販売終了となったX-T30IIの後継機が2025年11月に発売されます。先代は手ごろな価格でクラシックなカメラでしたが、形は変えず中身を最新のセンサーにしています。そんなX-T30IIIが富士フイルムのカメラでどのような立ち位置なのか、近い性能を持つX-M5やX-S20等と比較してみます。
スペック比較表
| 項目 | X-T30 III | X-T30 II | X-M5 | X-S20 | X-T50 |
|---|---|---|---|---|---|
| 発売日 | 2025年11月下旬 | 2021年11月25日 | 2024年11月28日 | 2023年6月29日 | 2024年6月28日 |
| 定価 | 152,900円 | 108,900円 | 136,400円 | 192,500円 | 246,400円 |
| 実勢価格 | 120,000円 | 185,000円 | 196,000円 | ||
| 有効画素 | 26 MP X-Trans 4 | 26 MP X-Trans 4 | 26 MP X-Trans 4 | 26 MP X-Trans 4 | 40 MP X-Trans 5 HR |
| 画像処理 | X-Processor 5 | X-Processor 4 | X-Processor 5 | X-Processor 5 | X-Processor 5 |
| 手振れ補正 | 非搭載 | 非搭載 | 非搭載 | 7 段 | 7 段 |
| 連写 | メカ8 fps/電子30 fps | メカ8 fps/電子30 fps | メカ8 fps/電子30 fps | メカ8 fps/電子30 fps | メカ8 fps/電子20 fps |
| モニター可動方式 | チルト | チルト | バリアングル | バリアングル | チルト |
| 液晶モニター解像度 | 約162万ドット | 約162万ドット | 約104万ドット | 約184万ドット | 約184万ドット |
| ファインダー(EVF)解像度 | 約236万ドット | 約236万ドット | なし | 約236万ドット | 約269万ドット |
| バッテリーライフ (CIPA) | 425枚 | 390枚 | 330枚 | 750枚 | 310枚 |
| 防塵防滴 | なし | なし | なし | なし | なし |
| カードスロット | 1枚(UHS-I) | 1枚(UHS-I) | 1枚(UHS-I) | 1枚(UHS-II) | 1枚(UHS-II) |
| 最高動画 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 4K/30p | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 | 6.2K/30 p 10bit 4:2:2 |
| 質量(電池込) | 378g | 378g | 355 g | 491g | 438 g |
※実勢価格は2025年10月時点の価格.com最安値
X-T30IIIの特徴

スペックだけで見るとX-M5と中身は一緒で、後はファインダーや内蔵フラッシュ、モニター可動が大きな違いです。手振れ補正が非搭載なため、レンズは手振れ補正のあるものが好ましいでしょう。
先代とは姿形がほぼ一緒ですが、フィルムシミュレーションダイヤルを搭載しているため、簡単に画の違いを楽しむことができます。AIAFにより被写体検出ができるようになり、動画性能も6.2kで10bit撮影が可能など大幅に向上しています。
X-T30 IIとの比較

見た目はそのまま、中身は最新になっています。基本的に先代を購入する理由は無く、中古価格も割高なためX-T30IIIをおすすめします。
X-M5

性能はほぼ一緒ですが、M5はVlog向けの機能があり、モニターはバリアングル、タッチパネルで操作しやすいVlogモードや指向性を選べる内臓マイクなどを搭載しています。
見た目における大きな違いはファインダーの有無でしょう。T30IIIはチルト式モニターということもあり、よりスチル向けのカメラです。その分重量は70gほどM5が軽くなっており、より小型軽量を求める場合はこちらの方が良いでしょう。
価格の違いは約17,000円程度なため、静止画か動画どちらを重要視するかが購入の決め手となりそうです。
X-S20との比較

画素数や連写性能など基本的な性能は変わりませんが、手振れ補正を搭載し、握りやすい大型のグリップやバッテリー性能が向上しています。そのため、S20はより本格的な撮影を望む人向けと言えるでしょう。
ただ、その分サイズが大きくなり重量も100g以上アップ、価格も4万円の差があるなど無視できない要素があります。
X-T50

T50はセンサーが変わり、約4000万画素と高画素化しています。手振れ補正も搭載しているので、より高画素で撮影したい方におすすめです。
その他の性能はほとんど一緒で、高画素化に伴い撮影枚数も多くありません。サイズや重量はアップし、価格は定価で10万円近くの差があるので、手振れ補正や高画素を求めない場合は購入する必要性は薄くなっています。
X-T30IIIはクラシックなカメラを持ちたい人におすすめのエントリー機
富士フイルム内での比較をしてみましたが、ファインダーがあるカメラでは最も安い価格なため、クラシックなカメラを求めている初心者にはおすすめのカメラです。
ファインダーが必要なく、動画性能も重要視したい場合はX-M5が選択肢に入り、手振れ補正が必要ならX-S20、高画素ならX-T50が選択肢に入ってきます。
新たな性能が追加されるというサプライズはありませんでしたが、選択肢が増えたことはユーザーにとって喜ばしいことです。

