スタンダード機のR6が新たにMarkⅢを投入し、より高性能なハイブリットカメラになりました。昨年発売されたハイエンドハイブリットカメラのR5 MarkⅡとは似たような性能をしていますが、具体的にどのような所が違うのか確認していきます。
スペック比較表
| 項目 | R6 Mark III | R5 Mark II |
|---|---|---|
| 画素数 | 約3250万画素 | 約4500万画素 |
| 画像処理エンジン | DIGIC X | DIGIC Accelerator + DIGIC X |
| ISO感度(静止画) | ISO 100–64000(拡張50–102400) | ISO 100–51200(拡張50–102400) |
| AF性能 | 人物・動物・乗り物検出、自動 | 人物・動物・乗り物検出、視線入力AF/アクション優先 |
| 連写性能 | 電子:最大40コマ/秒 メカ:最大12コマ/秒 プリ連写(最大20枚) | 電子:最大30コマ/秒 メカ:最大12コマ/秒 プリ連写(最大15枚) |
| 連続撮影枚数(電子:RAW) | 約400枚 | 約95枚 |
| シャッター速度(メカ) | 1/8000–30秒 | 1/8000–30秒 |
| シャッター速度(電子) | 1/16000–30秒 | 1/32000–30秒 |
| 動画性能 | 7K60p RAW内部記録(オープンゲート) 4K120p | 8K60p RAW内部記録 4K120p |
| 手ブレ補正 | ボディ内5軸、最大8.5段 | ボディ内5軸、最大8.5段 |
| ファインダー | 0.5型 OLED 約369万ドット | 0.5型 OLED 約576万ドット |
| モニター | 3.0型 バリアングル 約162万ドット | 3.2型 バリアングル 約210万ドット |
| サイズ | 約138.4×98.4×88.4mm | 約138.5×101.2×93.5mm |
| 重量(バッテリー・カード込) | 約699g | 約746g |
| バッテリー | LP-E6P | LP-E6P |
| 記録メディア | CFexpress Type B ×1 + SD UHS-II ×1 8TBまで対応 | CFexpress Type B ×1 + SD UHS-II ×1 2TBまで対応 |
| 通信機能 | Wi-Fi / Bluetooth | 拡張アクセで有線LAN対応 |
| 定価 | 429,000円 | 654,500円 |
| 実売価格 | 522,000円 | |
| その他機能 | デジタルテレコン対応(×2.0、×4.0) カラーフィルター | アップスケーリング 冷却ファン付グリップ |
センサー

画素数はR5Ⅱの方が1250万画素高く、より大きな印刷やクロップ耐性があります。映像エンジンはR5ⅡにのみDIGIC Acceleratorが搭載されており、高速・高画質を実現しています。これによって4500万画素という高画素の画像を処理しています。
ISO感度は画素数が少ないR6Ⅲの方が若干良いようですが、そこまで大きな影響を与える幅でもなさそうです。
AF性能

基本的な被写体検出の対象は同じですが、R6Ⅲにはカメラが被写体をAUTOで選択する自動というコマンドが増えました。特に被写体を決めていないときはとりあえず選んでおける便利な機能です。
R5Ⅱには撮影者の視線を検出してAFエリアを移動する視線入力や、スポーツの細かいアクションを認識するアクション優先があるので、よりプロ向けの性能となっています。
連写性能

R6Ⅲは画素数が上がっても変わらず40コマ/秒の連写が可能で、R5Ⅱの30コマ/秒よりも高い性能となっています。また、連続撮影枚数もRAWで約400枚とパワーアップしており、スチル機としての機能が上昇しています。
動画性能

両機ともRAWの内部収録に対応しており、4k120pでの撮影が可能です。画素数が高い分R5Ⅱは8kとより高画質の動画撮影ができますが、R6Ⅲは3:2のオープンゲート記録により1回の撮影で縦動画の映像を得られやすくなりました。
ファインダーとモニター

ファインダーとモニターはともにR5Ⅱの方が高いドット数により見やすくなっています。モニターも大きいので、映像を視認しやすくなっています。より細かな映像を求めるプロ向けなのはR5Ⅱということになります。
サイズと重量
基本的に高性能なR5Ⅱの方がサイズも重量も大きく重くなっています。ただ、重量は約50gとそれほどの差は無いので、気にする人は少ないでしょう。
記録メディアと通信機能

R6ⅢはCFexpress Bに対応し、さらに8TBまでの記録メディアが利用可能となりました。R5Ⅱは2TBまでなので、ここは最新機種であるR6Ⅲの方が優秀です。

カメラに内蔵された通信機能は同じですが、拡張アクセサリーのグリップを使用するとR5Ⅱは有線LANを使用可能になります。これにより高速通信でカメラのデータを送信することが可能なので、より業務用の機能と言えるでしょう。
その他機能

R5Ⅱにはデジタルテレコン機能があり、画像を2倍と4倍にデジタル処理することができます。勿論その分画質は劣化してしまいます。

14種のカラーフィルターもあり、撮影時に自分好みの色味を付けることができるので、撮影後の手間を省くことができます。

対してR5Ⅱはカメラ内でのアップスケーリングが可能で最大約1億7900万画素にまで画像を拡大できます。ハイレゾ撮影とは違い1枚の画像を処理するだけなので、より手軽に超高解像度の画像を作成できます。
また、カメラ本体には冷却ファンが内蔵されていないですが、拡張アクセサリーのグリップには冷却ファンがあり、より長時間の使用が可能になります。R5Ⅱのグリップには冷却ファンが搭載されていません。
価格
定価でみるとR5Ⅱの方が約22万5千円高くなっているので、単純な比較対象にはなりえないでしょう。ただ、R5Ⅱは発売から1年以上が経過したため安くなっており、また現在キャッシュバックキャンペーンの対象で7万円戻ってきます。R6Ⅲの実売価格が定価の90%だと仮定するとその差額は7万円以下となります。
R5Ⅱ (522,000円ー70,000円)ーR6Ⅲ(429,000円×90%)=65,900円
R6Ⅲを購入予定ならR5Ⅱも十分視野に入るかも
現在の実質的な価格差は7万円以下となっており、決して大きくない差ではあります。しかし、8Kでの動画撮影や視線入力などの高いAF性能、高いドット数のファインダーやモニターなどと考えると、そこまで大きな金額差ではないのではないでしょうか。勿論R6Ⅲには連写性能やオープンゲート記録などの優位性はありますので、完全下位互換のカメラではありません。
ただ、拡張グリップに冷却ファンや有線LANがあるR5Ⅱは業務で使用する前提のプロ向けだと思うので、その差額が7万円以下なら十分選択肢に入りそうです。

