キャノンからIXY650の後継機であるIXY650 mが発表されました。といっても、基本性能に変更は無く、記録メディアがSDカードからmicroSDカードに変更となり、WiFiでの画像転送ができなくなりました。ただ価格は上がっており、改めて他にどんなコンデジがあるのか比較していきます。
スペック比較表
項目 | IXY 650 m | PowerShot SX740 HS | LUMIX DC-TZ99 | OM SYSTEM Tough TG-7 | VLOGCAM ZV-1F |
---|---|---|---|---|---|
画素数 | 2020万 | 2030万 | 2030万 | 約1200万 | 2010万 |
センサー | 1/2.3型 高感度CMOS | 1/2.3型 裏面照射CMOS | 1/2.3型 裏面照射CMOS | 1/2.33型 CMOS | 1.0型 積層型CMOS |
焦点距離(35mm判換算) | 25–300mm | 24–960mm | 24–720mm | 25–100mm | 20mm(単焦点) |
F値 | F3.6–7.0 | F3.3–6.9 | F3.3–6.4 | F2.0–4.9 | F2.0 |
最短撮影距離 | 1cm(W) | 1cm(W) | 約3cm(W) | 1cm(顕微鏡) | 約5cm |
AF性能 | コントラストAF(顔・追尾) | コントラストAF(TTL/顔・追尾) | コントラストAF(顔認識) | コントラストAF(25点/顔優先/追尾/スーパーマクロ) | コントラストAF(瞳AF対応) |
常用ISO感度 | 100–3200 | 100–3200 | 80–3200(拡張6400) | 100–12800 | 125–12800 |
最高連写撮影 | 約7.2コマ/秒 | 約10コマ/秒 | 10コマ/秒(AF-S)/5コマ/秒(AF-C) | 約20コマ/秒(電子) | 約16コマ/秒 |
シャッタースピード | 1~1/2000秒 | 1~1/3200秒(オート) | メカ1/2000~4秒/電子1/16000~1秒 | 1/2~1/2000秒(A最長4秒) | 1/4~1/32000秒(電子) |
手振れ補正 | 2.5段(テレ端) | 3.5段(350mm時) | 5段 | 2.5段(100mm時) | ー |
被写体検出 | 顔検出 | 顔検出(シーン検出) | 顔認識 | 顔検出・水中検出ほか | 顔・瞳検出(静止画:人物/動物、動画:人物) |
モニタ稼働方式 | 3.0型46.1万ドット 固定 | 3.0型92.2万ドット チルト(自撮り対応) | 3.0型184万ドット チルト | 3.0型104万ドット 固定 | 3.0型92.16万ドット バリアングル |
動画性能 | FHD 30p | 4K 30p/FHD 60p | 4K 30p/FHD 60p | 4K 30p/FHD 120p(HS) | 4K 30p |
記録メディア | microSD/microSDHC/microSDXC(UHS-I) | SD/SDHC/SDXC(UHS-I) | SD/SDHC/SDXC(UHS-I) | SD/SDHC/SDXC(UHS-I) | SD/SDHC/SDXC(UHS-I) |
防塵防滴 | ー | ー | ー | 防水15m・耐衝撃2.1m・耐低温−10℃・耐荷重100kgf | ー |
バッテリーmAh | NB-11LH(800mAh) | NB-13L(1250mAh) | DMW-BLG10(1025mAh) | LI-92B(1350mAh) | NP-BX1(1240mAh) |
撮影枚数 | 180枚 | 265枚 | 380枚 | 330枚 | 360枚 |
サイズ(W×H×D) | 95.2×56.1×23.8mm | 110.1×63.8×39.9mm | 112.0×67.8×43.1mm | 113.9×65.8×33.0mm | 106×60×46mm |
重量(バッテリー込) | 147g | 299g | 322g | 249g | 256g |
発売日 | 2025年10月下旬予定 | 2018年 8月30日 | 2025年 2月20日 | 2023年10月13日 | 2022年10月28日 |
定価(円) | 55,000円 | 77,000円 | 64,350円 | 82,500円 | 82,500円 |
実売価格(円) | 84,000円 | 60,000円 | 57,000円 | 69,000円 | |
その他 | ミニUSB2.0 | マイクロUSB | USB2.0 Type-C | USB2.0 Type-C | USB2.0 Type-C |
価格帯の近いコンデジをピックアップしています。コンデジは中古市場が活発ですが、今回はあくまで現在発売されているカメラのみとなっています。
IXY 650 mの特徴
IXY 650から9年を経て発売された後継機ですが、ほとんど変わりありません。大きな違いはSDカードからmicroSDカードくらいでUSBすらtype-cにはなっていません。
カメラとしての機能はエントリー向けとして十分な機能を備えており、35mm換算で25-300mmの焦点距離に2.5段の手振れ補正、7.2コマ/秒の連写ができます。動画も撮影できますがFHDで30pまでとあくまでおまけ程度です。
モニターは固定なためローアングルなどに苦労します。サイズや重量は小型なため、手軽に持ち運べるカメラです。
スペックだけ見ると現代のスマホの方が優れており、約5000万画素の静止画に4k120pや8kを撮影できる動画性能など差は歴然です。ただ、「カメラで撮影する」という体験が昨今見直されており、そのための初めてのカメラとしてはちょうど良い価格と性能でしょう。
PowerShot SX740 HSとの比較

同じキャノンから発売されているコンデジで、全体的に性能が向上しています。焦点距離は24-960mmと大幅に拡大、手振れ補正も向上し動画は4Kで撮影することが可能となっています。バッテリー機能も上がったので、より長い時間充電せずに撮影をすることができます。モニターもチルトで自撮りも可能なので、幅広い撮影を楽しめます。
機能面の充実が影響し、重量は倍の299gとなりサイズも一回り大きくなっています。価格も2万円ほど高いですが、市場の流通量が少なく、中古価格が定価を上回っている状態です。

LUMIX DC-TZ99との比較

2025年に発売されたばかりのLUMIX DC-TZ99は新型のカメラに相応しい性能です。焦点距離が24-720mmと広く手振れ補正は5段とブレのない安定した撮影ができます。モニターもチルト機構でローアングル撮影しやすく、184万ドットで明るい場所でも見やすくなっています。動画も4k撮影が可能で180度モニターで自撮りできるので、応用の効くコンデジです。撮影枚数が多くバッテリー切れの心配も減っていて、USB type-cなためスマホなどと重電機器を共有しやすいのも利点です。
価格は1万円ほど高くなって重量は倍以上の322g、サイズも大きいですがその価値は十分あるほどの性能で強力なライバルです。

OM SYSTEM Tough TG-7との比較

TG-7はハードなアウトドアに特化したコンデジで完全防水仕様となっているため、ほとんどのコンデジが防滴すらままならない中では大きな特徴です。その分焦点距離が25-100mmと狭くモニターは固定です。ただ、F値は2.0からと明るく、ISO感度も12800まであり低照度時の撮影に優れています。4kでの動画撮影も可能なので、アウトドア以外でも十分活躍するカメラとなっています。
価格は実売でみると差は無いので、機能や見た目で選ぶことになるでしょう。全体的な機能でいうとTG-7が優れています。

VLOGCAM ZV-1F

ソニーのVlog向けカメラで、焦点距離が固定されています。Vlogに特化しているため、写真よりも動画を優先する人向けです。写真も撮れますがメカシャッターが無く焦点距離は固定なので、他に比べて撮影の自由度は低くなっています。
ただ、センサーサイズは1型と大きくF2.0、ISO感度も12800まであるので夜間撮影などでは綺麗な写真を撮ることができます。動画は4k30pまで撮影できバリアングルモニターで自撮りも可能とまさにVlogのためのカメラです。
価格が少し高く、カメラ本体は大きく重たいですが動画撮影に重きを置くのであれば選択肢に入るカメラです。

マイナーチェンジしただけなので購入優先度は低い?
IXY 650 mはカメラ機能が変わっていないので、他のカメラから乗り換えをするほどのものでもなく、また他に性能の良いコンデジがあります。
このカメラを購入する理由としては、サイズがコンパクトで非常に軽い点でしょう。価格も比較的低く最初のカメラとしては十分選択肢に入ると思います。