iPhone16proのカメラ性能をレビュー!フルサイズカメラやosmo pocket3と比較してみる

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カメラライフハック

発売から2か月が過ぎて今更感があるけどiPhone16proを購入。やはり決め手はカメラ性能。というかそれ以外で必要だと思う機能が見当たらない。

他社のスマートフォンとの比較はネットに転がっているので、ここではフルサイズカメラ(sony α7Ⅳ)とosmo pocket3との比較を中心にレビューしていく。それ等と比較できる性能は高いと思うし、このカメラ性能が必要ないならiPhone16は過剰性能なので買わない方がいいと思う。

・iPhone16proとosmo pocket3、フルサイズカメラ(sony α7Ⅳ)の性能を比較
・3つとも4kでのlog撮影が可能
・動画はアプリを使えば4k120pでも外付けストレージいらず

開封の儀

サクッと開封していく。シンプルな箱の中には…

シンプルな中身。スマホとコードとsimカード用の針。ケーブルは両端ともtype-Cなので、充電器は自分で用意ということだ。

美しい形状で有名なiPhoneだが、傷つけたくないので早速ケースカバーをかける。米軍規格を取得しているらしいので頑丈だろう、たぶん。手帳型は毎回開く手間が面倒なので不採用。

カメラスペックの比較

項目iPhone16proosmo pocket3α7Ⅳ
発売日2024年9月20日2023年10月25日2021年12月17日
最安価格(円)159,80074,800280,000
画素数(万)広角4,800
望遠1,200
960?
(公式発表無し)
3,300
焦点距離
(35㎜換算)
13,24,120㎜
光学ズーム
20㎜~40㎜
光学ズーム2倍
レンズに依存
F値広角1.78、超広角2.2、望遠2.82.0レンズに依存
ISO感度54~3,45650~6,400100~32,000
写真フォーマットjpeg、HEIF、rawjpeg、rawjpeg、HEIF、raw
解像度とフレームレート4k120p,60p,30p,24p4k120p,60p,30p,24p
120pはスローモードのみ
4k60p(クロップ有),30p,24p
手振れ補正動画が若干クロップジンバル制御アクティブは1.2倍クロップ
カラースペースHDR、logHLG、logHLG、log
寸法(㎜)149.6×71.5×8.25139.7×42.2×33.5131.3×96.4×79.8+レンズ
重さ(g)199179658+レンズ
バッテリー(mAh)3,5821,3002,280

比較できるスペックを表にしてみた。カメラに関する性能は当たり前だがフルサイズカメラが優位。ただ、別途レンズが必要だったり、大きさが違うのでそもそも比較するものじゃないかもしれない。今回は3年前のミドルクラスのα7Ⅳが比較対象だ。

osmo pocket3は動画に特化しているので写真性能はおまけ程度。かと思いきやちゃんとrawで撮影できる。しかもjpegと同時記録となっているので正直舐めてました。

iPhone16proは最新機種で価格が15万円を超えるだけあってスペック上は高い。4k120pとか映像制作にしか使わないだろって機能まである。

大きさの比較

スペック上でも書いてある通り、大きさがまるで違う。長さは全て同じくらいに見えるが、α7Ⅳのレンズは小型の単焦点を装着してある。レンズ全体で見れば小さいほうなので、本当はもっと大きいレンズが主流だ。

手で持ってみると、いかに一眼カメラが大きいか分かる。他が平面的なのに対して1つだけ立体感を主張している。持ち方もかなり力を入れて握っているように見えるが、実際そうだ。

iPhone16proのカメラ性能詳細と制限

写真を4,800万画素のRAWで撮れたり4K120Pをスローなしで撮影できるなど、驚く機能が備わっているが、色々と制限がある。そこについてちょっと触れていきたい。

4,800万画素は気軽に撮れない

4,800万画素で写真撮れますよって謳ってるけど、実際には制限がある。それはProRAWもしくはHEIFでないと取れないこと。これらの厄介なところはJPEGと違い互換性があまりない。撮った写真をそのままSNSにアップロードできないのだ。

JPEGでも撮影できるが写真モードのとおり24MPまでしか撮れない。が、SNSぐらいだったら24Mも48Mもパッと見分からない。かなり拡大しないと判別できないと思う。

そんな48MPも広角と超広角のみで、望遠やマクロ、ナイトモードは12MPとこれはJPEGでもProRAWでも一緒だ。

HIEFとProRAWはJPEGに変換できる

48MPで撮るにはHIEFかProRAWしかないが、JPEGに変換できるかどうかで言うと両方ともできる。

HIEFは簡単だ。画像をコピーしてフォルダアプリの適当な場所にペーストする。それだけでJPEGに変換されている。

編集が面倒なら自動補正がらくちん

一方のProRAWさんはやり方が同じだがひと手間いる。それはコピーをする前に編集すること。少しだけ彩度を上げたり露出を変えたり。そのあとはHEIFと同じ要領だ。無編集の場合はRAWのままなので注意。

このRAWというフォーマットはプロの写真家も使うもので、データが大きい分綺麗で編集しやすい。というかRAWで撮るということは編集ありき。iPhone純正アプリでもノイズ低減など侮れない機能があるが、本格的に編集するならAdobe Lightroomのアプリを使うのが一番。

ただ、RAWの編集は有料のプレミアムプラン(500円/月)でないとできない。うまくできている。PCですでにLightroomのアドビ税を支払っている人は追加料金なしで利用できるのでお得だ。

このLightroomでも写真が撮れ、しかもシャッター速度やISO感度をマニュアル操作できる。ただ、画素数が12MPに抑えられていて、48MPで撮影できない。なぜなんだ。

4K120Pの外部ストレージにも制限がある

動画の目玉である4K120Pだが、外部ストレージが必要なだけでなく、そのストレージの能力まで求められている。必要とされている能力は書き込み速度で、60Pで220MB/秒以上、120Pで440MB/秒以上だ。

ポータブルSSDなら可能だったが、見た目がちょっと。あとケーブルで繋がっているのは接続面が不安で心配なところもある。

なのでSDカードリーダーぐらいが理想だろう。大きくもなく邪魔にならない。もしくは高速のUSBメモリーだ。書き込み速度が条件を満たしているかは要確認

ちなみに書き込みに失敗すると警告が出る。使用したSDカードの書き込み速度が遅かったのだ。あとカードリーダーの関係も出てくる可能性があるので、いずれにしても外部ストレージはすこぶる使いづらい。

Blackmagic Cameraアプリで外部ストレージいらず

実は外部ストレージ無しで4k60p、120pを使う方法がある。それはBlackmagic Cameraのアプリだ。このアプリはBlackmagic Designという映像機器メーカーが作ったアプリで無料で使える。このアプリだと4k120pを外部ストレージ無しで撮れてしまう。何故なんだ。

アプリの操作画面

操作画面の左上にFPSとあるが、こちらで120pを選択できる。また、シャッター速度やマニュアルフォーカス、レンズの切り替えなど一眼カメラさながらの操作が可能だ。難しそうに感じるが、そこまで複雑な操作は必要ない。

このアプリではさらにコーデックを選択できる。要は映像の圧縮方法を切り替えることができるのだが、iPhoneの純正カメラアプリだとこれが選択できない。ProRAWは強制的に422HQとなり、画質は最も良いコーデックだが、データ量が半端なく重い。

4k/FPS(単位:MB/秒)ProRAW422HQProRAW422ProRAW422LTProRAW422ProxyHEVC(H.265)H.264
120p4402902009010
60p2201401004611
30p11070502377
24p9060401977

4k時の各FPSを調べてみた。撮影時間などによって多少のばらつきはあるので参考程度にみてほしい。数字は1秒ごとのデータ量、単位はMBだ。
4k120pなら440MB/秒なので、1分間で約26GBのデータ容量を食う。1時間なら1,560GBになるが、その前にiPhoneが熱停止するだろう。

データ量が少ないということはかなり圧縮されていて、画質は劣化し編集するときに重たくなる。ProRAWを使うということは編集前提だと思うので、多少データ量が多いコーデックも選択肢だ。iPhoneは購入時にストレージが決まっているので、場合によってはオンラインストレージなんかもあっていいかも。

プロキシという編集時に負担を少なくする方法も設定で選べる。これは動画編集用に生成された代理データで、総合的にデータ量は多くなるが編集時の負担は減るので、選択肢の一つに入れておくと便利。

写真の性能比較

写真の比較に関しては、いずれもrawをLightroomで現像してある。その際レンズのデータがあるものは湾曲収差など補正できるのだが、osmo pocket3だけ無かった。その他の補正は一切行っていない。
また、α7Ⅳのレンズは他とできるだけ焦点距離やF値を合わせるため、SEL20F18Gを使用している。

日中

左からα7Ⅳ、osmo pocket3、iPhone16proだ。撮った写真そのままだと色合い以外何が違うの?という感じ。

中央部を切り取ってみると、osmo pocket3は壁面タイルの情報が少ないし、画素数の関係もあり粗くなっている。iPhone16とα7Ⅳどちらもタイルの色までばっちり写っている。画素数が高いiPhone16proの方が綺麗に見えるが、実はタイルのディテールが損なわれている。

ちなみにosmo pocket3のJPEGの方がまだ色情報は残っているように見える。ただタイルの間の線が太くて雑になっている。

iPhone16proの画角を変えた写真。左から12、48、120㎜だ。48と120㎜は画素数が12MPまで落ちている。

中央部を比較。さすがに望遠の方がいいのは当たり前。

さらに120㎜を細かく見ていくと、タイルにある模様までしっかりと描写されている。

実はこのディテールを描写で来ているのはα7Ⅳ。左がα7Ⅳ、右がiPhone16proなのだが、桜の模様やタイルの模様が見えるのはα7Ⅳのほう。まあここまで拡大することってほとんどないと思うから必要ないっちゃない。

色合いとマクロ撮影をやってみたんだけど、設定があってないのでご参考までに。α7Ⅳはf9.0だしiPhone16proは縦撮影した関係で他の写真と比較し辛い。
iPhone16proはマクロ撮影が可能なのでさすがの近接能力なんだけど、画素が15MPくらいまで落ちます。逆にosmo pocket3は近接が苦手。色はα7Ⅳが自然に見えてiPhone16proは不自然に明るくなる。

設定を限りなく近くして撮ってみた。α7Ⅳ、というか使用したレンズはそこまで近づけないが被写界深度が深く、被写体である紅葉の前後がぼけてくれる。iPhone16proはマクロだとしてもやっぱり被写界深度は浅い。

iPhone16proのマクロ撮影は超広角だと48MPを維持してくれる。というかマクロ撮影に切り替わらないので、もともと近接能力が高いということだと思う。

室内

osmo pocket3はダイナミックレンジが狭いのか明るい所が白っぽいところが目立つ。3つとも「手に取って読んでみてね!」という吹き出しに焦点を当てた。被写界深度はやはりα7Ⅳが深い。

α7Ⅳが色濃く出ているが印象。osmo pocket3は逆に薄味だ。

夜の撮影では、α7Ⅳとosmo pocket3の写真は室内が明るすぎて中がよく分からない。ただ、それでもα7Ⅳは夜空が見えるのでダイナミックレンジは相当広い。他より撮影時間が少し早かったこともあるかも。iPhone16proはナイトモードを使用せず撮影。室内がくっきり分かるが、その代わり外は真っ暗。

中央部を拡大してみると、やはりタイルのディテールはα7Ⅳが一番だ。ただ、今回の写真では1/10秒で撮影したためか手振れしてしまっている。そこまで考えるとiPhone16proの方が総合的に見て憂愁に感じる。

露出を2.0にしてナイトモード2秒で撮影したのが右側。確かに外は明るくなったが、その代わり画素数が下がって25MPほどになった。しかもRAWではなくHIEFになるので、ナイトモードは使用せずあとから編集でシャドウを上げるなりするのも選択肢だ。

iPhone16proの5倍レンズで撮った写真をさらに拡大。さすがに望遠レンズというだけあってタイルの模様までちゃんと写っている。

動画の性能比較

動画はそれぞれ4K30pでlogの10bit撮影、iPhone16proはProRAWのコーデックごとに撮影し、α7ⅣはH264、osmo pocket3はH265で撮影している。4kの24pか60pならα7ⅣにもH265がある。
画質のチェックはDaVinci Resolveという動画編集ソフトで対応するLUTを適用しチルト保存して比較。手振れ補正はここで動画を載せられないので結論だけ書くと、ジンバルのあるosmo pocket3が一番。α7ⅣとiPhone16proはどっこいかな。ただ、ゆっくりと歩くことが前提で、α7Ⅳはアクティブ手振れ補正を利用するので画角が狭くなる。

日中

比較してもパッと見色合いが違うなーくらい。iPhone16proはフリッカー現象で照明がチカチカしていたので、シャッター速度は気にした方がいいと思う。

写真と同じく中央部を拡大。画質でいうとiPhone16proが一番きれいだ。次いでosmo pocket3といったところ。α7ⅣはコーデックがH264であることも画質が悪さに影響していると思う。

今度はiPhone16proのコーデックごとの画質の差。prores422HQが最も良いのは勿論だけど、H265がかなり健闘していて、prores422ltぐらいある。逆にH264はかなり画質が悪いのが分かる。データサイズが小さく画質もそれなりなH265はかなり優秀だ。

夜の比較ではosmo pocket3がかなり明るさを増しているように見えるが。

中央を拡大するとosmo pocket3は画質がかなり悪い。iPhone16proも昼に比べて悪くなっている。α7Ⅳはこの中では一番いい。

osmo pocket3には低照度モードがあり、ISO感度の上限を引き上げてくれる。実際ディテールはかなり戻った。α7Ⅳと同じくらいだが、ISO感度が上がった影響でノイズが増えた。DaVinci Resolveではノイズ除去機能があるのでかなり改善できる。(馬鹿ほど編集が重たくなるが)

iPhone16proのカメラ性能はかなり高い、しかし万能でもない

あえて3つの異なるカメラを比較してみて、改めてiPhone16proは優秀なカメラだと実感した。一眼カメラに迫る静止画で、動画も高画質、アプリを使えばコーデックを変えることもできる。それでいて大きさはポケットに入る大きさなので、持ち運ぶのにも便利。

ただここまでのカメラ性能が果たしているかという問題。SNSに投稿するくらいならもっと安いスマホでも十分だし、vlogとして使うならosmo pocket3はかなり優秀だ。手振れはジンバルで制御され、反対側のポケットに入れておくだけでいい。
写真はスマホ、動画はosmo pocket3という分業をすることにより、スマホに負荷をかけすぎないというメリットもある。緊急時の連絡や地図、支払いなどスマホはできれば温存しておきたい。

一眼カメラはレンズを変えて状況に応じた能力を引き出せるが、その分重いしお金もかかる。それでいて今回分かったのはiPhone16proと広角ならそこまで大きな差はないこと。大きな違いは被写界深度で、一応スマホにもポートレート撮影やシネマ撮影で対応できるが、どことなく補正で作ったボケ感がある。

あとカメラコントロールボタンはそこまで使うことはないかな。スマホのカメラはちょっと焦点距離を変えると画素や解像度が変わるので微調整はあまりしない。むしろスマホをホールドした時、誤操作して焦点距離が変わるのが鬱陶しいと感じた。ボタン一つで写真が起動するのは便利なんだけどね。

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