RX1R IIIはフルサイズの高画素カメラ。ならば同じSONYの高画素機で小型軽量のα7CRとの差は何なのか。レンズ固定と交換式という大きな違いはありますが、気になるので比較してみます。

スペック比較表
項目 | RX1R III | α7CR |
センサー | 61MP フルサイズ Exmor R | 61MP フルサイズ Exmor R |
画像処理エンジン | BIONZ XR + AIプロセッシングユニット | BIONZ XR + AIプロセッシングユニット |
ISO 感度 | ISO 100‑32,000 (拡張 50‑102,400) | ISO 100‑32,000 (拡張 50‑102,400) |
AF性能(被写体検出) | 693点像面位相差 AI被写体検出:人物/動物/鳥/昆虫/車・列車/飛行機/オート | 693点像面位相差 AI被写体検出:人物/動物/鳥/昆虫/車・列車/飛行機/オート |
連写性能 | 約5コマ/秒(AF/AE追従) | メカ:約8コマ/秒(AF/AE追従) 電子:約7コマ/秒 |
シャッター速度 | メカ:1/4000s~30s 電子:1/8000s | メカ:1/4000s~30s 電子:1/8000s |
動画性能 | 4K30p 10‑bit 4:2:2 | 4K60p(1.2倍クロップ) 10‑bit 4:2:2 16bit RAW外部出力 |
手振れ補正 | なし 動画:電子アクティブIS | 5軸ボディ内手ブレ補正(約7段) |
ファインダー | 2.36M EVF(約0.70倍) | 2.36M EVF(約0.70倍) |
液晶モニター | 固定 3.0型 2.36M | バリアングル 3.0型 1.03M |
サイズ (W×H×D) | 約113 × 68 × 88 mm | 約124 × 71 × 63 mm |
重量 | 約498 g | 約515 g |
防塵防滴 | なし | あり |
バッテリー | NP‑FW50/約300枚 | NP‑FZ100/約490枚 |
記録メディア | SD(SDXC)UHS‑II シングル | SD(SDXC)UHS‑II シングル |
通信機能 | Wi‑Fi 2.4/5GHz・Bluetooth・USB‑C・micro‑HDMI | Wi‑Fi 2.4/5GHz・Bluetooth・USB‑C ・microHDMI |
価格(発売時) | 約660,000円 | 449,900円 |
レンズ / マウント | ZEISS Sonnar T* 35mm F2 | 交換式 Eマウント |
その他機能 | ステップクロップ35/50/70mm 12種Creative Look マクロリング | ピクセルシフトマルチ撮影(最大約240MP相当) オートフレーミング動画 ダイナミックアクティブ手振れ補正 |
変わらない性能がいくつかあるので、まずはこれらをまとめます。
同スペック一覧
- センサー
- 画像処理エンジン
- ISO感度
- AF性能
- シャッター速度
- ファインダー
- 記録メディア
- 通信機能
根幹部分のセンサーや画像処理園児は同じなため、基本的に出力される画は同じになると思います。他にもAIによる高性能AFや、シャッター速度などは変わらず。
画角を気にしないのなら、写真撮影に関する性能は大きな違いが無いといってもいいでしょう。
連写性能
RX1R IIIは5fpsに対してα7CRは8fpsと若干早く撮ることができます。と言ってもどちらも動体向けカメラではないので、実際の使用に大きな差はないでしょう。
ちなみにRAWの連続撮影可能枚数はRX1R IIIが52枚、α7CRが36枚でRX1R IIIの方が多く撮影できます。連写する際のバッファが関係しているためだと思いますが、高画素機で長い間連写することはほぼないので、これもあまり気にならないスペックです
動画性能

α7CRは4kでかつ60p(クロップ有)で撮影可能なため、動画を撮ることもあるならα7CRが選択肢に入ってきます。さらにAPS-Cモードにすると6.2kオーバーサンプリングで解像度が向上したり、外部レコーダー経由で16bit RAW動画の出力が可能です。
さらにアクティブ手振れよりも強力なダイナミックアクティブモードがあり、大幅にクロップされますがより強力な手振れ補正を手に入れることができます。また、人物をフレーム内に収め続けるオートフレーミング機能もアップデートで追加されました。
ただ、残念ながらα7RVのように8kでの撮影はできません。
手振れ補正

RX1R IIIに光学式の手振れ補正は無く、動画のアクティブ手振れのみですが、α7CRには7段の手振れ補正があるので、シャッター速度を遅くしたり、夜間での撮影がしやすくなります。
レンズにも手振れ補正があれば、ボディとレンズの協調制御で手振れ補正が増します。
モニター

解像度はRX1R IIIが2.36Mと勝っていますが、カメラ本体に固定。対してα7CRはバリアングルなので、ローアングルや自撮りなどが可能です。タッチパネルとの相性も良く、柔軟に設定を変更できます。
サイズと重量

カメラ本体だけ見ればほとんど変わりありません。が、α7CRの場合はレンズを装着する必要があるので、その分重量もサイズも大きくなってしまいます。
35mmのレンズだけで十分ならばRX1R IIIで事足りるでしょう。
防塵防滴

RX1R IIIは防塵防滴にはなっておらず、悪天候の時には持ち出せません。α7CRは防塵防滴に配慮した設計となっており、厳しい環境下でも持ち出せるのは大きな強みです。
バッテリー

RX1R IIIはバッテリーが新しくなりましたが、容量が小さなバッテリーになっています。NP‑FW50が1020mAh、NP‑FZ100が2,280mAhと倍違います。小型軽量を維持するためだとは思いますが、結局予備バッテリーが必要になるなら、大容量バッテリーでもよかったのではと思ってしまいます。
その他機能

RX1R IIIは35mmの単焦点レンズを外すことはできませんが、画素数を落とすことで画角を変えるステップクロップ機能があります。α7CRはレンズを交換かズームレンズで焦点距離を変えれますが、APS-Cサイズ撮影すれば画素数を落として約1.5倍の画角を得られます。

クリエイティブルックは両機種にもありますが、RX1R IIIにはFL2とFL3が追加されています。

α7CRには4倍の画素数を創り出すことができるピクセルシフトマルチ撮影が備わっています。
価格差は約21万円、だけど唯一無二
価格差は正確ではないですが、市場価格で計算すると約21万円RX1R IIIの方が高くなっています。機能だけでみるとα7CRが良いようにも思えます。が、フルサイズのコンデジという存在は現行カメラだとほとんどありません。とてもニッチな商品なのです。
α7CRはソニーの高画素機カメラですが、他にはα7RVやα1Ⅱなどがあり、あくまでミラーレスカメラの1機種です。そう考えると、RX1R IIIはそんなにも高くないカメラ…何でしょうか。
α7CRは2023年発売ということもあり実売価格は約35万円、定期的なキャッシュバックキャンペーンで2万円バックするので、欲しい人はこの機会に購入した方がよいでしょう。
