。osmo360には内臓ストレージがあり、128GB(保存は105GB)もあるので長期間の旅行や長時間撮影をしない限りSDカードは不要でしょう。
編集機能
どちらも独自のアプリやソフトが用意されていますが、より簡単に編集できるのはX5でしょう。AIを活用したAIフレームがあり、複数人いても重要な場面をAIが識別してくれます。また、AIワープやスカイスワップなど凝った映像をAIが勝手に編集してくれます。
osmo360にも撮影の向きを自動検出する機能や、スマートフォンを動かして自由にフレーミングする機能はありますが、X5にも同様の機能があり、AI編集のように自動でしてくれるわけではない所が差となっています。

アクセサリー

アクセサリーは自撮り棒などに通っていますが、潜水ケースのようにどちらかにしかないものも存在します。osmo360にはバッテリー内臓の自撮り棒があり、磁気接続で8k30pを最大4.5時間まで延長することができます。また、自撮り棒もX5は3mまでありますが、osmo360には2.5mまでのものしかありません。NDフィルターに関してはX5しかないものとなっています。
自分で編集するならosmo360がコスパ〇
価格差は17,700円とかなり差があり、osmo360のコスパの良さが光ります。それでいてスペックでは勝っている所もあり、バリバリにX5を意識していることが分かります。ただ、スペックではそこまで大きな差は無く、10bitでの撮影が最も大きな違いでしょうか。価格もX5の実売が約77,000円となっているので、実質的な差は1万円です。
X5にしかない要素もあり、潜水ケースによる水深60mはosmo360の10mと比べるとかなりの違いがあり、またAIによるお手軽な編集はosmo360ではできません。そのため、価格差は妥当な所かもしれませんね。
osmo360の優位はより低価格でDJI製品であるところです。DJIは多くのカメラ製品を作っており、action5proやpocket3などのヒット商品があります。それらの製品と互換するアクセサリーがあり、MIC等はそのまま使えます。なので既にDJI製品を多く購入している人にはコスパの良いカメラではないでしょうか。
